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念力密室!/西澤保彦 |
1999年発表 講談社ノベルス(講談社) |
ネタバレなしの感想にも書いたように、本書では“なぜ超能力で密室を作ったのか?”という密室のホワイダニットが前面に出されていますが、実際のところは殺人事件も含めて“何が起こったのか?”を解明する必要があり、いわゆる“ホワットダニット”といっていいのではないでしょうか。 *
*1:
“彼女は立場上、そんないかさまに協力するわけにはいかない事情もあった”(110頁)というのは、少々行きすぎのようにも思われますが。 *2: 「死体はベランダに遭難する」で部下の英田刑事が犯人だったのに続いて、今度は身内が事件を起こしてしまったわけで、現実的に考えると警察組織内での能解警部の立場はかなり危ういものになるところでしょうが……。 *3: というわけで、殺人犯が見え見えであることもおそらくは意図的ではないかと。 *4: 冒頭の場面では、 “現場のドアは、内側からロックされている上に、なんとチェーンまで掛かっていた”(227頁)と状況は説明してあるものの、その後は “現場を“密室”にした”(227頁)のような漠然とした表現が四度にわたって繰り返されています。 *5: 「鍵の抜ける道」と同様に、タイトルで大胆にヒントを示してあるところに脱帽です。 *6: 本書だけをみると、(時間のずれをどうするのかはさておいて)“寿美子=神麻嗣子”と考えられそうですが、後の『転・送・密・室』を読むと少々怪しくなってきます。 2014.07.10再読了 |
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