行政書士 開業Q&A100

 

 

Q-21. 行政書士が作成した契約書類等私文書の証拠力について。(2002.8.8)

Q-22. 行政書士の無料法律相談について。(2002.8.8)

Q-23. ロースクール構想について。(2002.8.9)

Q-24. 記帳代行業務と会計業務の違いは。(2002.8.9)

Q-25. 営業(2) 入管法・国籍法務における営業方法について。(2002.8.10)

Q-26. 営業(3) 国際法務で韓国を専門とする場合の営業の要点(韓国人とつきあう方法)。(2002.8.11)

Q-27. 入管法実務の学び方。(2002.8.12)

Q-28. 行政書士の件別基準報酬額表について。(2002.8.13)

Q-29. 報酬の受取り方について。(2002.8.17)

Q-30. 建設業許可申請業務の学び方。(2002.8.17)

Q-31. 雇用行政書士について。(2002.8.18)

Q-32. 税務調査の立合いについて。(2002.8.19)

Q-33. 求められる行政書士の資質について。(2002.8.19)

Q-34. 刑法と行政書士について。(2002.8.22)

Q-35. 知的財産権と行政書士について(2)。(2002.8.22)

Q-36. 自治法務と行政書士について。(2002.8.22)

Q-37. コーヒー・ブレイク。 コピー機の思い出。(2002.8.23)

Q-38. 行政書士にとってのホームページ。(2002.8.24)

Q-39. エージェント業務について。(2002.8.24)

Q-40. 営業(4) タウンページの効用と有限会社設立のメリット。(2002.8.24)

(Q41.〜Q60.)

                 

 

Q-21. 行政書士が作成した契約書類等私文書の証拠力について。

公証人が作成した文書(公文書としての公正証書)と行政書士等私人が作成した契約書類等の文書(私文書)の証拠力の問題についての意見がありましたので、若干コメントさせていただきます。

文書の証拠力とは、文書が判決において事実認定(補助事実の認定)に供することができることをいいます。

公文書、私文書共にこの事実認定に供することはできるわけですが、公文書の場合には特段の立証をしなくても形式的証拠力(簡単に言えば、誰が作成した文書であるかを確定できること)が推定されるわけです。

行政書士等の作成した契約書類などの私文書の場合には、その文書の成立が真正であるかどうかを証明しなければ形式的証拠力は発生しないという点で、「成立の真正について立証・証明」が必要となるわけです。

ただ、「私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によって顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、該印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定するのを相当とするから、該文書が真正に成立したものと推定するべきである」(最判昭和59年5月12日)という判例があるように、通常、専門家である行政書士が作成した文書であれば、事実上、形式的証拠力は推定されてしまうというのも事実です。

もちろん、万が一、印影の一致に疑いがあるときは、筆跡鑑定とか印影鑑定をしてもらう手続をとる必要はあります。

残る実質的証拠力というのは、簡単に言えば、記載内容が真実あるか、あるいは記載内容が事実認定に役立つという意味ですから、これは裁判官の心証形成そのものに近いものですから、この点では形式的証拠力さえあれば公文書も私文書も同じということになると思います。

以上のように公証人の作成した文書であれ行政書士の作成した文書であれ、証拠法上はそんなに差異はないようです(ただし、証拠力の問題ではありませんが、一部、強制執行認諾条項を記載して公正証書を作成することができるケースにおいては、その公正証書は債務名義・執行証書となります)。

しかも、訴訟などの法的紛争を予防するために文書を作成するのが公証人や行政書士の役割、機能であると考えれば、両者は大いに共通しているわけです。紛争予防法務の専門家としてみれば公証人も行政書士もともに同等に必要不可欠な存在であり、似た者同士であると思います。そこで、私は時々「行政書士は準事務弁護士的存在であると同時に、準公証人的存在でもある」、と主張することがあります。

蛇足になりますが、行政書士の作成した定款でも公証人の認証を要する場合と認証不要という場合があるという点にも注目したいと思っています。それに会社の変更登記の前提となる議事録作成についても公証人の認証を要するというわけではないわけですね。

行政書士の役割、機能はとても面白いものだと思います。まだ、この資格を十分には使いこなせていない状況といえます。行政書士実務研修機構が全国的規模で展開・機能するようになれば、新しい業務開発や既存業務の革新・進化がもっと積極的になり、行政書士資格の機能は見違えるほどすばらしいものに生まれ変わると思います。


(2002.8.1.メッセージ番号12089.)

