単純性ヘルペスについて            サノ皮膚科クリニック

 

原因・・・単純性ヘルペスはウイルスの感染によっておこる病気です。乳幼児期に両親や周囲の人から感染したり、大人になって接触感染したりします。2030代までには50%の人がかかっています。

このウイルスは、一度感染すると神経の根元(神経節)にずっとすみついて、体調の悪い時(風邪の時や疲れたとき)や、紫外線に当たりすぎたりして皮膚の免疫力の落ちた時に、増殖して皮膚の神経を通って皮膚の表面に出て来ます。

症状と病名・・・乳幼児期に最初に感染した場合、あまり症状は出ません。大人になってからの初感染では症状はひどくなりますが、再発では初感染より症状は軽くすみます。

皮膚であればどこに症状が出てもおかしくありませんが、よく出る場所や症状によりいろいろな病名がついています。

口唇ヘルペス はじめ口唇や口の周りに赤い発疹が出て、その上に水疱ができ、10日から2週間ぐらいでかさぶたになります。患部には軽いかゆみや、ほてり、ピリピリした痛みなどを感じます。

ヘルペス性口内炎 浅い潰瘍(アフタ)が口の中にたくさんでき、食べたり飲んだりすると痛みます。小児の初感染が多く、再発する場合は多くは口唇ヘルペスになります。

カポジー水痘様発疹症 湿疹などの皮膚病変のあるところに単純性ヘルペスウイルスが感染したときにみられるもので、広範囲にウイルスが広がり水疱をつくります。初感染の場合がほとんどですが、アトピー性皮膚炎などの湿疹のコントロールが悪い場合は、何度でもなります。

ヘルペス性ひょうそ 指に水疱ができます。唾液から感染することが多く、指しゃぶりなどで感染します。

角膜ヘルペス 眼に単純性ヘルペスウイルスが感染すると、眼の痛みや異物感があり、涙が流れたり、まぶしく感じたりすることがあります。ひどい場合は視力が低下します。

性器ヘルペス 初感染では外陰部に赤いブツブツができ、水疱が多数でき、潰瘍になります。治るのに23週間かかります。性交渉などでうつります。

その他 目のまわり、臀部なども単純性ヘルペスの良く出る場所です。

治療・・・現在、単純性ヘルペスを2度とでなくする治療法はありませんが、早く軽く治す治療法はあります。

それには、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤を使います。内服薬(ファムビルを13錠または、バルトレックスを1日2錠)と外用薬(ゾビラックス軟膏)がありますが、内服の方が圧倒的に効きます。従って抗ウイルス内服薬を飲んだ場合、外用は抗ウイルス剤(高価です)を使っても、他の外用薬でも効果に差が出ません。従って抗ウイルス剤の内服と外用の併用は健康保険では認められていません。ただし、角膜は血流がないため、併用が認められています。また、病気の初期にしか効かないために、抗ウイルス剤内服は5日間しか認められません(陰部ヘルペスの初感染のみ10日間認められる場合があります)。

症状がでたらなるべく早く治療しましょう。症状がでて1週間以上たってから治療を始めても、あまり効果がありません。

性器ヘルペスの再発抑制として毎日バルトレックス1錠をずっと飲み続ける治療法があります。内服している間はヘルペスが再発しないため、頻回に再発を繰り返する場合には良い治療法です。

3回以上発症し、初発症状発現から6時間以内に内服できる場合は、ファムビルを1回4錠、12時間後にもう4錠、1日だけ内服する治療があります。この場合、次回1回分が処方できます。この場合腎機能を調べる採血が必要になります。

日常生活の注意・・・体調の悪い時に出ますので、再発した時には無理しないようにします。普段も体調に気を使ったほうが再発しにくくなります。

紫外線に当たると再発しやすくなるので、日焼けしすぎないようにします。

ぬれたコップやタオルでも感染することがありますので、水疱のあるときには他人と共用しないようにしましょう(水疱がかさぶたになれば、感染力はなくなります)。コップやタオルも乾けば感染力がなくなりますので、洗って完全に乾かせば他人にはうつりません。

 治療は早く始めれば始めるほどよく効きますので、症状が出たらなるべく早く皮膚科専門医にかかりましょう。

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