鍼灸による骨盤位(さかご)矯正

2003年7月より当院近隣にア キュア鍼灸院が開院されました。いままで施設、時間の関係で鍼灸治療が行なえませんでしたが
鍼灸院と連携して鍼灸治療が可能となりました。
東洋医学の内治(漢方治療)外治(鍼灸治療)が実践できるようになります。


 骨盤位(さかご)の分娩は頭位分娩に比較して危険が多く分娩時間の遷延や低酸素状態による分娩障害を招く恐れがあるため、近年は帝王切開による出産が多くなっています。これまで骨盤位(さかご)矯正は外回転術、さかご体操など行ってきましたが外回転術は危険が多く、またさかご体操も窮屈な体位のためかえってお腹を張ってしまうことが多く十分な治療とはいえません。
 当院では鍼灸によりいくつかのつぼを使い胎児の自己回転を促す治療をしております。針治療は“痛い”“怖い”という印象があるようですが通常採血する針の1/10程度の太さですので心配は無用です。


治療の特徴

(1)つぼへの刺激で胎児自己回転への促進による矯正のため、切迫早産および外回転法の胎盤早期剥離などの危険なく胎児への影響が少なく安全に矯正することができます。
(2)治療を受けた人は胎動が増加し子宮筋の緊張が軽減したなどの感想も多く、安胎効果があります。
(3)腹緊が多く、さかご体操が困難な患者にも治療可能です。
(4)切迫早産への治療としての応用効果の可能性があります。


治療の実際

@超音波検査にて胎児の位置を確認します。胎盤の位置、臍帯(へその緒)が首に回っていないか調べます。
A至陰(足第五趾)への灸 (写真1)
B三陰交への鍼入 (写真2)
治療後は20〜30分側臥位になってもらいます。
一回の治療で約一時間を要します。


     写真1               写真2


通常30週前後で施行し良好な成績を残していますが(約85%)、36週以降の矯正率は低下します。

さかごの鍼灸治療は現在当院では行なっておりません。アキュア鍼灸院に御連絡下さい。

 開始週数別治療成績

 週  症例数  矯正  矯正不能 矯正率(%)
〜28    3    3    0  100
28〜
30〜
  13
  43
  12
  33
   1
  10
  92.3
  76.7
32〜
34〜
  20
  13
   9
   9
  11
   4
  45.0
  69.2
36〜   3    2    1   66.7

診療案内へ