酒屋のひとりごと

（２０１3年）

静岡新酒鑑評会で志太泉の純米大吟醸がとても良かったと思います。初亀も杜氏が変わって久しぶりに好印象でした。全般的にどの蔵も昔みたいに大きな差はなく僅差で争っていると感じました。静岡酵母を使ったマニュアルが確立し上手く使いこなせるようになったものです。全国新酒鑑評会で静岡は入賞６、金賞０でしたが、当然の結果だと思っています。全国はカプロン酸エチル系酵母が主流で片や静岡は酢酸イソアミル系酵母です。静岡のお酒がここまで売れるようになったのも静岡酵母のおかげです。当店は全国より静岡に重点を置いて仕入れを行っておりますので、全国の金賞より静岡で１位なった清酒を高く評価いたします。今年は吟醸酒の部が喜久酔で、純米吟醸の部は富士錦が１位でした。また、静岡とは真逆のタイプの違った全国の銘酒も積極的に取り扱います。



《国香》

売れ方が非常に早く愛飲家の皆様に御迷惑をお掛けいたしておりますが御容赦ください。一人で製造していますが限界に来ています。造れる範囲でやって行きたいとの思いがあるようです。蔵元の方針を尊重したいと思います。
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《磯自慢》

多田杜氏が志太泉で昭和６２年製造した大吟醸を平成１９年度に酒の会で試飲しましたが２０年近く経過した清酒ではありませんでした。近年試飲した中で最高のお酒でした。名人が油の乗った時期に造った清酒は１００年は美味しく飲めると思っています。騒がれるには騒がれる理由があります。毎年のように何かしらの賞を取って話題性のある蔵元ですので皆様より御要望が多すぎ、誠に申し訳ありませんが１銘柄お一人様３本限りとさせていただきます。商品によりましては１本しかお分けできない物もございますので、お問い合わせのうえ御注文くださいますよう宜しくお願い致します。
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《小夜衣》

今年の一番は小夜衣の詩でちょっぴり甘いが柔らく、この柔らかさがお代わりを誘うと思います。辛口本醸造と
65％精米の純米が好印象でした。すべてのお酒が近年では最も安定感のある素晴しい仕上がりだと感じました。
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《初亀》

今年より杜氏が変わり外村一能登杜氏になりました。最初に出てきたしぼりたて本醸造を試飲してから好印象を受けました。県の鑑評会でも好成績で、扱い量を増やしていきます。特別本醸造プラスアイ・急冷美酒は売り切れが予想されるような勢いです。吟醸・亀印はＨＤ‐１酵母、べっぴん純米吟醸はＮew-5酵母と静岡及び９号系のさっぱりした味覚の清酒を出してきて蔵元の方針が変化してきいるのを感じます。明快に飲みやすくなって好感が持てます。
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《開運》

故・波瀬　正吉さん（６８才）の時に土井酒造場のホームページに掲載された当時の榛葉農（みのり）さん現在の開運の杜氏です。「精米を担当しています。母親の実家が清水で昔、酒蔵をしていたのもあって、泊り込みで若いうちに酒造りを覚えたいと思い土井酒造場に入りました。精米の仕事は覚えることがたくさんありますが一つ一つおぼえているところです。精米の仕事は２年目で２４才ワーゲンが好きで、陶芸にはまっいています。」とのことでした。
銘酒は１日にしてならず！！
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《杉錦》

辛口志向の方にお勧めなのが杉錦です。ほとんどすべてのお酒が辛く感じます。ほどよい酸もあり洋食にも対応できる清酒です。
創業は天保13年（1842年）杉井均乃介社長で６代目です。
この年、清国とイギリスの間で南京条約が締結されアヘン戦争終結。
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《喜久酔》

