手足口病について            サノ皮膚科クリニック

 

 潜伏期は2〜5日です。

 普通の風邪と同じようにウイルスが飛んで感染しますが、まれに水疱を触って感染することがあります。

ウイルスは主に2種類(コクサッキ−A16、エンテロ71)ですので、2回かかる人が多いですが、ほかにもまれなウイルスが何十種類もあるので、理論的には何度かかってもおかしくありません。

 

 症状は、手や足、口のほか、膝、お尻などに、赤いボツボツや小さな水ぶくれができます。

他に、軽度発熱、胃腸症状(下痢、食欲不振)があることがあります。まれに、髄膜炎、脳炎、心筋炎などの重篤な症状を伴う事があり、注意がいります。

 

 

 治療はこのウイルスに効く特効薬はないので、安静と対症療法になります。口の中のボツボツが飲食時にしみて、水分が取れず脱水症状になることがありますので、OS-1(大塚製薬)やアクアライト(和光堂)などで、十分水分を補給してください。市販のスポーツドリンクで代用する場合は塩分(Na)が不足しますので、塩分もとってください(スポーツドリンクのなかではポカリスエットが比較的塩分が多いと思われます)。

食べ物は軟らかいものを、飲み物はしみないものにしてください。

 

 通常1〜2週間で治りますが、登園、登校は症状に応じて、見合わせればいいと思います。ウイルスは発疹の出る前を含め、長期間排泄されるので、完全に伝染を防ぐのは無理ですので、完全に治るまで休む必要はないと思います。

新型の手足口病について

ここ数年流行している新型の手足口病は39度近い高熱が生じることが多く、発疹も大型で、数も多く、広範囲に生じるため、水ぼうそうと誤診されることもあります。ただし、発疹は四肢末端に多く、水ぼうそうの発疹の分布(体幹に多い)とは異なります。口腔の症状は軽いため、飲食は多くの場合できます。発症から数カ月してから爪が剥がれ落ちる場合がありますが、自然と生え替わります。

 

20138月改変)