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死の殻/N.ブレイクThou Shell of Death/N.Blake |
1936年発表 大山誠一郎訳 創元推理文庫233-02(東京創元社) |
オブライエンとキャベンディッシュの人物像がしっかりと描かれているために、復讐者と標的が逆だったという真相には納得できます。逆にいえば、表面に現れた、キャベンディッシュがオブライエンに復讐したという構図にはしっくりこないところがあることもあって、真相はかなり予想しやすくなっていると思うのですが、自分の死後までも見越して計画を立てたオブライエンの見事な復讐劇、そしてそこに込められた彼の心情が圧倒的な迫力をもって伝わってくるために、まったく不満は感じられません。しっかりした人物描写とプロットが相まって、非常によくできた作品となっているのです。 2003.09.09読了 |
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