人間椅子LIVE 疾風怒涛ツアー 2010・7.10 at 名古屋 ell FITS All

 

 今回は自分にとっては去年の未来浪漫派ツアー以来七ヶ月ぶりの椅子さんライヴであります。
あまりに期間があきすぎたため、前日まで実感がわかなかったのですが。今回は整理番号があまりよくなく、そのせいでテンションがいまいちあがらないのもありまして・・・。
 名古屋では整理番号が26番で最前は無理と思っていたのですが、幸運にも右側の王子様のマイクがわの前にくることができました。スピーカーが近くにあるので、予防のため右耳に耳栓がわりの油とり紙をつめておく自分。雑談しながら開演を待ちます。お客さんも後ろまでぴっちりな感じです。
 やがてSEが流れて開演。王子様はいつもの文豪スタイル、ノブさんはえんじ色っぽい上着、そして研ちゃんは自分ははじめて見る薄紫の袈裟姿です。いつものことですが、MCの順番は実際と全く異なっている可能性が高いことを先にお断りしております。あと例によって王子様のことしか書いてませんのであしからず。わ)王子様・け)研ちゃん・ノ)ノブさん。
 「鉄格子黙示録」のぶあつい音色のイントロが流れると同時に椅子さんワールドに会場が一気に包み込まれた感があります。自分にとっては七ヶ月ぶり・・・あっそういえば研ちゃん見るの七ヶ月ぶりだわ(ノブさんは3月のムーンライダーズさん&王子様の四人衆ライヴなどで見ていたので)「恐怖!ふじつぼ人間」この時は選挙直前だったので研ちゃんが「選挙カーに乗って〜名古屋城のお堀から〜」といつものご当地呼び込み。にこにこしてギターを弾く王子様がかわいいです。椅子さんでギターを弾く王子様を見るのは本当に久しぶり。和嶋工務店の自分の好きな世界で楽しむ王子様もいいですが、本拠地に帰ってきた感の安心感とでもいうんでしょうか。「蟲」は聞くのは随分久しぶりな気がします。CDで聞くよりライヴで聞くほうが断然個人的に好きな曲。ギターソロの王子様にまたいつものごとく胸の前で両手を組み合わせてしまう自分。もういい年だっつうのに。「幽霊列車」ああ〜これも久しぶり〜。この曲もザッツ王子様!って感じがします。
 今回のツアーはライヴCDのため東名阪で録音、東京で映像を撮るというお話し。わ)「今日はあえてこてこてな曲ばかりになります。いつもよりも必然的に休みが多くなります!」と王子様。け)「頭の中がどうしても「録音、録音」ってなってしまう」わ)「でもそれはあえて忘れていきたいですね!」け)「忘れられるものならねえ〜」ああっ。しかしメインはあくまでCD(音)で、DVD(映像)はあくまでおまけです、というお話。やっぱりロックバンドですからね。け)「KISSのライヴインジャパンみたいな」うーん聞いたことないのであんまりたとえ的にわかりませんが;わ)「今回のツアータイトルは疾風怒濤、横溢する生命、終わらない青春、ということですが、ライヴをやるごとになんだか気持ちが若返っていくような気がします」それは初期衝動が常に続いているということなのでしょうか。うーんロックですね、素敵です、と思った矢先に研ちゃんが「僕はもう死期が見えてます。賽の河原が見えそうです。ノブはまだ賽の河原見えないよね?」ノ「うん、全然見えない!」賽の河原のさの字も見えてなさそうですよね確かに。わ)「年齢が年齢なので身体がついていかないところはあるけれど、なんとか精神と身体がバランスを保とうとしている感じです」なんだか数年前に比べて見た目は老けたけれど(あっ)若々しさというか輝きを感じます。音楽ができることに対してのきらきらした喜びが見て取れます。目に見えない光が見えます・・・って盲愛語りがすぎてすみません。でも一時期の壊れてしまいそうな危うさは抜けたように思えます。わ)「ずっと夢の中にいて、狂ってしまった男の曲です」という前語りで、「塔の中の男」これからこの曲はアルバムツアーとかに関わらず、お約束的な曲になるのかな。「愛をはぐくんでいる〜」のナイーブな響きがきゅんとします。「賽の河原」さっきの「賽の河原が見えるうんぬん」の話があったせいかちょっとおかしかったです。「どだればち」一時期この曲いつもやってたけど最近はあんまり聞いてなかったのでうおお〜ときました。この泥臭いドライヴ感とでもいいますか上手く表現できないんですが、これは椅子さんしか作れない世界だなと。こうやって新旧入り混じってても世界観の軸がぶれていないのがまたすごいといいますか。
