公務員の概念と範囲について

 

2003年9月20日(土) 清宮寿朗

 公務員の員数削減に反対する理由の一つとして、「アメリカは地方公務員の数が、人口1000人当たりで見ても日本の2倍である」との指摘をよく耳にします。そのデータは、以下のホームページでも公表されています。

http://member.nifty.ne.jp/sib/koumu/jitumu/kazu.htm

 しかし、公務員の概念や実質的な範囲については明確にされておらず、統計の取り方にも問題がありそうです。

 しかし、また、米国の公務員一人当たりの人件費(手取り給与ではない)も問題でその平均が日本の半分、つまり約500万円程度であれば、公務員の員数削減や民営化政策とは一見逆行するようですが、雇用問題あるいは公共サービス業務のワークシェアリングという観点からみれば米国のほうが合理的といえるのかもしれません。正確な統計がないのでなんともいえませんが、米国の公務員一人当たりの人件費は平均で約500万円から600万円といわれています。もし、日本の公務員の平均的人件費が約500万円から600万円の民間並のものであるとすれば、確かに公務員の員数削減は強く推進できないかもしれません。

 ただ、日本の公務員の平均的人件費は、小規模自治体職員や例外はあるとしても約1000万円であることが判明してきています。某自治体では約1100万円というデータもありますので、人件費削減が遅々として進まないようであれば、やはり員数削減問題はあいかわらず続くと思われます。

 ところで、日本における実質的な公務員の範囲も問題です。公務員は、国家公務員法・地方公務員法で規定されている公務員のみに限定して考えるべきではないと考えます。

 日本では、一般的には、政府職員や自衛官、海上保安官、国会職員、裁判所職員、国公立大学の教職員や事務職員、都道府県の首長や職員(警察官や教職員も含めて)、市区町村の首長や職員、国会議員や公設秘書、地方議会議員(10,000名以上)、教職員、独立行政委員会の委員や事務局職員等を公務員としています。

 しかし、実質的な公務員を政府の事業事務を含めて、「独占的な公共事業事務サービスを行う団体の職員」と定義しなおすと、たとえば、道路関連4公団職員はもちろんのこと、その系列下にある株式会社、いわゆるファミリー企業(86社)の職員も含まれることになります。高速道路の切符を切るだけの公共サービスでも25社が関わっており、年間900億円の人件費が公団から支払われています。

 地方公社    約10,000
 公社・公団   約100
 独立行政法人  約60
 公益法人    約28,000
 学校法人    約7,500
 宗教法人    約190,000
 社会福祉法人  約14,500
 
 その他、これらの外郭公的団体の下にある系列のファミリー企業群や政府・地方自治体出資の第三セクター、そしてNTT、JT、KDD(現在はKDDI)等の企業も含めて考える必要があります。
 いわゆる「みなし公務員」や「準用公務員」、「準公務員」。
 そして、公共事業や補助金行政の影で事実上、税金でまかなわれる天下り等の「隠し公務員」、下級公務員の天下りである中小企業内の「隠れ公務員」等の存在もあります。
 さまざまな見方がありますが、NPO法に基づくNPOも、場合によっては天下り先として悪用される可能性は今後もあります。