Q-22. 行政書士の無料法律相談について。

法律相談は無料(報酬を得る目的ではなく、例えばボランティア活動として)で、かつ常設看板等に標示していなければ弁護士法72条・74条違反になりません。

ただし、法律相談の一種に税法に関する税務相談については、例外的に、無料相談であっても税理士以外に対しては規制されています。規制される「税務相談」の態様についての説明は、「業務根拠先例・法令等」の(12)にしてありますので参照し、規制される相談態様と規制されない相談態様を明確に理解しておいてください。

例えば、未だ具体的な税計算の必要性はないが、将来の税負担の概算を教室事例形式で無料税概算ソフト(森川会計事務所のホームページにあるダウンロード・コーナーのフリーソフト「税こもの」)等を使ってシュミレーションしたり、国税庁のホームページで公開されている資料を学校講師のように解説するなどの行為は、税理士法で規制している税務相談には該当しないと考えられます。

もちろん、行政書士が取り扱える税目に関しては、具体的事案において税計算することは業として行うことができるのは言うまでもありません。
 
ところで、私の母校の大学では毎週土曜日、「学生無料法律相談会」を校内で開催していました。いまでも実施しているはずです。私が、法制研究所に一時在籍していた頃、私も参加して相談員になった経験があります。

逆に、行政書士が書類作成業務に関しての有料の相談業務を表示するとすれば、これは提案ですが、「法制相談」「権利義務に関する法制相談」というのはいかがでしょうか。前者の「法制相談」は、兼子仁東京都立大学名誉教授の発案による表現です。

(2001.2.21.メッセージ番号356.)

Q-23. ロースクール構想について。

現在の司法修習所というのは、わが国唯一の日本型ロースクールともいえるものなんです。

日本に一つしかなく、かつ税金で修習生の生活の面倒もみるということもあり、定員制がとられ、その結果、このわが国唯一の国営ロースクール入学試験ともいうべき司法試験の合格者数は、1990年までの約30年間は約500名に据えおかれたままでした。

合格率はなんと3%程度という狭き門です。法学部卒業生でしかも秀才を自認する者たちが多数を占める受験生の中での3%ですから、行政書士試験の合格率約10%とは比較にならないほどの狭き門となっているわけです。

それでも改革は少しづつ進み、司法試験合格者数は1993年に700名、2000年には1000名に増員され、受験科目も減り、平均受験年数も7年から5年に減って、昔のような「蛍雪時代・苦節10年」という暗いイメージはだいぶなくなってきました。

しかも、最近、2002年7月になって、司法試験合格者数を計画を前倒しして2005年までに3000名にする、という有力な新提案が出てきました。それが実現されれば、早期に司法試験の科挙的イメージは消滅し、弁護士の特権階級性も消滅することになりそうです。

また、ロースクール制度がスタートしても、5年間程度は、現行の司法試験制度も併用するとのことですし、場合によっては、新司法試験受験資格取得のための新司法試験予備試験制度があらたに制度化される可能性もあります。ロースクール受験資格を、法学部卒業者に限定しないという信州大学のようなところもあります。

以上のような状況を考えますと、近い将来、若手の司法書士や行政書士の多くが弁護士に転出する可能性が濃厚になってきました。

将来、司法試験及びロースクールの第2次改革で、国営の判・検事専用ロースクール及び判・検事登用のための国家司法公務員試験と、弁護士養成のためのロースクール及び弁護士試験というように、司法試験やロースクールが大きく分割されるようなことになれば、弁護士試験合格者は年間3000名から5000名ないし7000名程度にまで増員可能となります。

2020年頃には、司法書士や行政書士は、受験生の激減による試験制度の廃止、弁護士増員による弁護士の許認可問題、外国人問題など行政手続分野進出、弁護士過疎地域の解消等が原因で自然消滅せざるを得ない状況に追い詰められているかもしれません。

これを夢のない話と受け取るかどうか。

18年後の未来のことですが、行政書士も法律家である以上、一生勉強です。一生勉強の運命なら、特に若手の諸君は、民法・商法・民事訴訟法・憲法・刑法・刑事訴訟法をもっと本格的かつ計画的に学習し、「弁護士への変身」計画を立ててもいいのではないでしょうか。

そういう新たな目標を持って法律学の勉強を続ければ、生涯行政書士として活動するにしても、その法務サービスの品質がハイレベル化し、国民にとっても利益になると思いますが、いかがでしょうか。

これも一つの夢であるような気がします。

(2001.2.21.メッセージ番号383.)

