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◆外装関係◆
外装補修 |
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再塗装とチリ合わせ |
公開日15/08/23 最終更新日15/08/26
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< 内容 >
状況 |
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前から気になっていたNSXの外装塗装の痛みが酷くなって来ました。
特に外装の塗装後(約3年程度から)の塗装剥げと塗装の膨れ上がり(部分剥離)が起きており、再塗装をしなくてはならなくなっていました。 車から離れれば綺麗に見えますが近くでは目立ちます・・・。 塗装から数年で塗装が痛み出すのが普通なのか早いのか私には判断できない状態です。 又、当時ボディに保護のビニールシート袋をかぶせていたので袋による擦り傷が結構目立つ状態。これは黒色によりキズが目立つのも影響してます。 そんな塗装痛みが発生してから更に数年経過したのですが、その間剥げた部分はタッチペンでごまかしながら車庫の完成と共に塗装保護が出来る環境になったので、外装の再塗装を検討。 しかし予算が無いので全塗装ではなく部分塗装で行う事に。 全塗装にすれば今のベルナリブラックから違う色に変えることも可能になるのですが、今の黒色が付き合いが長くなってしまっていて嫌いでもないのでこのままの色にする事に。 塗装も鉄板や純正品の塗装ではなく社外品のFRP塗装である事からいつも世話になっているMTRIAXにお願いする事に。 MTRIAXから板金屋さんへ預けることに。 |
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作業 |
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再塗装と言っても塗装の前にFRPの再修正がメインになりました。 純正品と違って社外品はパーツがゆがんでいてチリがまちまちでありそのままつけた場合、チリが有っていないのが当たり前。 これはその部品の材質や金型の出来などいろんな理由がありますが純正レベルの寸法はまず無い様です。 しかもNSXは純正品でフレームに個体差のゆがみがあるのでチリあわせを車ごとに行う必要があります。 今現在付いている外装も私が見るレベルでチリがずれていてかみ合っていない場所が多々ありましたが、とりあえず社外品の出来だからこれらのズレはしょうがないと諦めていました。 今回の作業内容は特に酷い個所、リアフェンダーのトランクとの段差と隙間、リアテールとリアフェンダーの段差が一番の目的だったのですが、全体的にズレが酷くほぼ全体のチリあわせを行うことに・・・・・・・。 その為、塗装面は再補修される為に塗らない部分が殆どなくなってしまうため、補修対象外はトランクと屋根とボンネットのみなのでもう少し金額を出せば全塗装が出来るレベルになってしまいましたが今までの黒色のままで作業を進めてもらうことに、また、その際に通常の整備をお願いすることにして話を進めることに。 作業についてはお任せで、作業期間はどれだけ時間がかかってもかまわない事にしました。 丁度、車検近くなので車検を受けてから実施してもらうつもりでしたが、作業に時間がかかるので逆に車検を切らして作業後に車検を受ける事に変更。 今回の作業時間がかかるのはFRPの加工作業は大変な上に、ある程度作業者の気分次第で作業の出来に影響するらしく職人技のような作業になります。 その為、前後のバンパー、フェンダーなどすべて外してパテを持ってパーツ同士のチリに合わせて削ってはチリを確認、 パーツを外してはパテを持って、再度パーツをあわせては削ってを・・・・繰り返しを何度も何度も行うようです・・・・・。 この作業は妥協するとそのまま出来に影響するらしく、普通の人が傍でから見ると何が駄目なのか分からないレベルで補修を行ったらしいです・・・・・・ (すでに職人技) この作業で言えるのは普通の板金屋さんはFRPの簡単な加工(割れ等の簡単な補修)はしますがチリあわせの技術は大変なのであまりしないし、技術的に出来ないところが多いみたいです。 これは板金屋さんは純正品の初めからチリがあっている部品の取り付けが主で、 社外品のように初めからチリがあっていない部品を純正品のようなチリ合わせまで持ってくるとするとなると加工の大変さが技術力の差に繋がるようです・・・。 また時間がかかる為、やらないお店も多い。 その為、板金の技術は純正品パーツでの通常の修理よりも社外品パーツの加工技術を見た方が技術力がよく分かる気がします。 ですが、一般的な板金屋さんではFRPの加工がちゃんと出来るお店は限られるようです。 私個人としては社外品パーツの出来も影響するもののそれらをベースの車に組み込んで完成させるとなると作業者の技術とデザインセンスが大きく影響する気がします。 その為、結果的に作業に伴う金額が跳ね上がるのは一回の取り付けで済む純正品の通常作業とは違い何度も取り外しと加工作業を行うことからによる為、通常の板金の値段とは比較が出来ないと感じます。 その結果、コストを安くするとなるという事は修正作業が手を抜くと言う事なので結果として出来栄えに影響するということです。 一度、作業途中のNSXを見ましたがチリあわせが済んでいるレベルに見えたのでチリ合わせの判断が私にはよく分かりませんでした。 |
