地球の3分の2は海である。全ての生物は海から生まれ、その一部は陸に上がったものもいる。私たちの血液は太古の海水と同じ濃度であるのは、その名残といわれている。しかし今、私たちはその故郷である、海の中へ気軽に訪問する事はそんなに容易ではない。
浦島太郎ならいざ知らず、通常は浮力に逆らい、また重いボンベの助けを借りて潜らなければならない。しかも、ボンベ一本の空気が切れればやむなく浮上しなければならない。そういう時は、鰓呼吸をしている魚達をうらやましくおもう。
海の中に潜ると、たしかに、別世界を訪れた感じがする。ほんのわずかの時間の、ほんの一部の場所の訪問に過ぎないが、果して、あの乙姫様の住む竜宮城とはどんなものだったのかと、想像する。
昔の人はそのイメージが湧かなくて「絵にもかけない美しさ」と表現したのだろうか?今ではいろんな手段で海中の様子をビジュアルにどこにいても見る事が出来る。
私自身に関しては、ダイビング中は、リーダーの後ろについていくのが精一杯で、とても写真を撮る余裕はないので、ここはひとつ、親戚の荒川雅人によるいくつかの海中写真を供して、皆様に楽しんでいただきたいと思う。(佐藤俊一) |