静岡新酒鑑評会の１位（県知事賞受賞）です。穏やかな芳香で柔らかくやや濃い目の味ですばらしいものです。
静岡のお酒がブームなのでしょうか品切れが多くみられます。１２月まで持たなく秋に売り切れ続出です。
喜久酔も純米吟醸・特別純米・特別本醸造が２月上旬より普通酒も５月中旬より新酒になっています。いつもより３〜4ヶ月早くなります。
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《志太泉》

当店注目度ＮＯ1・西原光志（能登）杜氏が造っています。県鑑評会で純米大吟醸がとても良かったと思います。その場で西原杜氏に伝えました。この時点ですでに火を入れてあるとの返事でした。平成２5年度静岡県清酒鑑評会入賞酒　（吟醸の部）も現時点では少し硬さを感じましたが50％精白で入賞はさすがにすごい事です。蔵元にお邪魔して利き酒では純米吟醸から普通酒まですべて良かったと思います。八反３５号が杜氏が快心の出来といていたとお聞きしました。有機米はすこぶる重厚な味でした。
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《正雪》

どの蔵元でも今年は原料米の山田錦・誉富士が特に入荷がすくなくて困っているようです。夏前や秋口に同じお酒でも原料米の違う物なってしまいます。特別本醸造は兵庫県産山田錦を多めに仕入れました。４月より兵庫県産山田錦---＞長野県産美山錦に、６月より辛口純米が---＞旨口純米に、純米吟醸が５月中旬兵庫県産山田錦---＞滋賀県産玉栄に、１０月中旬より兵庫県産山田錦---＞福井県産五百万石に移行する予定です。
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《英君》

この山間の地に蔵を構えて130年。日英修好通商条約が結ばれた年が創業。、また徳川の英でた君主にちなんで「英君」という屋号が生まれたという。蔵元の望月裕祐社長（５代目）にお話を聞いた。初代が3kmほど離れた山の中に“桜野沢”という良水が湧出しているのを発見しました。2代目がどうしてもこの水を使って酒造りをしたいと考えたようで、山の持ち主と交渉してその山ごと買い取ったということです。軟水でいい意味での個性があります。ただ、ほんの少し鉄分があるので、自分で作った噴霧装置とフィルターで完全に鉄分を除去して使っています。この水で福井の五百万石、兵庫の山田錦などを原料米として仕込んでいます。全て静岡酵母です。吟醸・大吟醸系はHD-1。純米系はNEW-5ですね。　やはり食中酒として考えると、香りの強いカプロン酸系の酒より、酢酸イソアミル系のほのかな香りで、あまり主張しすぎない方がいいと思うのです。何というか、料理によって合わせる酒を変えるというのではなく、だんだん食べ物に酒が馴染んでくるという感じでしょうか。私なんか、パスタにもカレーにもうちの酒ですから（笑）　　《静岡県酒造組合・蔵元紹介より抜粋》
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《不老泉》

１８６２年文久２年）創業、滋賀県の湖西、高島市にある上原酒造は、500石程度の小さな蔵元です。
代表する銘柄は「不老泉」。木桶はもちろん、全国に３軒しか残っていないという木槽も今なお現役、天秤の原理を応用し昔ながらの方法で３日間かけてゆっくりと酒を搾ります。機械に比べて手間は３倍、搾れる酒は85％程度ですが、こうして丁寧に搾ることで雑味が無く旨い酒が生まれます。又、酵母添加を一切せず、蔵に棲み付く天然酵母を呼び込み育てるという伝統的且つ独自の手法による山廃仕込みが大半を占め、独特の深みを持つ濃醇な味わいの酒造りが特徴です。
この年、日本では生麦事件が起こり、アメリカでは南北戦争がありました。
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《辨天娘べんてんむすめ》

創業明治４２年です。代表の太田義人さんは4代目です。仕込みは社長を含め３人で行なっています。手間はかかりますが洗米、製麹すべて手作業が基本です。販売は、若桜と鳥取を結ぶ国道29号線沿いの酒販店を中心に販売しています。地元の辨天娘愛飲家の皆様に支えられて頑張っています。
この年、初代内閣総理大臣・伊藤博文（暗殺当時枢密院議長）暗殺される。東京ビアホール大流行。両国国技館開館。
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《白隠正宗》

