【越智道雄論文を読んで】

 

2003年12月16日(火) 清宮寿朗


 
 「ネオコン主導によるイラク攻撃」の意図について、16日付け読売新聞14面の「論点」という欄に参考となる論文が掲載されていました。

 越智道雄明治大学教授の論文です。要点だけを紹介しますと、

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@イラク問題の根源にはイスラエル・パレスチナ問題が横たわっていてテロ撲滅はこの問題の解決なくして考えられない。

A米国の中東政策の第一シナリオは、イスラエルによるアラブ民族主義の打破。

B第二は、イスラム原理主義過激派からアラブ諸国の独裁政権を保護する。

C第三は、イラクの民主化によってイスラム原理主義過激派を孤立させる。

D(対日、対EU戦略の一環として、)石油利権を押さえることで日欧から米国の財政赤字を補填させる。

なお、米国の石油需要について自国とカナダ・メキシコの石油で充足されている。

 というもので、越智論文の詳細は図書館等で閲覧していただければと思います。

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 以下、読後感想。

 越智論文によれば、今回のイラク攻撃は、上記の「C、第三のシナリオ」と「Dの対日、対EU戦略」を選択したものといえそうですが、問題は、果たして本当にイラクを民主化することができるのか。また、その過程において、本当にイスラム原理主義過激派を孤立させることができるのか、ということだろうと思います。

 さらに問題は、米英主導の占領政策で、アラブ民族主義やイスラム原理主義(過激派はのぞいて)と本当に協調体制が築けるのか。そして、米英主導の力による中東政策で、本当にイスラエル・パレスチナ問題の解決につながるのか、ということだろうと思います。

 今後は、以上のような問題意識も持って、米国のイラク占領統治政策の進展を観察していこうと思っています。