Q-24. 記帳代行業務と会計業務の違いは。

記帳代行業務というのは、決算書(財務諸表)作成に至るまでの計算書類(日計仕訳表や総勘定元帳、試算表、決算書、各種報告書等)の作成業務のことで、簿記といってもいいわけです。簿記というのは、財務諸表の作り方ですから、記帳代行業務は簿記であるということもできます。

それに対して、会計業務は一言でいえば、「会計学(会計基準)に基づく財務諸表の開示と読み方」のことで、財務情報の開示や監査、経営分析の方法論ですから、厳密には記帳代行業務・簿記とは次元がことなるわけです。

しかし、現在では記帳代行業務と会計業務は一体のものとして把握されるようになっており、「経営会計業務」あるいは「会計業務」として一般化しつつあります。

さらに、「法務会計業務」という概念もあるんですが(実は、私と福岡市在住の大先輩・橋本康扶行政書士と二人で考案した概念)、この概念も意外と行政書士界で流行しつつあります。この概念の基本には、決算書等の計算書類は作成できても決算書類の分析はできない、ということではもちろん専門家とはいえないわけですが、企業参謀としては、さらに、民事法務・行政法務・刑事法務も必要なのではないか、という観点からの造語でした。

もちろん、会計業務も企業規模によってその複雑さは大きく異なってきます。行政書士の場合は、一般論としてですが、地域の中小零細企業を対象とする会計業務がほとんどで、かつ税理士と業務提携しているのが実態ではないでしょうか。

それでは、行政書士と税理士の会計業務の差異・区別は何でしょうか。

その答えは、会計実務上、フロー計算が2回変換されることに関連します。

「収入・支出」(キャッシュフロー)から「収益・費用」への第一次変換(利益計算が可能となる)

そして、「収益・費用」から「益金・損金」への第二次変換(所得計算が可能となる)の2回です。

この第一次変換の専門家が、公認会計士及び行政書士(財務諸表作成・開示の専門家であり、かつ事実証明作成権限あり)で、第二次変換の専門家が税理士なんですね。税理士の会計業務と行政書士の会計業務の本来的な区別はここでつけます。

帳簿づけをする者を記帳人ないし帳簿記録人(Bookkeeper)といい、会計基準に基づいて財務諸表を作成し財務報告まで行う者を会計人(Accountant)といいますが、行政書士は、税理士、公認会計士とともに厳格な守秘義務が課せられた国家資格者としての会計人であるといえます。

企業会計原則

国際会計基準と日本の会計の相違点。

http://www.hi-ho.ne.jp/yokoyama-a/ias&jgaap.htm

(2001.2.21.メッセージ番号387.)

Q-25. 営業(2) 入管法・国籍法業務における営業方法について。


入管法・国籍法の実務は、入管法大改正のあった平成元年頃からしだいに行政書士業務として一般化してきたという経緯があります。そういう意味では、必ずしも新しい業務分野とはいえませんが、今後は国際ビジネス法務ないし渉外法務と連動し、かつインターネットの内外における普及や投資戦略・人材戦略・知的財産戦略のボーダレス化・グローバル化の進展に伴って、これからが本格的といえるのではないでしょうか。

ここでは、入管法・国籍法実務に限定して、その基本的営業方法を考えてみたいと思いますが、この分野での営業の基本も、他の業務と同様、やはり「人間関係と口コミ」といえます。

問題は、入管法・国籍法実務特有の「人間関係づくり」の方法です。いろいろあるのですが、そのうちの有力なものをいくつかご紹介します。

まず、専門の国を決めることです。中国、韓国、台湾、シンガポール、インド、米国のハワイ州やカリフォルニア州、ドイツ、ベルギー、オランダ、英国、ブラジル、カナダ、オーストラリア等から選択します。もちろん、二ヶ国選択してもいいと思います。

例えば、中国を専門に選択したなら、中国の法制度や政治・経済・分化・歴史・言語等を学びつつ「友達の輪」をつくってゆくことです。そのうち、気の合った信頼できるキーパーソンも数人できてくると思います。

できれば、中国は、香港及び深川・東完・広州地域圏いわゆる「珠江デルタ」「長江デルタ」、北京大学や精華大学など68の大学と213の研究機関を擁する「北京市中関村の大学発ベンチャー・サイエンスパーク大回廊地区」「東北地区」の4地区に区分して研究し、人間関係もこの4地区別につくれれば幅と発展性(この点は後日あらためてお話します)のあるいい人脈が育つはずです。

