テートルース小屋へ(Refuge Tete Rousse)
- シャモニー→〈バス〉→レ・ズーシュ(les Houches)→〈ロープウェイ〉→ベルヴェー(Bellevue)→〈登山電車〉→ニー・デーグル(Nid d'Aigle)2386メートル→テートルース小屋3167メートル
- (帰りは逆コース)

- テートルース小屋は、モンブラン登山の一番下の基地の小屋なのでしょう。
登山のための特別な装備を持たずに来た私は、アルピニストの気分に少し浸ろうと、日帰りでこの小屋まで出かけた。
- シャモニーよりレ・ズーシュまでバスで行き、そこから1800メートルのベルヴェーまでロープウェーで行く。ここで登山電車(Tramway du Mont Blanc)に乗り換え、登山の出発点ニー・デーグルまで行く。登山電車は、一時間に一本しかなく、一本前の電車が出てしまったばかりだったので、この山の中の何もない駅で、ホームにぼんやりと座って一時間あまり待つことになった。他の登山者達も草むらに寝そべったりしながら待っていた。この電車、急な斜面をラックレール(線路の中央に歯条があってかみ合わせて登る方式)を使い、カタカタとゆっくりゆっくり走っていく。
- (この電車のため、帰りは大変なことになったのでした。)
- 登山電車の終点は、ニー・デーグル駅(鷲の巣の意味)岩だなのようなところで、電車は車両を半分トンネルの中につっこんだような格好で止まる。
- ここから、テートルース小屋までは二時間半くらいの行程。ジグザグと登りながら高度を稼いでいく。このあたりは、シュタインボックという大きな角を持った野生の鹿のような動物がたくさんいて、たいして人を恐れることもなく登山道のすぐ近くまで、やってくる。
- 小屋が見えてきたところで最後に雪の斜面が出て、これを右にトラバースして小屋に着く。この雪の斜面、表面は凍っていて、下の方は、とけて水が流れている状態。雪の柔らかいところを渡れば大丈夫、ということでアイゼンも持たずに来たため、持っていたストック一本を頼りに、一歩ずつ慎重に通過していった。私が、ここを通過するときは、強風で、一歩まちがうと雪の斜面を下まで落ちてしまいそうで、結構怖かった。
- 小屋は、これからモンブランを目指すため次の小屋グーテの小屋(Refuge du Gouter)へ向けて、出発の準備をする人、今夜は、ここに泊まり明日頂上を目指す人で、にぎわっていた。
- 小屋では、メニューもボリュームも豊富な食事を頼むことも出来る。私は、スープと紅茶を頼み、ランチタイム。
- 帰りは、来た道をそのまま戻る。
- But
- 行きに乗った登山電車が、トラブルのため時間になっても来ない。駅員に聞いてみると「一時間したら、直って来ると思うよ。May be」なんて言っている。他のお客も大勢いるが、案外とのんびりと待っている。私は、乗り継ぎのロープウェーの最終時刻、シャモニーまで戻るバスの時刻が気になる。駅員は、「電車が遅れたのだから、ロープウェーは、最終の後でも臨時に運転されるから、大丈夫。電話をして連絡してあるから」と言っていたが、
- 結局、待て来ない電車をあきらめて、歩いて下りても45分くらいだ。ということで、線路を歩いて下ることにした。ちょうど、熟年フランス人夫婦も歩いて下りていたので、一緒に下りていった。途中、電車が動き出したが、歩き出したからには、電車より早く着かなくては、と必死に歩いて下った。
- ロープウェーの駅に着くと、駅員の言っていたのとは違って、ロープウェーが動かない。駅員がやってきて、動くことになり、往復切符を買っていた登山電車の片道分を返金してもらい、やっと一件落着。
- 先ほど、一緒に線路を歩いて下ったフランス人夫妻に、「下でタクシーが捕まるか。」聞くと、「自分たちは、車で来ていてシャモニーまで戻るから乗せていってくれる。」と言う。好意に甘えて、「ラッキー。バス代、助かった。」と、乗せてもらって、シャモニーまで戻ったのでした。

