日本は本当に自衛隊イラク派遣しか選択の道はなかったのか

 

 (2004.2.8) 清宮寿朗

 

 日本は、アメリカ追従の道しかなかった、という意見をよくききます。

 しかし、私はそうは思いません。日米関係も日米同盟も日本にとっては重要ですが、今回の自衛隊イラク派遣という米国追随の外交選択は間違っていたと思います。

 日本が今回のようなかたちで自衛隊を派遣しなかったからといって、日米関係に亀裂が入るわけはありませんし、今後も日米関係は揺るぎないものだったと思います。また、朝鮮半島問題も全く次元の異なる問題で、自衛隊派遣の有無で六ヶ国協議の行方が変わるわけはありませんし、日本国内で起きるテロ等を米国が防げるものでもありません。

 日本は、これまで軍事的(世界最大の海外米軍基地の提供と経費負担)にも経済的にも財政的にも多大な貢献を米国に対してやってきたわけですし、今後も日本抜きでは米国経済・財政・軍事も成り立たないところまで相互依存関係は深まっています。

 自衛隊のイラク派遣については、「憲法の制約があるから、国連主導のPKOとして自衛隊を派遣することはできるが、今回のケースでは自衛隊は派遣できない。そのかわり、ドイツ・フランス・ロシア・中国・カナダと連携を強めて、派兵以外の様々な方法でイラク復興支援に全力をつくす。経済支援も関係国際機関を通してするし、アフガンの時のように海自や空自を限定的に使って憲法の許す範囲内での物資輸送等は日本独自でもやれることはやる。そして、イラク政府が樹立され、イラク政府や国連から依頼された段階で日本もPKO部隊として陸自を派遣するし、復興のための日本企業進出やNGO活動も全面的に支援する」

 そう言えばよかったわけです。昨年の春に小泉首相がブッシュ大統領とキャンプデイビットでどんな確約をしたのかは定かではありませんが、この時に、小泉首相がブッシュ大統領に対して、上記のような日本の立場を明確にし、早急にイラク新政府樹立と国連主導の復興体制構築を促していれば、いま、日本としても日本らしい独自外交が展開できたと思っています。

 イラク派遣については、明日、国会承認が正式に議決され成立する見通しですが、今回の米国追随の自衛隊イラク派遣と国連主導のPKO部隊派遣とは次元の異なるわけで、今後も似たようなケースに当面することもあり得るわけで、自衛隊のイラク派遣と憲法の問題については、憲法改正問題との関連もありますから、今後とも十分、検討し議論してゆかねばならない重要な問題だと考えています。