人間関係づくりのきっかけは様々あるはずです。お勧めの一つは、日本語学校講師をすることです。国際法務を目指す方で、新人時代はアルバイトで予備校の講師をしたいというのであれば、日本語学校の講師の方が合理的ですね。

大学・大学院の関係者や留学生会等の事務局と提携して留学生対象の就職アドバイザーになったり、外国人労働者や留学生と中小企業経営者たちのための文化交流会の主催者になっても面白いです。例えば、開業MLメンバーの浩龍さんが主催している国際文化交流会は大したものです。実にすばらしい。

中規模以上で中華レストラン等和食以外のレストランが入っているホテルや雑貨・食材・繊維等の貿易商、中華レストラン、旅行代理店等外国人労働者を雇用している企業との提携や顧問就任も有力ですし、世話役的社員と友達になるのも有力です。

広告宣伝方法としては、入管専用の事務所ニュースの郵送や挨拶回り、タウンページ広告や街路電柱等の屋外広告も場所によっては効果的です。

また、100程度ある在日の中国人向け新聞・雑誌との関係を深め協力関係をつくるのも有力です。広告を定期的に出したり、無料相談会を新聞社主催でする提案をしたり、「入管Q&A」等の連載記事の原稿を無料でいいから書いて掲載してもらったりと、いろいろアプローチのしかたはあるものです。地域限定のミニコミ紙だってバカにできません。一人の人間の経験や人脈を軽視してはいけません。

私の場合、以前、「東方時報」という新聞社に「入管法Q&A」の連載をボランティアでしたり、韓国大使館で研修会を開催したり、留学生と日本研究講座を定期的に開催したり、いろいろ経験しました。

みなさんも、仲間とアイディアを出しあって仲間数名と実行してみてはいかがでしょうか。

ポイントは、一過性・単発の商売ではなく、10年後、20年後のネットワークも考えた上での仲間づくりであり、友達の輪づくりのつもりで仕事をすることです。喜ばれ、信頼されるエキスパートになって欲しいと思います。

参考 最低、以下の基礎知識は持っておくべきです。

なお、中国理解の入門書としては「中国のことがマンガで3時間マスターできる本」(明日香出版社、1300円)、基本的な実務書としては「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(明日香出版社)がお勧めです。

「中国ビジネス情報交換の広場」「中国・上海便利リンク集」 、「駐在員ニュース」も参考に。


【中国の正式国名】

中華人民共和国。英語名は、People's Republic of China

【人口】

約12.6億(大陸本国の56民族の人口、ただし漢民族が92%で56民族の中にはチベット民族も含める)、その他香港・マカオには722万人、台湾と周辺諸島に2228万人、また、東南アジアを中心に海外華僑が2157万人いる。

人口増加率は0.9%で、2050年までには20億人を突破するものと予想されている。なんとUSAの人口の10倍になってしまう。日本の20倍である。   

【面積】

959万ku。この面積は、台湾の面積も含めたもの。日本の約26倍。アラスカを含めたUSAとほぼ同程度の面積で産業有効面積もUSAと同程度。

【失業率】

 3%

【インフレ率】

 1990年の物価を100として134

【対外債務残高】

 56.8bil.$

【外貨準備高】

 37.3bil.$

【産業構造】 

 農業 21% 工業 47.3% サービス産業 31.7%

【GDP】 

89.404億元(1元=15円。ちなみに1990年では1元=30円で、1$=200円だった。この1990年当時の為替レートに復帰すればそれだけでも日本経済は復活する)

ここで最も重要な点は、GDPの約50%を外資系企業が生み出しているということなんです。この割合は上昇傾向にあり、5年後には60%を超えると予想されている点です。

つまり、純粋な中国企業のGDPと外資系企業のGDPが中国のGDPを二分しているという点なんです。外資系企業の華僑資本を別格にすれば、中国企業(国営企業も含めて)、華僑資本系企業、その他の外資系企業でGDPを三分していることになります。

いわば、中国経済三国史時代に突入していると把握できないことはないわけです。

国際ビジネス法務や渉外法務もこの点を重視する必要があります。純粋の中国企業や華僑資本系企業と取引するだけが中国ビジネス法務ではありません。この点についても後日、もう少し詳しく説明したいと思っています。

