アレルギー検査について
サノ皮膚科クリニック
アレルギー検査には以下のものがあります。
1) 採血による検査…採血による検査は簡単でショック等の危険もないため、手軽に行えます。ただし、採血の難しい乳幼児などは、検査も難しくなります。
①特異的IgE…原因となる物質や、原因とはいえないまでも増悪因子(病気を悪化させる要因)を調べる検査です。判定はクラス0から6まであり、2以上が陽性ですが、高い値ほど、原因や増悪因子の可能性が高くなります。ただし、陰性でも原因や増悪因子であったり、陽性でも原因や増悪因子でない場合があり、100%信頼できる検査ではなく、かなり参考になる検査と考えればよいでしょう。いろいろなアレルゲン(アレルギー物質)が調べられます。
MAST法…特異的IgEを33種類一度に調べる方法で、費用は特異的IgE13種類分と同じ値段です。
内訳は、オオアワガエリ、ハルガヤ、カモガヤ(以上イネ科植物花粉)、ブタクサ混合物1、ヨモギ(以上雑草花粉)、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ(以上樹木花粉)、ダニ:コナヒョウヒダニ、ハウスダスト1(以上室内塵)、ペニシリウム、クラドスポリウム、カンジダ、アルテルナリア、アスペルギルス(以上カビの仲間)、ネコ皮膚、イヌ皮膚(以上動物上皮)、小麦、大豆、米、マグロ、サケ、エビ、カニ、チェダーチーズ、ミルク、牛肉、鶏肉、卵白、ソバ、ピーナッツ(以上食餌系)、ラテックス(ゴム)です
Viewアレルギー39…ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト1、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ゴキブリ、ガ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ、マラセチア、ラテックス、卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、大豆、ソバ、ピーナッツ、米、ゴマ、エビ、カニ、キウイ、バナナ、リンゴ、鶏肉、牛肉、豚肉、マグロ、サケ、サバの39種類を一度に調べる方法です。
②非特異的IgE…IgEの総量を調べる検査で、アレルギー疾患では高い値を示しますが、他の病気でも高く出ることがあります。値が正常でもアレルギー疾患の場合があり、高くても違う場合もあるので、参考程度の検査です。また、重症度とは比例しません。
③TARC…TARCは、アレルギー検査ではありませんが、アトピー性皮膚炎の皮疹の程度に応じ、高値になったり低値になったりするので、アトピー性皮膚炎の重症度を客観的に判定出来ます。
2)スクラッチテスト…皮膚に浅い傷をつけ、アレルゲン(卵、ハウスダストなどの検査液)を垂らして反応を見ます。ショック等を起こす可能性もあるので、当院では行っていません。
3)皮内テスト…アレルゲンを皮内注射して反応を見ます。ショック等を起こす可能性もあるので、当院では行っていません。
4)パッチテスト…かぶれの原因と思われる物質を皮膚に貼って反応を見ます。金属アレルギーや、化粧品、毛染め、植物などのかぶれの原因を特定する検査です。当院では、一度診察をしたうえで、火曜に貼り、木、金と受診できる人のみ行っています(時間に余裕のある方しか検査できません)。その間入浴はできません(詳しくは受診のうえパッチテストのパンフレット参照)。
5)内服テスト…薬疹の原因が疑われる薬剤を内服する検査です。薬疹をおこす検査で、最悪の場合ショックを起こすこともありますので、大学病院(特に皮膚科の薬疹外来)等で行います。重症型の薬疹の場合、入院による検査になります。
6)食物経口負荷試験…原因物質を食べてアレルギーが起こるか調べる検査で、場合により運動や鎮痛剤の内服を加えたりします。ショック等がおきますので、原則として入院の検査になります。
(2014年1月改変)