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銀河帝国の弘法も筆の誤り/田中啓文

2001年発表 ハヤカワ文庫JA658(早川書房)

 一部の作品のみ(ダジャレの解説をするのも不粋ですが)。

「火星のナンシー・ゴードン」
 “西郷南洲”という号に今ひとつなじみがないため、“ナンシー・サイ・ゴードン”→“南洲・西郷どん”というダジャレ自体の切れ味はさほどではありません。しかし、“グォバス”、“タバール・ザッカー”、“シグ・ァッコー”、“ィドゥン”、“クァン・グーン”といった意味不明な言葉が、このダジャレ一つで鮮明な意味を持って伝わるようになるところがお見事です。

「嘔吐した宇宙飛行士」
 宇多田ヒカル……。

「銀河を駆ける呪詛」
 田中啓文の作品という時点で、このオチ(と結末)が頭に浮かんでしかるべきでした。が、それまでの物語があまりによくできているため、思わず警戒を忘れてしまいました。一発ネタのためにこれだけの物語を作り上げる意欲には敬服します。

2003.05.07読了

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