【一人当たりGDP】

$850(年10万円程度)。ただし、外資系企業で働くホワイトカラー(中国では白襟族と呼んでいる)の年収は、平均で300万円程度になっているともいわれている。白襟族や官僚、新興ビジネスマン等のエリート階級が全体の3%としても、3600万人存在していることになる点に注目したい。

【経済成長率】

 2000年の実質成長率が前年比で8%

【日本の対中輸出額】

 2000年度で、304.4億ドル
 前年比で30.4%の伸び率であった。

【日本の対中輸入額】

 2000年度で、553.4億ドル
 前年比で29.1%の伸び率

【日中貿易輸出入収支】

 2000年度で、249億ドルの赤字

【日本の対中直接投資契約件数】

 2000年度は、1614件で、前年比38.3%の増加率

【日本の対中直接投資契約認可額】

 2000年度で、36.8億ドル。前年比42.1%の増加率。

以上が2000年度の中国の統計数値となっています。まさに大躍進を続ける新生中国という状況にあります。

また、2002年8月13日付け日経新聞の朝刊1面及び6面に、アジア各国・地域の品目別世界生産量シェアの調査報告が掲載されていますので、図書館にある縮刷版で中国・韓国・台湾等の品目別生産量シェアも確認しておいてください。

ちなみに、中国のDVDプレーヤーのシェアは1999年から2002年に15.9%から54.1%へと3倍以上に急拡大しており、携帯電話も9.5%から27.8%に上昇する見とおしで、いずれも世界一となっています。また、ノート型パソコンも、0.1%から11.7%に上昇しており、台湾や日本を急追しています。

1970年代の中国を考えると全く違った国のようにも見えます。ここまで中国が変化した原因はなんだったんでしょうか。

ヒントは、小説に「大地の子」(文春文庫、山崎豊子著)というきわめて良質なテキストに書かれてあるように思われます。その話は別の機会にしたいと思っています。

 中国は人脈

(2001.2.22.メッセージ番号405..)

Q-26. 営業(3) 国際法務で韓国を専門とする場合の要点(韓国人とつきあう方法)。

今年は、日・韓友好促進の絶好のチャンスですね。外交的にもアメリカの視線を気にせず、正々堂々と仲良くできるようになります。

テレビで放映された日韓共同製作ドラマ「フレンズ」は、韓国でも放送され、ワールド・カップ前のムードづくりとしては、いい企画でした。

韓国人を対象とする営業でも国際ビジネスの交渉でもそうですが、型通りのやり方では通用しません。韓国人を理解した上での営業なり交渉でなければ成功しません。

韓国人を理解することは、日韓友好のポイントと共通します。

日本人サイドについて言えば、韓国人の伝統的というか遺伝的民族意識や社会構造、宗教意識等に関する両国民の意識の差をできるかぎり理解することだと思います(中国人と韓国人に対する理解のし方は異なりますので、その点にも留意する必要があります)。

特に、「韓国人の民族意識」を理解することは極めて重要なキー・ポイントであると思います。民族意識というのは、遺伝的歴史観といってもいいかもしれません。

若干、敷衍してみることにしましょう。先日、天皇陛下が、「桓武天皇の生母が百済人であった」ことを、報道陣を前に、スピーチで述べられていましたが、概ね、大化改新前後200年の日本文化は韓国文化だったということは歴史的事実です。

このことは、特に国際法務に関わる専門家はしっかりと再認識する必要があると思います。

この大化改新前後約200年間の前半期は、百済系の影響が強く、後半期は新羅系の影響が強かったようです。

現在の大韓民国の地図で見ると、百済国は金大中大統領の出身地「全羅南道」で、新羅国というのは、金泳三前大統領の出身地「慶州北道」の領域にあたります。

当時の先進国三韓のエリート集団、百済貴族・新羅貴族が、日本の朝廷顧問団的存在から、しだいに皇族と姻戚関係を持つようになっていったことは容易に想像がつきますし、事実、記録も残っているようです。

天皇陛下のいうとおり、桓武天皇が日本人と百済人のハーフだったわけですし、さらに、桓武平氏の末裔は、平安末期、平清盛の時代に皇族と姻戚関係を持ったわけですから、平家一族の末裔は日韓両国の絆を象徴する存在になりそうですね。そういう意味で、平家一族の末裔が多い福岡県等九州北部各県や民団関係者は、日韓友好のパイプ役として適役です。

