靖国神社への内閣総理大臣公式参拝問題(2)

(2004.1.7 清宮)

 私は、日本国憲法で許されている自衛のための防衛戦争以外、つまり侵略戦争や他国への先制攻撃を行うことは違憲だと思いますし強く反対します。

 たとえ資源のない日本が、戦前に経験したように国際社会から孤立し、いわゆるABCD(米国、英連邦、蒋介石政権、オランダ、)ライン包囲網の下、国際的な経済制裁を受け、経済的破局に直面しようとも、それを理由に他国を侵略したり先制攻撃することには反対します。

 しかし、歴史的検証という意味での東京裁判の評価はいまだに不透明なままだと考えています。たとえば、東京裁判で審判された「A級戦犯」とはなんだったのか。どんな事実について、どんな法的根拠で訴追され、どう審判されて有罪になったのか、その内容がいまだに明確になっていないような気がします。


 また、A級戦犯として有罪判決を受けた25名の高官のうち、禁固7年とされた重光菱元外相は、戦後、鳩山内閣で副総理・外相に就任しましたし、また、終身刑とされた賀屋興宣元蔵相は、池田内閣で法務大臣に就任しています。

 なぜ、A級戦犯者が戦後の池田内閣で法務大臣に就任できたのか、これも私にとっては理解しにくいことでした。

 それから、靖国神社がA級戦犯を合祀したのが1978年のことで、、それがマスコミ等で公表されたのは翌年の1979年のことです。

 中曽根内閣公式参拝が実施された1985年までの6年間についても大平、鈴木、中曽根歴代首相は靖国神社参拝を続けていたのですが、どういうわけかこの6年間については中国も韓国もクレームをつけていません(クレームがついたのは、1985年の中曽根内閣公式参拝以降のことです)。この点についても理解できないところです。

 戦前、明治憲法下といえども、大正デモクラシーを経験していた日本が、なぜ、昭和10年頃を境に軍事独裁国家に変貌してしまったまか?なぜ、真珠湾攻撃を決行したのか?なぜ、日中戦争に突入したのか?

 そういう歴史的検証が、まだ日本人自身の手でなされていないことも不思議な感じがします。

 戦前の軍事独裁国家・日本のあり方を反省するにせよ、戦前の歴史をより正確に理解するためにも、また、アジア諸国との相互理解を深めるためにも、そして日本人の精神を試すためにも、勇気を持って改めて東京裁判を総合的に検証し直してみるべきではないでしょうか。

 なお、前回の発言と重複しますが、以上の問題と靖国神社や伊勢神宮等特定宗教団体への内閣総理大臣公式参拝の是非論は区別して行われる必要があると考えています。