(つづき)


 「こうなったら 何としてでも、ポップ君の秘密の花園を突き止めなきゃ〜v」


 レオナは自分の導き出した答えに疑いもなく、実に楽しそうだ。
 一方、ダイとマァムは、レオナの弾き出した結果についていけない。
 一体、何を根拠に、そんな強引な考えに至ったのだろう…。


 「秘密の…って、レオナ」

 「何でポップが花を育てていると思うの?」


取り合えず、疑問をそのまま聞いてみた。
するとレオナは、少し上目加減になって答えた。


 「何でって…そうね。最近ね、ポップ君がいないな〜と思って探すと
  図書室にいたりするの。」

 「だからって…」

 「あんまり頻繁だったから、コッソリ様子を見に行かせたのよ。
  どうやら、植物学とか自然科学類の本をよく読んでるらしいの」

 「単なる勉強じゃないの?ポップって見かけに寄らず勤勉だから…」

 「本人もそう言ったわ。単なる興味心だって、魔法使いは博識でなきゃいけないんだって」


 『勉強』『博識』と言う言葉に過剰に反応し、何故か、ビクビクしているダイは、綺麗に無視されている。

 まだ、納得いかないマァムに、レオナは負けじと主張する。


 「だっておかしいと思わない? 魔法に関する薬草とかに関しては、ここよりマトリフさんのところの本のほうが、
   うんと詳しいのよ。  ココにあるのは、極普通の植物に関する本ばかり。 
   とてもポップ君の興味をそそるものとは思えないわ。 自分も何かを育てていない限りは…ね」


 レオナはちょっと意地悪そうに微笑む。


 「それにしてもねぇ…」


 ため息混じりにマァムが首をかしげると、レオナはカラカラと笑う。


 「いいじゃない、確かめてみればわかることだもの。 それに…マァム、気にならない?」

 「え? 何が…?」


 何かを企んでるような笑顔のまま、人差し指を立て、


 「ポップ君の育てている花、どんなのか、すごーく、気にならない?」


 レオナが言った言葉に、マァムはちょっと硬直している。
 さらに彼女は、付け加える。


 「あの、大魔道士の育ててる花よ? 世界一の魔法使いの育てた花、…見たくない?」


レオナがニンマリと笑う。


 「…………すっごく見たいわv」


 マァムもニンマリと笑う。

 女同士の連帯が成立した瞬間である。

 


 「ねえ、ダイ君?」

 「は、は、はい!?」


 先ほどから不穏な空気に飲まれて、一言も話せず、身動き出来ずにいたダイは、
 急に自分に話と視線を振られて、あらかさまに動揺する。

 恐る恐る、レオナとマァムを見ると、二人とも自分に向かって笑顔を向けている。
 何も知らない世の男性なら、大抵の者は見惚れてしまうであろう、二人の美女の笑顔。
 しかしその後ろに、奇妙なオーラを感じられるのは、ダイの気のせいではない。


 「もちろん、ダイ君も見たいわよね?」

 「う……っ ……うん」

 「じゃ、 協力してくれるわよね?」

 「………………ハイ」


 ダイに拒否権は、無かった。



 (つづく)


  

  …まだ 続いちゃいました… 今度でポップ君がやっと出てきます。そして終わりです。
 レオナとマァムって女同士でも、何か男同士の付き合いみたいな関係だといいなあ〜と思います。
 何かこう、サバサバしてるっていうか。