話を民族意識にもどします。

軍事や経済はともかくとして、文化については日本は韓国の教え子といえます。韓国人からすれば、例えば豊臣秀吉が歴史的文化的裏切り者のように感じてしまうというのも無理からぬことだと思います。師匠に反逆した弟子のようなに感じているはずです。

そういう「礼」や「信」を国際関係においてすら軽んずるという精神的野蛮人の行為、裏切り行為を今後は一切しないという強い反省と明確な意思表示、これを求めているのが韓国なのではないでしょうか。

日本は、インド・中国文化・技術を韓国の媒介により移転・移植したわけです。はっきり言えば、韓国文化・技術を移転・移植してきたわけです。

韓国人の民族意識とプライドを理解し、その上で、こちらも主張することは主張し、是々非々の議論をするべきだと思います。韓国人との交渉代理をする専門家たちは、特にそういう姿勢が必要で、互恵の原則で未来を見据えた「友達の輪」をつくるにしても必要不可欠なポイントであろうと思います。

そして、韓国人の遺伝的精神、儒教(朱子学)の精神は、今でも濃厚に残っています。いや、アジア人の精神的文化遺産を保存・維持してくれているというべきでしようか。韓国では、キリスト教徒も非常に多いんですが、しかし、プロテスタントが圧倒的多数ですね。プロテスタンティズムには、儒教と本質的に近い体質・発想があるようです。この点、要研究かもしれません。

ちなみに「輪」というのは、古代において「部族国家連合」を意味していた時期があるそうで、「輪」は本州にも拡大して「大輪」となり、いつしか「大和(ヤマト)」となったという有力説があるそうです。

よく考えてみれば、明治近代国家誕生までは、国内300諸国でも、また国際間においても国境線というのも明確なものではなかったですね。

 

 参考  韓国Web六法

(200.2.15.基礎法務会計研MLメッセージ番号90.)

 

Q-27. 入管法実務の学び方。


法務省のホームページの左側「検索」の「法務省紹介」をクリックし、さらに「入国管理局フロントページ」をクリックすると、「入国・在留・登録Q&A」や「出入国管理関係法令等」のコーナーに入れますから、そこで「ビザとは何か」などの基礎知識は学べますし、申請取次行政書士の研修に参加すれば基本的な知識はマスターできます。

しかし、体系的入門書も必読で「やさしい入管法」(有斐閣リブレ)で体系的基礎知識を習得し、各制度理解のため入門書「入管法Q&A」(三協法規出版)を読むことをお勧めします。

実務図書としては、在留資格の該当範囲、許可基準、立証資料が一覧になっている大変便利な「ひと目でわかる外国人の入国・在留案内」(日本加除出版社)、理由書のサンプル゛豊富で実践的な「外国人就労研修資格申請の手引き」(日本加除出版社)、主要な外国人問題を網羅的に取り上げ簡潔に解説している「外国人よろず相談/事例と回答120」(日本加除出版社)、在留特別許可や労災問題、行政事件訴訟まで解説してある「Q&A外国人のための法律ガイド」(明石書店)、初心者向けに豊富な図解で解説している「図解入国・在留手続マニュアル」(第一法規出版)、それから2001年6月5日に新刊された「外国人の法律相談チェックマニュアル」(明石書店)などがお勧めです。できれば全部持っていたいですね。

「出入国管理・外国人登録実務六法」(日本加除出版社)は必携です。判例等の先例や様式も掲載されています。

外国人問題関連の判例サイト黒田総合事務所のホームページも貴重な情報源になります。

「外国人の入国・在留関係諸申請書式及び記載例集」(財団法人入管協会)も用意しておくといいでしょう。もっとも、書式や添付書類一覧などは入管のインフォメーション・カウンター等でも無料配布していますので、必ずしも必要というわけではありません。

情報誌としては、月刊「国際人流」(入管協会)をお勧めします。最新の情報が入手できます。

 参考サイト 

難民認定については、現在わが国では年間20名から30名程度しか認定しておりませんが、今後は増やして行く方針のようです。

また、2002年7月には、政府・自民が「難民申請期間」を現在の3倍に延長の基本方針案をまとめており、申請期間を入国後60日以内から180日以内に延長するとしています。

過去2年間における難民認定申請件数は、2000年度216件、2001年度353件。認定件数は、2000年度22件。2001年度24件で、認定の割合は約14%。ただし、認定しない場合でも、在留資格「特定活動」を許可しているケースが増えてきています。

