農業と雇用について

 

(2004.1.23) 清宮寿朗


 21日、衆議院で各党代表による代表質問が行われました。トップに立った菅 直人氏が、再質問を求め、そこで「農業と雇用」について総理に問題提起をしました。

 総理は、最初の質問事項にない質問だったから答えようがない、といって答弁拒否をされていましたが、この菅 直人氏の質問は、よく考えてみると案外、意味深長です。

 単に「農業について」あるいは「雇用について」という問題提起ではなく、「農業と雇用について」という問題提起で、かつ1月1日より改正労働基準法改正労働者派遣法が施行された直後のことだったからです。

 今回の改正は、従来型の雇用形態・賃金構造を本質的に転換させうる内容をもった法改正で、サラリーマンにとっては重大な問題を秘めていると考えます。

 東欧・旧ソ連諸国や中国の労働人口が1990年以降、世界の資本主義市場に新規参入してきて、その低賃金を武器に、日本等の製造業を駆逐し始め、10年ほど前から、空洞化の問題や大量失業問題が顕在化してきたわけです。

 しかし、中国の一般労働者の賃金が今後、飛躍的に上昇することは期待できない見通しで、かつ元と円・ドルの為替調整も当分は期待できない情勢です。

 とすれば、日本の雇用形態や賃金体系を構造的に改革し、社会保障制度の見直しとともに、失業者の受け皿づくりも真剣に取り組まざるを得ないと思います。

 この「失業者の受け皿づくり」の受け皿にもいくとおりかの道筋が考えられそうですが、もっとも有効性のある方法が、農業の活性化と失業者の受け皿としての機能アップではないかと思います。

 雇用問題を農業政策とリンクさせての問題設定は、これからの日本においては案外、重要なテーマとなるような気がしています。