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上写真はフロントフェンダーとフロントバンパーのラインを合わせてもらっているのですが、これらの部品は元々純正品との合わせを前提に作られていてつなぎ目が結構段差があり、綺麗なラインになっていませんでした。
フロントバンパーは下部の強度が無く全体的にクラックが発生していたので補強も一緒に行ってもらっています。 |
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右下写真はリアフェンダーとリアバンパーーのラインが段差になっていたのでそれを綺麗にラインを合うように修正しているものです。
純正部品でラインをつなげている部分はこの車殆ど無いのでこれらのチリ合わせが全体的に発生してしまい相当手間暇がかかったようです・・・・。 |
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そして作業終了から塗装へ。 塗装についても鉄板(金属)とFRP(プラ)で本来下地処理がそれぞれ違うようです、下地処理を一律一緒にして塗装するとFRPと塗装が上手く馴染まず剥離するらしいです・・・。 やはり出来上がりの良さは作業次第と言えます・・・。 一連の作業で一年かかりました。 この間に車庫に車が無い状態なので車庫の床の保護ペイントをしてみました。 しかし、ここで更なる問題が・・・・再塗装はあくまでFRPがメインなので純正部分は塗らないので純正塗装の痛みが結構目立つと言う問題が起きました。 元々NSXが野ざらしだった期間があるので、その際にスポット焼けを起こしている塗装面が再塗装面と比べると出来の差が目立つと言うこと・・・・・本来はここまで塗装するのなら残りも塗装して全塗装と言う話に戻るのですが、さらなるコストUPは出来ないので純正塗装部分は磨きである程度綺麗にしてもらいました(ごまかし)。 完成後、切れた車検を取り直して整備などをしてもらい完成品とご対面〜。 |
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まとめ |
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ここまでくると完成品の出来の良さというよりも部品そのもののデザインと部品同士の結合のデザインとか全体的なセンスによるもので車全体としてかっこ良くなるかは、はっきり言って難しい話です。 また、チリのずれを直してデザインの流れが綺麗になったとしてもそれらの苦労を素人が見て分かる箇所はほんの一握りの気がします・・・・。 それでも今回元々チリがあっていなかった箇所や段差の部分や隙間がやたら大きい部分などは無くなっており、結果として社外品だからずれているのはしょうがないとあきらめていた部分がほぼ無くなりました。 チリが綺麗に合っていると言う出来のよさは作業の大変さに比べて、安易に社外パーツを付けた場合ほど視覚的に目立たないので案外地味な作業と言えますが近くで見た時にパーツのラインがずれていないのでやはり出来の違いには大きいと感じます。 ですが部品をつけた場合ほどの変化が無い割りに作業の大変さでコストが高いのでここまでしっかりやる人は限られる気がします・・・。 |
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一番気になっていたリアフェンダーとトランクとのラインがずれていたのですがそれが綺麗に並ぶようになりました。
ついでに今まで取り付けていなかったアンテナも取り付けをお願いしました。 |
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写真(小さいので)では分かりづらいですがフェンダーのラインが今までと違い綺麗に合っています。 | ||||
今回のFRP加工は通常の事故修理の板金と違って、かなり特殊な技術といえます。 そもそも純正品、純正OP品と違ってポン付け出来ない社外品パーツで外装の個性を出したいと思ったことからそもそも始まっていますが外装の社外品化に伴う加工技術はそれらの技術やセンスが大きく影響するので大変といえます。 純正品以外で外装の個性を出そうとするとホンダの場合、ホンダアクセスや無限ならばチリも合うので出来がいいのでしょうが社外品となるとコストの面で大きな出費となると言えます・・・。 又、年式が経てば部品そのものの供給が無くなるので純正部品よりも早く部品が手は入らなくなる危険性もあります。 取りあえず一連の外装補修はこれで完了です。 昔であれば最後の締めにボンネットをエアロボンネットに替えたと思いますが、この歳だと外装変更はもうやらないでしょうね。 今のままで十分派手ですから〜。 今回の外装チリあわせで、いままで一番気になっていたリアフェンダー上部の左右で段差が起きていたのですが、GTウイングの所為でフェンダーとトランクとのずれがあまり分からない感じで済んでいましたが、これで純正ウイングに戻しても段差が気にならないレベルで補修してもらいましたので満足です。 今後、GTウイングが派手だと思ったらこれでノーマルウイングに戻せますので(笑) |