国民投票制度について

 

2003年12月30日(火) 清宮寿朗



 地方自治体では住民投票制度を条例で制定し活用するケースがしだいに増えてきていますが、国政レベルでの議論、検討はまだ十分されていません。

 本来の国民投票制度は、国民がみずから国家意思を決定する直接民主制的な方式なのですが、憲法が基本原則としている代表民主制(前文、43条)との整合性の問題があり、国民投票制度を採用するにしても、憲法96条、95条、79条2項の場合にしか認められないものと一般的には解されます。

 つまり、憲法改正、特定自治体の特別立法、最高裁判事選挙以外の国家的重要課題についての国家意思決定は、国民投票ではできないと解されているわけです。

 しかし、多くの地方自治体の住民投票制度もそうなんですが、国家意思決定目的の制度ではなく、国民の代表者が国家意思を形成する際の重要な参考資料とする趣旨で国民投票制度を制度設計すれば、国民投票法制定の意義も十分あり、国民の政治参加の意識も高まるはずです。

 国民投票法を制定する場合には、

@国家意思決定のための特別国民投票制度(憲法改正、特定自治体の特別立法)

A国家意思決定の参考とするための普通国民投票制度(@以外の国家的重要課題を対象とする)

 以上のように分けて構成し、Aは各議院の総議員の2分の1以上の賛成で国会が普通国民投票を発議する、とすればいいわけです。

 Aは、国会が数名の首相候補者を選定し、国会の発議で準首相公選を普通国民投票で実質的に行うことにも利用可能となります。もちろん、憲法67条がありますから再度、国会で首相指名の議決をしなくてはなりませんが、国民の政治的関心は高まります。

 なお、自民党では憲法改正手続きに特化させた特別国民投票法の制定の準備をしているようですが、上記の普通国民投票制度もあわせた恒久的国民投票法の制定の検討も望みたいと思います。