全量純米蔵になりました。だんだんと進化中です。昔は1つか２つ位首をかしげるお酒がありましたがすべからく美味しくなっています。地元沼津の干物に合う清酒を造るというゆるぎない信念を感じます。
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《大倉》

《大倉本家・蔵のあゆみ》より　　明治29年(1896年)　大倉勝治商店として創業。以来、吟醸酒には｢速醸酒母｣も用いますが、それ以外は普通酒に至るまですべて山廃酒母で仕込んでいます。昭和7年頃より 奈良県神社庁の委託を受け｢御神酒｣造りが始まりました。戦時中 原料米を入手するのが困難な状況においても、品質第一のお酒のご提供をさせて頂き、戦後 2代目勝治のもと販路を拡大させて頂けたと聞いております。3代目勝彦のときに 特定名称酒醸造を開始しました。地元で強い地盤を持たさせていただけ、最盛期は年間6000石近い販売量がありました。この間 全国新酒品評会で金賞をいただいたこと数回。しかし、諸々の事情で平成12年秋の濁酒の仕込みを最後に休造を決断します。創業以来はじめて 蔵は酒造りのない冬を経験することになりました。その後 横浜より隆彦８現４代目蔵元）が戻り、酒造り再開に向けて 先代と話合いを繰り返します。何とか再開を了承していただけたのは組合の平成15年度原料米申し込み期限の前日でした。11月中旬、長年｢金鼓｣で指揮をとって下さっていた井谷恒雄杜氏（当時83歳）、尾崎喜代美代司（69歳）そして窪田正一蔵人（72歳）の皆さんが蔵入り。田中康弘入社し、 3年ぶりに酒造りを再開させて頂くことになりました。この時 休造前に仕込んだお酒の在庫が底をつきかけていましたので、再開初年度はお酒が出来るとすぐに瓶詰めに追われる日々でした。平成12年休造を機に、翌年以降の神社庁への御神酒の納入は他社様にお願いすることとなりました。しかし、「代々守られてきた『水もと仕込み』の伝統を私たちが絶やしてまってもいいのだろうか」との思いから、濁酒製造免許※は税務署にお返ししていなかったことも幸いに、地酒専門店の方々のお力添えのもと蔵再開2年目の平成16年より濁酒の仕込みを再開、製品化を試みております。（それまで濁酒は御神酒用にのみお造りしていました）
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《天虹・忠正》

2010年4月、静岡市駿河区に誕生した酒蔵。当主萩原吉宗氏が2004年に掛川市の旧曽我鶴酒造の酒蔵を借り受け設立した「株式会社曽我鶴・萩の蔵」が、静岡市に移転した。自社ブランド『萩の蔵』『天虹』のほか、掛川市の地酒として長年親しまれた『曽我鶴』や、2010年4月に浅間神社近くの吉屋酒造が廃業しました。、その「忠正」ブランドも引き継ぐことになりました。「天虹」とは、天に届く龍の道(虹)のような勢いをイメージして命名された
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《その他》

冷蔵熟成
当店の冷蔵熟成酒の中で毎年、これはというお酒を長年にわたり大切に冷蔵保存してまいりました。
熟成酒がこれほどまでに美味しくなるとは思ってもいませんでした。当時有名だった杜氏、その時々の鑑評会で優秀な成績だった物、試飲して感動したお酒などは、時間を掛けて熟成された時より一層美味しくなっています。冷でそこそこのお酒が燗で生き返ったり、ひねていた味が熱燗でひねだけが飛んでしまって美味しくなったり、温度を変えることでそれぞれ違った表情を表します。日本酒だからこそできるとても楽しい世界です。常温で、冷で、熱燗で、ぬる燗で、色々な温度帯でお試し下さい。