アメリカの認定件数は約20,000名。イギリスは、約13,000名。ドイツが約10,000名となっています。

難民認定手続に関与しない予定の方でも、国際法務専門行政書士を目指すなら、世界人権宣言及び「難民の地位に関する条約」を一度読んでおいていただきたいと思います。さらに、積極的に難民問題に取り組もうとするのであれば、アムネスティ・インターナショナル日本支部に入会するのも一つの方法かもしれません。

ちなみに、朝日新聞(2002.8.26)によれば、難民条約に基づく政府認定を受けられず、かつ異議申立てをして却下された外国人について国連難民高等弁務官事務所(日本・韓国地域事務所)が独自に審査したところ、難民に当たると判断できたケースが過去4年間に約30名いたことが判明しています。ただ、この場合、つまり、難民高等弁務官事務所の判断と政府の判断が異なった場合は、政府は当該外国人の強制送還はしていないとのことです。

 わが国の難民問題

難民認定手続に関する図書としては、「日本における難民の保護」(日本評論社)がお勧めです。申請書の雛型も掲載されていますし、英文解説もあります。

以下は参考サイトです。

日弁連の「難民条約に関する宣言」

「難民条約発効より20年―改めて日本の難民政策を考える」     

さらに、学術的に入管法を専門的に学びたい方、あるいは憲法学的視点で入管法を学んでみたいという方には、「外国人と法」(萩野芳夫博士著、明石書店)、社会学的視点から学ぶのには「外国人労働者定住への道」(駒井洋著、明石書店)が最適です。

最後に、新人の方で国際法務専門行政書士をイメージしたいのなら、行政書士辰巳事務所など国際法務専門の方たちのホームページを探して参考にするとよいでしょう。

追伸 新人のうちは疑問点は入管のインフォメーションに電話を入れ、確認しながら仕事をした方がいいかもしれません。もちろん、行政書士であることを名乗る必要はありません。依頼者の友人として質問すればいいと思います。

(2001.2.22.メッセージ番号407.)

Q-28. 行政書士の件別基準報酬額表について。

行政書士が平成13年3月まで使用していた単位会交付の件別基準報酬額表は、行政書士法改正により平成13年4月1日から使用できなくなりました。

各行政書士は日行連で作成・公表した「統計」を参考にしつつ、会員独自で件別基準報酬額表を作成し事務所に掲示しなくてはならなくなりました。

平成13年3月まで、どのような「件別基準報酬額表」を使用していたのか、参考に見てみたいという方は、私の著書「行政書士」(日経文庫)の145頁から147頁に掲載しておきましたので図書館等で参照してみてください。

ただし、掲載したものは平成7年度のもので、表示金額が最新の平成12年のものよりも多少低くなっていますが、契約実態の平均としては、当時も現在も平成7年の表示金額よりも低くなっていますから、かえって平成7年のものの方が参考になりそうです。実態を忠実に反映していたものであれば、最新のものの方が参考になりますが。

ところで、件別基準報酬額表がどれほど有効なものかといいますと、私はほとんど意味はないと思っています。結局は、ケースバイケースだと思います。

特に、国際法務専門でやっている方なんかだと、入管関係や国籍関係は別として、件別報酬額の基準などほとんど意味がないと思います。国際ビジネス法務では、ほとんどのケースでタイムチャージでないと採算がとれなくなるのではないでしょうか。

国内法務でも、件別報酬額の基準を設定しても、依頼案件ごとに条件がかなり違ってきます。

会社設立の場合でも、資本金1憶で取締役数20人、支店5ヶ所となる会社設立の報酬はどうするのか、という問題もでてきます。外資系の会社設立の場合もあれば、海外投資で大連に合弁会社を設立するなんていう場合もあります。インターネット上で会社設立を設立するようなケースも外国にはあります。

入管手続の場合でも、遠隔地の依頼者の場合には、本人申請なり会社職員による代理申請をしてもらい行政書士による申請取次をしないケースも多々あります。この場合においても理由書だけ作文するというケースも多いわけです。

建設業の許可申請でも、手続を分解して依頼者側と行政書士で作業分担するケースも増えてきています。分解してその一部を行政書士が請け負うわけで、報酬は結果的には安くなりますが、しかし、行政書士側としては、安くしたわけではないですね。

