【アングロサクソンについて(2)】

 

2004年2月29日(日) 清宮寿朗


 アングロサクソンについて補足させていただきます。

 広辞苑では「ゲルマン民族の一部」であると説明されていて、この点について一部の方から疑義が出ていました。しかし広辞苑の説明は一応、正しいと思います。

 アングロサクソンは、やはりドイツ・ゲルマン民族の一部で、具体的にはドイツ北西部に本拠地を持っていた東ゴート族であったと思います。

 ゲルマン・東ゴート族を中心とするゲルマン民族がオランダやイギリスに侵入・民族移動して諸王国を建てた。そこで、主にイギリス人やイギリス系の人々をアングロサクソンとも呼ぶようになったのではないかと思っています。

 特にサンデープロジェクトにおける岡崎氏の述べていた「400年間、アングロサクソンが……」という表現についていえば、スペイン帝国没落後の1600年〜1700年当時の覇権国家、列強を考えればわかりますが、少なくとも米国は存在していませんでしたし、三次にわたってオランダとイギリスのアングロサクソン同志の覇権争いがありました。

 それはそれとして、もっと本質的に大切な視点というか、問題なのは、ヨーロッパの歴史、あるいは欧米諸国の歴史の理解に、ゲルマン民族とラテン民族のせめぎ合いが続いていた、あるいは、いまなおその対立構造が続いているのではないか、という歴史認識の検証かもしれません。

 また、言語学的に欧米諸国は、ギリシャ語を除けば、ゲルマン語系かラテン語(ロマンス語系ともいう)系になっていることも案外重要なことではないでしょうか。

 たとえば、ラテン語系のフランス語、イタリア語、スペイン語等のグループ内、あるいはゲルマン語系の英語、ドイツ語、オランダ語等のグループ内では、言語相互間が方言のような関係にあるということも理解しておいて損はないと思います。

 何が言いたいか、といいますと、「アングロサクソン」という言葉は、対EU的には「ゲルマン語族」という意味の隠語として使われることがあるのではないか、ということです。

 拡大欧州地域と中東地域での「米国」と「EU」による覇権争いがドル対ユーロという形で、今後、ますます顕在化してくると思いますが、その核心にはゲルマン語系民族の現代の代表選手・米国とラテン語系民族の代表選手・フランスが対峙している、ということも頭の片隅に置いておく必要があるように思われます。

 最後になりましたが、「ユダヤ系アメリカ人が頭脳となってアングロサクソン系アメリカ人(WASP)を操っているのではないか」という趣旨のコメントがありましたが、実際に、そういう側面も大いにあると思います。が、具体的に例示するのはなかなか難しいことだと思います。

 そもそもアングロサクソン系アメリカ人というと、日本の12世紀から幕末までのほとんどの時代の政治・軍事を支配していた「源氏の末裔」というようなものですから……。

 案外、本当の源氏の末裔や貴族の末裔こそ現代では非力だったりします。