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最終更新日13/07/19

コラム

コラム336

電子製品の寿命

 個人的に機械部品ではなく電子部品の耐久性と寿命に仕事柄携わっていた経験がある為、この寿命について気になる事があります。

電子部品の耐久性は10年と言う年月でかなり劣化します。
その為、現在の電子デバイスばかりの車の寿命が機械部品ではなく電子部品に左右されているのは間違いないと考えていますので・・・電子部品の寿命が逆に短い傾向になっているように感じます。

そもそも車に使用される部品は通常の使用環境よりも劣悪な為、メーカーで行なう信頼性試験もそれに伴い厳しい条件なのですが、更に高温高湿+振動+衝撃などの複合要因に対して耐久性が更に下がる為です。

元々これらの環境試験は設備の関係で個別に実施し寿命を予測していたのですが、複合試験にすると寿命が更に短縮する傾向にあります。

電化製品はひとつの目安として室内で3年無いし5年程度を目標としたとしても車で5年程度の寿命では耐久性がシャレにならないので、寿命を長くしなくてはなりませんが車の使用環境が劣悪なので寿命が短くなる事が個人的にどうなのか気にしています。

昔の車のようにエンジンや電装系の一部に電気部品が使用されているだけならば構いませんが、今はパソコンが車に搭載されて各部を制御しているような構造になっています。

電子部品の耐久性は電子部品そのものとそれを接着させている半田材に左右されるので温度変化が激しい外部にさらされている車は特に大変です。 
自己発熱の他に個人的に室内で使用されている電装系は直射日光による劣化が特に進みます。

 しかも室内の温度差が激しいのでそれにとも無い電子部品の劣化が進む。 
又、自己発熱による熱ストレスが大きいので外気だけではないストレスに常にさらされている事になります。

よく、屋外で使用される部品をコーティングして保護したりしますが樹脂で固めてしまうので修理が効かずユニット交換になる為、余計整備性が悪くなったりします。

結局、これらの寿命も予測(評価試験)の中で持ったとしても実使用環境においてどうなるかは断定できません。
あくまで評価でOKでも実際にその製品が何年持つかは実際の使用結果でしか分からないと言うことです。
しかも個人によってストレスのかかり方が違う。
ましてや保障期間を過ぎた場合、メーカーは責任を持たないのでそれらの寿命がどのようになるのか個人的に不安です。
車ですら消耗品扱いであり、修理前提で長く乗り続ける事が薄れています。

それでもリコールなどで保障される部分と保障されない部分があるので電子化がもっと増えればそれらの部品はメーカー品以外存在せず部品(汎用部品)の入手が困難になった時点で車が走らない・・・。
ハイブリットのような車で電子化が進めば進むほど、車の寿命が短くなるのでは?と個人的に懸念してます。

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