 このあたりで王子様羽織をぬぎぬぎして白い布できゅっ!とたすきがけ。研ちゃんの問いかけに布をくわえながらもごもご答えてるのがかわいくて萌えです。布の先端にひもが見えましたが、たすきがけ専用の布なんでしょうか。きれいなほっそりした両腕が剥き出しになります。け)「そろそろねぷたの季節ですね。僕たちもねぷたを出したいという話はずっとしてるんですが、和嶋くんは笛うまいですからね」わ)「いや、普通です!」そういえば「無限の住人」でも確か笛吹いてたっけ。横笛を吹く姿を想像してまた萌え萌え。このねぷた関連の話をしてるときの二人が微妙に津軽訛りだったのもかわいいです。け)「最近和嶋くんのギターも神がかってますよね」わ)「あ、またあの、ほめごろしが・・・」でも研ちゃんもなんか王子様がどんどん超越的な方向に行きつつあるのをどこかわかってるんでしょうか。け)「今回はライヴCD録りってことで、僕たちがいつもレコーディングで一緒のエンジニアの内藤くんが一緒なんですが。ボリュームとかもうわざわざあれこれ言わなくても、「鈴木さん、これぐらいでいいっすよね?」ってあわせてくれるのがいいですね。もう20年くらい一緒ですからね」会報で見たら若そうに見えたけど、以外と年齢いってるのかしら。け)「見かけたら「テル」って声かけてやってください」名阪では内藤さんの姿ちゃんと見えなかったな〜。というか自分が王子様ばっかり目でおっかけてるせいか。ステージ傍にもいらしたようですが。まるで公開レコーディングのようだという話で、け)「テイク3、4くらいならいいけど、テイク27くらいやるとね〜」わ「あっ、あの結局テイク3、4くらいのを最終的に入れる時が多いんですよねっ」王子様が多分「納得いかない、つめが甘い」って何回もテイクやりなおしてるんでしょうね〜(笑)わ)「2012年に世界が終わるといわれてます。もちろん僕も信じてませんが、人類はひょっとして滅びと再生を繰り返してきたのかもしれません、次はそんな曲です」ときたらば「水没都市」ですねっ。それを察知して客席から拍手。「やる前からこんなに拍手をいただけて嬉しいです。ありがとうございます」嬉しそうな王子様です。「水没都市」は今までで1、2回聞いたかな〜というぐらいライヴでは自分もほとんど聞いたことないです。ブルーの照明が神々しくて美しく、世界観を一層盛り上げます。間奏部分の「アヴェマリア」的なフレーズはボトルネックでやってるのですね。かっこいいであります。続けて「陰獣」「黒猫」「洗礼」とローチューニングなどんよりゾーンへ突入。ここで今回の個人的な王子様萌えポイントをば。ギターソロ時にいつものあの目を閉じてのけぞる陶酔の表情ももちろんですが、きっと前を見据えて(というかある種睨みつける感じで?)ソロを弾き終えて「どうだ、まいったか!」といいたげにうなづく姿がとても印象に残りました。いわゆる「どや顔」っていうんですか?以前からやってたかもしれませんが、ギタリストとしての確たる自信と誇り、そして喜びを感じます。そして横顔のとてもきれいなこと。あともうひとつ、間奏時にアンプのほうに下がって腰を落として弾く後ろ姿もなぜかぐっときました。その華奢な背中にすがりつきたい・・・。もう何度となく胸の前で両手組み合わせーの、手をさしのべーのはたから見れば本当に痛い女です。自分でもよくわかってます(^^;)
 腰を押さえてやたらときつそうな研ちゃん。よく見ると袈裟からコルセットが透けて見えます。ベースを杖代わりについてみせたりして(以前もやってましたね)病院とかには通ってないんでしょうか。研ちゃんのことだから通ってないんでしょうね;選挙が近づいているというお話で、け)「僕の家に投票してくださいって電話が来るんですが、どこで情報が漏れてるんでしょうね」わ)「学生名簿とか?」け)「労働組合ですかね。あっ、一気に生々しい話に・・・」わ)「なんていうんですかね、用事あるときにやる投票・・・欠席投票?」即座に期日前投票!という突っ込み。博識なのにこういうところでおおぼけな王子様が大好きです。わ)「僕のとこにも「マンション買いませんか?」って電話が来て、「買いませんっ!」って言って切るんですが。「「いいですっ!」って!」このときの電話切る仕草と言い方が妙に楽しそうだったのが萌え。ああ自分も王子様だったら電話かけたい。「でもねえ、いつかは買いますよ〜」おお、心強い発言であります。冗談でもそんな発言が出るということは、経済的に少し余裕が出てきたということなのでしょうか。今年の活発な活動(ツアー二つ、フェス参加、ライヴCD&DVD発売)といい、その表れなのかも。