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診察室2(更年期)

更年期障害は50前後の女性にみられる不定愁訴の症候群です。下記は当院で使用している問診表の一部ですがホルモンがなくなった時に出現する症状から、神経症状、精神症状、身体症状と様々な症状が出現します。

更年期のとらえ方

1.これまでの人生を検討し,閉経後の30年の計画を立てる時期
2.人生の最後の時期ではなく,寿命の延長により,人生の後半の部分のスタート.
3.人生前半の見直しとともに,後半への対策を有効に行なえる最後の時期
4.健康が維持できれば,経済的社会的には比較的余裕のある時期であり,自分の行いたい事が実行可能な時期


更年期の主訴と症状

更年期障害問診表(Kuppermann Index)

症状 なし
顔が熱くなる(ほてる)
汗をかきやすい
腰や手足が冷える
息切れがする
手足がしびれる
手足の感覚が鈍い
夜なかなか寝つかれない
夜寝てもすぐ目を覚ましやすい
興奮しやすい
神経質である
つまらないことにくよくよする
めまいや吐き気がある
疲れやすい
肩こり、腰痛、手足の節々の痛みがある
頭が痛い
心臓の動悸がある
皮膚を蟻が這うような感じがする
合計


原因は
(1)ホルモンバランスの失調
(2)環境の変化(夫の転職、子供の進路結婚、両親病気 死など)
(3)自身の性格(几帳面、悲観的なものの考え方など)
いろいろな要素が関係しています


更年期治療の特徴

  1. 十人十色の治療方法       他人が効いたからといって同じ治療法が効くとは限りません
    多数他科に関連する治療    
    婦人科以外にも関係する症状があり、各科との連携が必要です
    心理療法の重要性        
    心理的な要素が強くカウンセリングが効果的です
    婦人科受診が最後の砦?    
    どこの科でも原因がわからず、更年期?といわれ来院する方も多いようです
    婦人科疾患?精神科疾患?   
    婦人科で診察か、メンタルヘルス科か迷う症例が多いようです



診察では問診表を基に現在の状態を把握し薬物治療だけでなくカウンセリングも加える治療が必要です。
漢方治療だけでなくHRT(ホルモン補充療法)の併用も行なわれます。


HRT(ホルモン療法)が現在多くの医療機関で施行され成果をあげていますが上記のような多様な面から症状が出現している為ホルモン補充だけでは治癒しない症例も多くあります。漢方治療との併用で対処できる症例もあります。


更年期を爽やかに過ごす
6つのポイント


@食事        食事は規則正しく栄養バランスを考えて
A運動        毎日のウォーキングや無理のない柔軟体を
B人間関係     家族とのコミュニケーションを大切に
Cストレス解消   同じ年代の友人との情報交換を
D生き方       物事に対し前向きに、"いい加減"な心得 完璧主義はストレスのもと気楽な気持ちで
            自分自身の楽しみや生きがいを持とう  常にチャレンジ精神を持とう
E健康管理     自分の健康は自分で守ろう、健康診断を



当院で処方している更年期障害に対する漢方薬の主な方剤は下記です

@発汗異常
  多汗症        桂枝    サフランを含む方剤  
              女神散      五積散
              黄連解毒湯   温清飲(合四物湯)   三黄瀉心湯
              防己黄耆湯   防風通聖散

A神経症状
  咽中炙臠      半夏厚朴湯
  鬱症状        香蘇散      柴胡加竜骨牡蛎湯
  不眠症        酸棗仁湯     桂枝加竜骨牡蛎湯
  無気力        補気剤(参耆剤)            補中益気湯   人参養栄湯   十全大補湯

B神経筋症状 
  肩こり        葛根湯      桂枝加附子湯
  坐骨神経痛     八味丸      牛車腎気丸
  頭痛         呉茱萸湯     五苓散          釣藤散
  眩暈         苓桂朮甘湯   半夏白朮天麻湯

C不定愁訴       加味逍遙散   加味帰脾湯




ホルモン療法、漢方治療の実際については随時更新していきます

更年期障害に関する御意見、質問があれば下記まで御連絡ください。          


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