【最近の日中問題を考える】

(2004.8.27)清宮寿朗

 

日中問題を考える場合、1998年に誕生した朱首相の「国家の政経分離政策による経済的地方分権の徹底と地方政府の経済的独立、そして地方政府の経済構造構造改革の成功」という事実を日本人はもっと重視するべきだと考えています。

小泉内閣の構造改革が遅々として進まない現状と比較して朱内閣の構造改革がみごとに成功した原因は、国家の政経分離政策と地方政府の経済的独立政策の決断と実行にあったと思います。まさに朱革命ともいえる、中国版構造改革の成功だったと思います。

北京の中央政府は政治・外交・軍事、地方政府は経済・金融・通商、というように中央と地方の役割分担を徹底した結果、中国の経済は見違えるほどに自由市場化されました。

北京オリンピック後は、ほぼ間違いなく経済大国となり、富の蓄積後、戦後の日本がそうであったように、富の再分配機能を充実させる方向で政治的にも民主化を本格化させてゆくものと予想されます。

ただ、その時までは政治部門を担当する中央政府と経済部門を担当する地方政府の二重構造が続きますから、このことは日中問題を考える場合の要注意事項だと思います。

つまり、日本人が中国の二重構造の現実に気がつかず、いまだに中国が政経一致の国家であると誤解していると、北京政府の巧妙な外交戦略によって、日本人は歴史問題や靖国問題等で翻弄され、外交・軍事・文化摩擦に右往左往させられかねません。

10年後、気がついてみたら、中国は日本よりもはるかに進んだ資本主義・自由市場主義の国家に生まれ変わっていて、日本は米国経済圏と中国経済圏の谷間で立ち往生、なんていうことにもなりかねません。

日本人は、北京政府の政治的外交的戦略に乗せられることなく、場合によっては、日本も中国の朱内閣がやった構造改革を見習い、政経分離政策で一気に地方分権を達成するといいかもしれません。

いま全国にある14の政令指定都市を経済圏首都としてあたらしい経済圏行政単位を12ないし14ほど構築ししてもいいのではないでしょうか。方法論はいろいろあります。たとえば地方自治法の広域連合制度等を活用して、経済、財政運営の権限を移譲してもいいのではないでしょうか。