け)「僕もバンドが売れたら喫茶店を開きたかったんですがね。青森の竜飛岬あたりならできるかも」わ)「あっ、あそこならできるかもしれないねっ」け)「それこそ名古屋の消費税分くらいでできますよ」老後はそれに近いものを作ってるかもしれないですね、研ちゃん。その暁には自分も訪れたいものです。王子様ならブルース喫茶?あっでも人間椅子倶楽部で「歌謡喫茶ツイスト」とか言ってたっけ(笑)ああ通ってみたい。け)「そんな僕はあの世で喫茶店を開きたいと思っています。一度はおいでよ冥土喫茶!」ああ〜この曲ももはやお約束になるのかしらっ。「Die!Die!」の掛け合いが楽しいです。そしてなんだかとってもロックバンドな感じがします。あれ、椅子さんってロックバンドだったはずだけど;続いて今日は土曜日ですが「暗い日曜日」「くらい〜」のとこでのジャンプも随分と久しぶりな感じがします。もうすでに理屈じゃなくて自然に身体が動く状態になっております。まるで何層にも重ねられた音のここでノブさん「今日はオレが人間椅子に入って最高の動員数だってさっき聞きましたー!」おお、それはめでたいことであります!客席から大拍手。「歌います、赤と黒ー!」自分で曲紹介してくれるノブさん。そういえば3月は四人衆ライヴで、王子様アコギバージョンで聞いたっけ・・・と思い出しつつ。ノブさんのまっすぐなのびやかな声はすごいなあと改めて思います。44歳でこれだけまっすぐ声が出るのはちょっと珍しいかも。「天国に結ぶ恋」まさにお約束な曲ですがそれでも自分にとっては何ヶ月ぶり、へたしたら一年以上ぶりだったりする曲ばかりなので奥底に眠っていた血がたたき起こされた状態であります。「針の山」で一気に突っ走って本編終了。ああ久しぶりに歯弾きと背弾きが見られた〜。
 アンコールのコールとか普段は手拍子だけで声とかあんまり出さないのですが、この時は思い切り出してしまいましたよ。早く王子様に会いたい〜、とまるで天上から光が降り注ぐかのようにライトがぱっとステージを照らしてご三方再登場。わ)「皆さんが幸せであるように」ということで「幸福のねじ」そして「地獄風景」ああ〜もうべたべた〜だけどそのべたさがうれしいの〜もっとやって〜ともはやただのおばか状態。自分はライヴ中背中がもろだしだったのですが、後ろの人の恐らくヘドバンしてるであろう髪がちくちくあたってちょっと痛かったです(^^;)王子様ったら途中で草履をぽんっ、と脱いじゃって萌え〜。もう自分「和嶋さんかっこいいー!好きー!」とどさくさまぎれに叫んでしまいましたよ。もしも名古屋の録音が採用されて、この声が入ってたらどうしようとか勝手に妄想する痛い女。そしてそしてセカンドアンコールではご三方今回のツアーTシャツにお召し替え。王子様は下はもんぺ姿に直接足袋、研ちゃんったらTシャツ&ふんどし姿の「ハレンチ学園スタイル」です。ふんどしいっちょよりこちらのほうがいやらしく&いかがわしく見えるのはなぜでしょう(^^;)今ちょうど名古屋場所をやってるということで四股を踏む研ちゃん・・・ああっ見えそうっ。そういえば今回は琵琶型ギター見なかったな〜と思っていた矢先に登場!「どっとはらい」この曲をラストで聞くのは初めてかも。研ちゃんがここではじめて王子様がわへ。足を上げ下げするたびにふんどしの中のものが・・・その・・・見てはいけないと思って視線をそらすのですがどうしても入ってしまうという。ああっ。いつも一気に突っ走って終わるので、こんなふうにどっしり終わるのもいいなあ〜と思いました。最後にステージ前に出てきたノブさん、なんとメガネレス。ノ「のりすぎてメガネがとんじゃいましたー!」貴重なお姿であります。そしてメンバーひとりひとり客席に乗り出してコミュニケーション。ノブさんのふとももに二回さわりました。あったかかったです。王子様の乗り出して握手をしたりピックを手渡ししたり。自分はどうも意図的に避けられていた気がするんですが(ただの被害妄想?)おまえはもういいだろって王子様からの無言のメッセージだったのかも。とか考えているうちにステージを去っていかれたご三方でありました。ああ〜、あっというまだったなあ〜。久しぶりの椅子さんライヴはやはりみっしりと濃く、そして体力を使いました・・・はあ。まるで夢からさめたようなここちで、今回のツアーTシャツを購入して、お友達と交友をあたためつつ、会場をあとにするのでありました。名古屋ライヴレポートはひとまずここにて終了。(たぶん)大阪編に続きます。

 

HOME