内閣総理大臣公式参拝問題(3)

2004年1月10日(土) 清宮寿朗


 内閣総理大臣公式参拝問題(2)でも述べましたが、どのような理由があろうとも自衛戦争以外の戦争形態は認めるべきではなく、当然、先制攻撃は許されるべきではありません。また、いわゆるA級戦犯といわれている人々25名を美化したり、米国のような軍事国家を目指すべきである、などとは思いません。

 日本人によるその決意と恒久平和追求の精神は、日本国憲法前文と9条によって明確に確認されていると考えています。

 ところで、戦前の日本の約10年間の軍事独裁政治を深く反省するのは当然のことなんですが、一方、別の視点で東京裁判をみわたしてみますと、実は、東條元首相やその弁護団及びインドのパール判事の側からの戦勝国側に対する壮絶な闘争のあとがうかがわれます(映画「プライド」でもある程度、その様子が伝わってきます)。

 国際法やデュープロセスの観点から、実は、戦勝国側も裁かれていたという側面も否定できないのではないかと考え始めています。

 東京裁判については国際法上多くの疑問点があると思いますし、特に気になっているのは、日本の旧高官を無罪と主張したインドのパール判事の判決文の内容がいまだに公にされていないということです。

 また、弁護側の提出した証拠書類も一般に情報公開されていませんし、南京大虐殺事件の事実が挙証されなかったということも明確に公表されているわけではありません。

 そもそも、先制攻撃、侵略戦争を決定した元首等高官がA級戦犯であるとするのならば、1939年のソ連のフィンランド侵入を決定したスターリンや大義なきイラク先制攻撃を決断したブッシュ大統領は、国際法上どのように評価されべきなのでしょうか。こういう古くて新しい問題に、われわれは直面しているのかもしれません。

 ちなみに、10日付け読売新聞の第7面に「大量破壊兵器・捜査断念」という記事が掲載されていました。

 8日付けNYタイムズ紙が、米政府高官の話として、イラクで大量破壊兵器の捜索をしていた米軍兵士400人がひそかに任務を終了し撤収していたと報道しています。
 あわせてカーネギー財団国際平和研究所の調査報告書の要旨を以下のように報じていました。

 「イラクの大量破壊兵器は、米国や世界の安全保障にとって差し迫った脅威ではなかった」「ブッシュ政権が組織的に脅威を誤って伝えた」

 やはりブッシュのイラク攻撃は、国際法違反の「大義なき先制攻撃」だったといえそうです。