靖国神社への内閣総理大臣公式参拝問題(1)

(2004.1.3 清宮)

 1985年、中曽根内閣の時から始まった内閣総理大臣公式参拝問題は、日本の国家と宗教のかかわり方に関する憲法20条、89条の解釈の問題であるとして議論するべきだと考えています。

 ちなみに、東京裁判A級戦犯者合祀の是非に関する問題については、東京裁判の評価の問題が伴うので、一応、区別して議論した方がいいと思っています。

 内閣総理大臣公式参拝の憲法訴訟については福岡高等裁判所判決(平成4年2月28日)と大阪高等裁判所判決(平成4年7月30日)があり、結論としては内閣総理大臣の公式参拝は違憲とはされませんでしたが、ただ、傍論で、公式参拝が継続して行われれば違憲の疑いが強い、とも述べています。

 具体的には、福岡高等裁判所の判決では、その傍論で、内閣総理大臣の公式参拝が制度的に継続して行われれば、神道式によらない参拝でも宗教団体である靖国神社に援助、助長、促進の効果をもたらすとして違憲の疑いのあることを表明しています。

 大阪高等裁判所の判決でも、公式参拝は外形的には宗教的活動の性格を持つとし、さらには、内外に及ぼす影響はきわめて大きく、他の宗教団体やアジア諸国からの反発と疑念が表明されていること、継続して行われることを予定しているので、儀礼的・習俗的なものとはいえないなど、総合判断すれば違憲の疑いが強い、と表明しています。

 私も、内閣総理大臣の【継続的公式参拝】は違憲の疑いが強いと判断しています。

 小泉首相も、日本の国家行政組織の長・元首としての自覚を強く持ってもらい、判例でも述べているように、「外形(行為の客観的外観)」の重要さにもっと注意を払っていただければと思います。

 小泉首相は、首相退任後、一議員となったら、毎月でも毎日でも参拝していただくとして、首相でいる間だけでも我慢していてほしいと思います。