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フォックスの死劇/霞 流一 |
1995年発表 (角川書店) |
まず、キツネの見立てが“リリーフ犯人”による後づけだったというのは意外でしたが、第一の事件における“白い頭巾”を表すダイイングメッセージをカムフラージュするため、という見立ての動機は納得できるものです。実際には“白い頭巾”となるはずのシーツは血を吸って赤く染まり、そばに狐の面が落ちていたために稲荷神社の幟と解釈されてしまったわけですが、第二の事件以降の見立てがなければ、もっと早く真相が明らかになっていてもおかしくないでしょう。 真相を解明するためのロジックもなかなかよくできています。第一の事件の“斧と金槌”、第二の事件の“ガムテープの位置”、そして第三の事件の“アタッシェケースと鍵”など、些細な手がかりをもとに蓋然性の高いロジックが組み立てられています。 2000.08.02再読了 |
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