【著作権法改正について】


2004年6月3日(木) 清宮寿朗


著作権法改正の審議が昨日終了し本日の午後には本会議で成立する見通しとなりました。

消費者サイドからはできるだけ安価なコンテンツを求めて改正案に不安をもたれることと思います。

しかし、コンテンツ産業界サイドからはコンテンツ産業の保護・発展を目的につくられた改正案はどうしても成立させたいところでしょう。これは日本国内の著作権者等のみならず外国の著作権者等にも同様の要請があるのも確かだと思います。

問題はアジアのライセンシーが製造するコンテンツ商品の価格と日本国内での販売価格の差がどの程度なのか、ということで個人的には販売価格の程度問題であると思っています。

独禁法違反の問題もなくはありませんが、独禁法との関連で問題となる再販制度(出版物の定価維持制度)の制度趣旨と今回の著作権法改正の趣旨とはやはり違いますので直線的に独禁法違反の問題とすることは困難だと思っています。もちろん、インターネット社会が進みデジタルコンテンツの利用ツールが進化してくれば再販制度も今回の著作権法改正案もかなりの部分で空洞化することは予想されますが、それはまた別の問題になると思います。

やはり、この問題は、具体的に著作権等侵害の事件が発生した段階で、この程度問題を裁判で判定せざるを得ないかな、と考えています。

たとえば国内で3000円のものが300円ではなく2500円程度で逆輸入されたようなケースでは、果たして著作権等の侵害で損害賠償請求の訴訟を提起するかどうか。実際に訴えが提起された場合でも、果たして裁判所はその損害を認定するかどうかは微妙なところだと思います。

今回の改正法に基づいて刑罰の適用を求めてする告訴の場合も同様で、ライセンサーが告訴するかどうか微妙です。仮に告訴をしても果たして検察官が裁判所に公訴するかどうか。

今回の改正については、私としては積極的に賛成はしませんが、必ずしも反対はいたしません。