中国に対するODA問題について

 

2003年12月5日(金) 清宮寿朗


 最近、中国に対するODAを大幅削減するべきではないか、という意見がめだってきています。道路の9342q問題、公共事業事務への投資問題、外務省のODA問題等いずれもそうなのですが、個人的には、いずれの問題についても Yes or No の二者択一で検討したり結論づけしたりできない問題だと思っています。実は、イラクへの自衛隊派遣問題もそうかもしれません。

 政府による投資、援助問題については、国民の税金、血税を国民のためにいかに有効に利用・活用するのか、という投資政策問題だと思っています。この投資政策への政策内容が、現在、あまりにも不透明で、納得のゆく説明・情報が国民に対して開示されていない、という点にあるような気がしています。

 中国に対するODAに関していえば(他の分野についても同様のことがいえるのですが)、たとえば、中国でも国策レベルでもニーズが高く、日本にとっても関心度の高い東北地方三省(黒竜江省・吉林省・遼寧省)の「産業社会基盤整備計画」あるいは「共同開発プロジェクト計画」などを日中政府が共同して作成し共同投資する。

 そのプロジェクトの目的や未来ビジョン、実行計画、実施者、期間、予算、公正で透明度の高い入札制度の適用などを事前に両国民に公表し、毎年、日中共同行政評価委員会でチェックし、計画を調整・修正してゆくなど、そういうきめ細かな政策と事後対応の裏付けが必要なんだろうと考えています。

 要は、1980年代に新日本製鉄が行った製鉄所プラント輸出プロジェクトや現在検討中の北京→上海間新幹線プロジェクトと同様の発想、つまり民間の投資政策と同様の発想と方法をもって外務省も投資政策を立案し、透明で公正な事後対応をすることなんだろうと考えています。

 結果的に特定国だけ、あるいは特定の者たちだけが利益を受けるようなことになるのではなく、東アジア全体の経済発展のための基盤整備にODAが活用されるのであればよいと考えています。