ソニーの経営不振について

 

2003年12月4日(木) 清宮寿朗



 井深大技術担当専務と盛田昭夫営業担当常務のコンビがソニーの創業者ですが、井深専務には、何といってもすぐれた経営戦略参謀、盛田昭夫氏が側近として存在していたことが大きかったと思います。

 もし、戦後、二人が再会することがなかったら、井深大氏が単独でベンチャー企業を設立・運営していたわけで、その場合、現在のTLOや大学発ベンチャーの多くに見られるように、「武士の商法」「研究会」のようになっていた可能性もあります。

 現在のソニーは、組織のフラット化に成功していますが、それゆえかえって井出社長の単独トップ体制が目立つという結果になっています。また、果たして、盛田昭夫常務のようなすぐれた経営戦略上の参謀が側近にいるかどうか疑問です。この点については小泉首相にもあてはまることかもしれません。

 ソニーといえば、1946年5月に日本橋の白木屋デパート3階にあった電話交換室を借りて7人ではじめたベンチャー企業の元祖です。「ニーズは技術がリードする」はいまの日本経済にもあてはまる名言だと思います。

 来年から、「大学発ベンチャー企業1000社計画」が自民党と政府によって本格に実行されてゆきますが、起業支援の際にはソニーの創業期に学んでおく必要がありそうです。

 大学発ベンチャーの起業を計画中の技術者、研究者には、盛田昭夫著「メイドインジャパン」ぐらいは是非とも読んでおいていただき、経営戦略上の名参謀を仲間内からではなく、できれば外部から、広い視野と観点で探し、生涯のパートナーとして組んでいただければいいと思います。

 なお、余談になりますが、バイオとの関連もある農産物生産にかかわる知的財産として種苗がありますが、種苗ライセンス収入ということも考えあわせてベンチャー企業(農地法2条7項で農業生産の会社設立が可能になっており)、あるいは農学部発ベンチャーも検討する価値があるかと思います。

 場合によっては、自治体だけでなく、大学やベンチャー企業も構造改革特区構想に基づく特区認定申請をすることもできますので積極的に活用されるといいと思います。