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神の目の小さな塵/L.ニーヴン&J.パーネル

The Mote in God's Eye/L.Niven & J.Pournelle

1974年発表 池 央耿訳 創元推理文庫654-1,2(東京創元社)

 モート人たちが隠している秘密は、下巻の前半、モート母星に不時着した士官候補生たちが主役となる部分で明らかにされています。ネタを割るのがやや早いようにも感じられますが、これが読者に知らされていることで終盤の緊張感が高まっているのですから、よしとすべきでしょう。

 “封じ込め作戦”は、オルダースン航法などの設定を生かしきったアイデアで、よくできていると思います。ジャンプ・ポイントが赤色巨星内部にあるためにラングストン・フィールドなしでは脱出できない、という設定は後付けのようですが、オルダースン航法自体はもともとパーネルの作品に登場していたようで、見事なエクストラポーレーションといえるでしょう。

 なお、ラストではベリーとレナーが帝国のエージェントとなっていますが、続編『神の目の凱歌』ではこの二人が主役をつとめています。

2002.01.04 / 01.05再読了

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