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影の顔/ボアロー/ナルスジャック

Les visages de l'ombre/P.Boileau & T.Narcejac

1953年発表 三輪秀彦訳 ハヤカワ文庫HM31-1(早川書房)

 この作品は、すぐれた心理サスペンスであると同時に、関係者すべての証言に信頼が置けないという特殊な状況下で、エルマンチエが真相に迫っていくという、風変わりなミステリでもあります。エルマンチエは、自らが正気を失っているのではないかという恐怖にとらわれながらも、自分の感覚をもとにして真相を推理していかざるを得ません。ユニークな作品だと思います。

 最後の病院の場面、看護婦や医師がしゃべっているのはイタリア語でしょうか。このあたり、説明がないのでピンときません。その後のエルマンチエの台詞で、フランスではなく外国に病院があることが示唆されてはいますが、訳注か何かで補足しておいてほしかったと思います。

2000.05.21読了

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