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五匹の赤い鰊/D.L.セイヤーズThe Five Red Herrings/D.L.Sayers |
1931年発表 浅羽莢子訳 創元推理文庫183-07(東京創元社) |
本書では、六人の画家にキャンベル殺害の容疑がかけられていますが、第24章から第26章にかけて、その全員が以下のように告発されます。
個々の誤った“解決”に一つ一つ突っ込む気力はありませんが、真田啓介氏が「「毒入りチョコレート事件」論」(「本棚の中の骸骨」内)で その中でとりわけ目を引くのが、“誤った”五人のいずれも、ピーター卿が着目したフレーク・ホワイトの絵具の紛失という事実を無視していることです。そして、この事実が読者に対して伏せられている(*)ことで、ピーター卿による正しい解決が一層鮮やかなものになるという演出上の効果も見逃せません。
ところが、キャンベルの遺体発見時にピーター卿は、ディーエル巡査部長(やロス巡査)に何を探しているかを告げており(44頁)、さらに殺人と結論づけた根拠の一つとして 2006.11.16読了 |
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