自衛隊のイラク派遣の合憲性の判断について

 

2004.3.31 (清宮寿朗)

「前々回の『朝まで生テレビ』において、某憲法学者が自衛隊のイラク派遣については違憲だとの見解を披露され、また、国民が最終的に違憲かどうかを判断するべきだと述べられた。その趣旨は、裁判所が違憲との判決を下した場合、その裁判官を国民が審査するという方法で実行する、との意味で理解しましたが、どうなのでしようか」という質問がありましたのでコメントさせていただきます。

 日本には、ドイツにある憲法裁判所のようなものがありませんので、裁判所が事件と離れて抽象的に自衛隊の存在や自衛隊の運用に関してその合憲性を判定することはできません。

 また日本の裁判所において、仮に事件性のあるケースで具体的に憲法訴訟が行われた場合でも、自衛隊の存在やその運用に関しては、最高裁判所は政治問題として判断を回避するという慣行をとっています。現に過去、最高裁判所は自衛隊法や自衛隊の運用に関しては政治問題であり本来、国会で判断されるべき問題であるとして自らは判断をしていません。

 確かに判事は国民によって選ばれた存在ではなく、かつ少数の判事が国政の根幹に関わる問題について最終決断を下すというのもおかしなことです。

 やはり国防のあり方や自衛隊の存在、自衛隊の運用という高度に政治的な問題については国会で議論され決断されるべきものだろうと思います。そして、その国会の議論や決断を監視するのは国民の役割・責任であり、もし国会の判断に問題があれば、国民が国政選挙において直接、明確にその意思を示して行くべきなんだろうと思います。

 前々回の「朝まで生テレビ」は見ていませんでしたから、お話の中に出てきます憲法学者の意図するところを正確に把握することはできませんが、たぶん以上の説明と同趣旨のものであろうと考えます。