しみ、そばかすについて

                                                                      サノ皮膚科クリニック

一般に「しみ、そばかす」といわれているものには、肝斑(しみ)、雀卵斑(そばかす)や、脂漏性角化症(老人性疣贅)、老人性色素斑、炎症後色素沈着、その他色素沈着、色素斑が含まれます。

「しみ」の相談のほとんどは脂漏性角化症(別のパンフレットを参照)という良性腫瘍と、老人性色素斑です。この場合液体窒素などで盛り上がりをとった後に、残った色素沈着の治療をします。

肝斑は30歳以降の女性の顔に生じる事が多い色素斑で、いろいろなホルモン分泌の変調により生じます。雀卵斑は5歳ぐらいから発症し、思春期に目立つようになる色素斑です。炎症後色素沈着は、湿疹、日焼けその他で皮膚が赤くなったのが治ったあとに残る黒ずみです。

 治療について、

1)遮光…肝斑、雀卵斑、炎症後色素沈着のいずれも、一番大切なのは遮光です。日傘や衣類などでなるべく日に当たらないようにしたり、午前10時ごろから午後2時ごろまでの日差しの強い時間の外出を避けたり、サンスクリーン剤(日焼け止めクリームなど)で紫外線を防いだりします。

 サンスクリーン剤(日焼け止めクリームなど)について、短い波長のUVBをカットする目安のSPF値が30ぐらいあれば十分と思われます。長い波長のUVAはサンスクリーン剤ではあまりカットできませんので、カットしたい場合は黒っぽい衣服など光をあまり通さないものを着ます(PA+UVAの防止効果がある、PA++はかなりある、PA+++は非常にあるを意味します)。また、水泳等の際にはラッシュガードを着ます。肌の弱い方は低刺激性のサンスクリーン剤を用います。肌が丈夫な方は普通のサンスクリーン剤でよいと思います。

 使用上一番大切なことはまめに塗り替える事です。通常でも3〜4時間で落ちますので、定期的に塗り替えたり、汗を多くかいた後、水に入った後などに塗り替えたりします。

 低刺激性のサンスクリーン剤のメーカーにはアクセーヌ、その他がありますが、以下にアクセーヌの製品について説明します。

 「マイルドサンシールド」 SPF28PA++。日常のサンケアや化粧下地として使用。 刺激に弱い肌の方。ノンコメドジェニックテスト済。3000円(税別)

 「スーパーサンシールドEX」 SPF50PA++++、日常〜レジャー時のンケアや化粧下地として使用。 高い紫外線遮蔽効果が必要な方。ノンコメドジェニックテスト済。4000円(税別)

 「スーパーサンシールドブライトフィット」 SPF50+PA++++。顔も体も濡れ、汗、水に強いウォータープルーフタイプ。ノンコメドジェニックテスト済。3000円(税別)。

2)内服薬…トラネキサム酸(トランサミン)とビタミンCを用います。ビタミンCと比べるとトラネキサム酸の方が効果があると思われますが、本来止血剤なので、血を固まらなくする薬(ワーファリンや小児用バッファリン)を飲まなければいけないような方は使えません。

3)ハイドロキノン(美白剤)の外用…肝斑、雀卵斑、炎症後色素沈着、老人性色素斑では、ハイドロキノンの外用が有効な場合があります(データーにもよるが数か月の使用で改善とやや改善で、60%〜80%程度)。ハイドロキノン使用の際には、サンスクリーン剤を併用する必要があります。健康保険が使えませんので自費での購入になります。ハイドロキノンはかぶれやすいので、医師の診察を受けながら使用する必要があります。

 「グラファ メラノキュアHQ」 ハイドロキノンを3.9%配合した軟膏タイプのクリーム。5g、2000円(税別)(約1ヵ月分)                   (20185月改訂)