自衛隊派遣の前にやるべきこと

 

2004年1月17日(土) 清宮寿朗


 日本政府は、いうまでもなく憲法98条2項を無視することなく国際法や国際協調主義を遵守する(憲法99条)義務があります。
 この憲法で規定されている原理・原則を逸脱するような外交(ブッシュ・ドクトリンへの盲信と追随)は実に危ういものといわざるをえません。

 ブッシュ大統領は、まず「大儀なき先制攻撃」であったことを世界に対して率直に認めけじめをつける必要があります。そして、それを行動で示すべく、米国主導の連合軍編成からすみやかに国連主導の多国籍軍に編成替えするべきで(米英軍は国連主導の多国籍軍新司令部の命令系統に入る)、かつ一日も早くイラクの主権を回復させるべきです。

 イラク復興はイラク新政府によって推進されるべきと考えます(ブッシュ政権内でも、最近、そういう方向での方針転換が検討され始めているようで、期待しているところです)。

 日本政府は、自衛隊の早期派遣に拘ることなく、同盟国としての立場からブッシュ大統領を説得するべきです。それ以外に国際社会の秩序の正常化や民族対立の緩和の効果的対策はないと思います。
 
 国連安保理常任理事国のフランスも、「イラクに主権が回復されてから、イラク復興支援は本格的に行う」と表明しています。
 日本も、仮に自衛隊を派遣すとしても、イラク新政府樹立後に派遣すればよく、イラク新政府からの要請があれば、その時にはPKOと実質同じことになりますから2,000人でも3,000人でも派遣すればよいでしょう。また、サマーワ市だけでなく他の地域にも派遣してもいいと思います。

 それまでは、イラク人の雇用確保のための資金援助、食料援助、資材等物的援助を国連の機関を通して実施すればよいのではないでしょうか。仮に自力で物的援助・資金援助をするにしても空自・海自による輸送部隊の派遣で十分だと思います。