21世紀における日本の安全保障問題

 

2004年3月11日(木) 清宮寿朗


 最近、「自衛隊をイラクへ派遣したのでこれで米国は日本を守ってくれるはずだ。そして、自衛隊のイラク派遣によって日本もやっと独立国家としての第一歩を踏み出した」という意見を聞きました。本当にそうでしょうか?


 1月17日に「北朝鮮のミサイル配備について」というタイトルでメッセージを書き込みましたので確認していただければと思いますが現在、ノドン中距離弾道弾ミサイルが200基日本に向けて配備されています。核弾頭がなくても日本全国に点在している原子力発電所(2002年10月末現在52基)がねらわれれば、日本は放射能汚染で壊滅的な打撃を受けてしまいます。日本が攻撃を受けた場合には、米国のF-16が北朝鮮のミサイル基地をたたくことになるかとは思いますが、日本がある日突然攻撃されてから、その直後に米国に反撃してもらっても日本の壊滅的打撃が解消されるというものではないと思います。

 また、日本国内で起きるテロも様々なケースが考えられます。生物化学兵器はミサイルにも搭載できますが、細菌やウィルスに感染した工作員の日本上陸による静かなるテロもありえるわけです。さらに、9.11のようなテロもありえます。果たして米国はこのような日本国内で起きるテロを事前に察知し予防・阻止することができるでしょうか。

 21世紀の戦争は、第二次世界大戦当時やその後の20世紀に起きた戦争とは異質なものになっていて20世紀的戦争を前提に締結されている日米安全保障条約では、今や日本の安全を守ることはほとんど不可能となっていると考えます。

 もちろん外交戦略的には日米安全保障条約はなお有効であり、2050年頃までは日米同盟は必要不可欠なものだと私も考えています。

 しかし、それだけでは21世紀における日本の安全は確保されない、ということも認識しておく必要があると思っています。平和のための新しい国際秩序や世界各地域諸国による新しい連帯ルールなどを日本が率先して構築してゆくべきではないでしょうか。

 本当の独立国家とは何か。国家概念の再定義も含めて、これも改めて考え直すべきだと思っています。