スペイン軍のイラク撤退について

(2004.4.21 清宮寿朗)

 現在のイラク情勢は1920年のイラク情勢によくにてきています。

 フセイン政権を当時のオスマントルコによるイラク統治政権。米国軍を当時の英国軍に置き換えて考えれば、双方のイラク情勢の成り行きがにているということに気がつきます。

 ファルージャとナジャフも1920年当時のキーポイント地域でした。

 現在スペイン軍が駐留するナジャフにおいても米国軍による掃討作戦は時間の問題といわれています。もしスペイン軍がイラクから撤退する前に掃討作戦が断行されますとスペイン軍は窮地に立たされることになると思います。6月末の撤退予定を変更しての今回の早期撤退はそれを予期しての決断だったと思います。

 今回のスペイン軍の早期撤退は、ホンジュラス軍、ドミニカ共和国軍、ニカラグア軍、シンガポール軍のイラク撤退表明というように波及していますが、今後はブルガリア軍、タイ軍、フィリピン軍、ニュージーランド軍の撤退にも波及してゆきそうな雲行きです。

 これらの国の撤退や撤退検討表明は、米英軍主導のイラク統治のこれからの展開を暗示していると思います。

 ここで新たに米軍によるナジャフへの掃討作戦が実施されることにでもなれば、今後、米英主導の有志連合国軍は、イラクの全域でスンニ派シーア派の連合勢力との新たなる戦闘に巻き込まれて行く可能性があり、オランダ軍や日本軍にも同様の危険が及んでくると考えておくのが自然ではないでしょうか。

 ここであらためてブッシュ政権における「ネオコン主導のイラク戦争・泥沼化戦略」の真意を問い直してみる必要がありそうです。