会計業務もしかりで、会社側と行政書士側で作業分担してやるケースがかなり増えてきています。

そのかわり処理件数は増えますね。実質的に依頼者側が今までは補助者がやってきた作業を分担してくれるようになったわけですから、その分、他の処理に手が回るわけです。

ただし、車庫証明や自動車登録など定型業務 (容易で簡単な業務という意味ではありません) というか、定型パターン業務の場合には基準報酬額は必要だろうと思います。

地域差はありますが、例えば、1万2000円と2万5000円で合わせて37000円などのように決めておかないと、1日10件なりの大量受注するような方の場合には困ると思います。

ちなみに、私の報酬額は、原則として日当及びタイムチャージ制です。基本的には日当(1日6時間稼働とする)いくらか、ということを基礎に計算します。

ただし、以下の依頼案件については、ある程度の基準額(諸経費や調査・研究費等は除く)を設定しています。あくまでも、東京下町の私の事務所の基準だあるということで、一つのサンプルとして参考にしていただき、さらに調査・検討して独自の報酬体系をつくっていただければと思います。

株式会社設立 180,000円〜220,000円

有限会社設立 90,000円〜150,000円

建設業許可(個人) 100,000円〜120,000円

建設業許可(法人) 150,000円〜200,000円

宅建免許 100,000円〜150,000円

経営事項審査 30,000円〜50,000円

経営状況分析 20,000円〜40,000円

決算変更届 30,000円〜50,000円

風俗営業 100,000円以上で坪10,000円

内容証明 15,000円〜50,000円

告訴状 50,000円〜100,000円

帰化許可 150,000円〜250,000円

在留資格取得 100,000円〜200,000円

記帳代行 月額 30,000円以上

契約書作成(和文) 15,000円以上

契約書作成(英文) 50,000円以上

なお、公益法人設立、企業経営分析、経営戦略会議参加、知的財産権の評価や媒介業務、調査研究業務、立ち合い業務、補佐人・サポート業務等その他の業務は日当を基準にしています。

例えばですが、前年の年収が3600万円だとします。360日働いたとしますと、1日の日当は10万円。3時間5万円、1時間1万6000円ということになります。年収が7200万円なら、日当は20万円になります。あとは、同じ会社設立でも、規模が大きかったり依頼者が外国人であったり、いろいろなバリエーションがありますから、基本的日当に多少のプラスマイナスの幅をつけ、かつ相手の経済状態や経済的利益の程度をみて決めます。

参考図書としては、「弁護士の値段」(朝日新聞社、新書判、長野義孝監修、680円)がお勧めです。紛争解決事案以外の事件性のない一般的法律事務の手数料の算出方法が行政書士の手数料(報酬)に対応する部分ですので大変参考になると思います。

それから、「よくわかる弁護士の頼み方と費用」(新星出版社、神山裕輔監修、1500円)は、さらに具体的ケースごとの計算方法を示しています。

以上の図書や報酬額表を掲載している行政書士のホームページなどを参考にして、あとは各自で工夫し計算方法を創作してみてはいかがでしょうか。

できれば、各自の専門分野における各種手続をフローチャートで図表化し、その上に基準となる手数料や経費などを書き込んでおけば便利です。

参考 昭和60年の行政書士法改正においても報酬額に関する下記の規定が削除されています。

行政書士法10条の2第1項「行政書士は、その業務に関して、行政書士会の会則で定める額をこえて報酬を受けてはならない」という規定です。

この規定が削除されたことにより、行政書士会の会則で定める報酬額は「上限額」から「基準額」へと変わりました。そして、平成13年の改正行政書士法の施行によって、「会則で基準額を定める」ことも廃止することになりました。行政書士には、会則遵守義務もあるため、基準額といえども会則で定めた額に事実上会員は拘束されるので独禁法上問題になっていました。

(2001.2.22.メッセージ番号434.)

Q-29.  報酬の受取り方について。

建設業の新規許可申請手続の場合、ケースバイケースなのですが、私の場合は平均150,000円から200,000円程度の報酬をいただいています。

依頼者と委任契約を交わした段階で、経費と報酬の約半額を着手金として受領し、申請が受理された後、受理印のある副本をお渡しする時に報酬の残金をいただくようにしています。

相談料をいただいて、かつ申請手続代理業務を受任した場合には、申請代理業務報酬額から相談料を差し引いて、相談料はいただかなかったことにします。

相談料については、相談依頼の連絡があった段階で、相談は有料である旨通知しますが、依頼者の会社等に行政書士が出張して相談業務を行う場合には旅費交通費と日当が加算されます。建設業許可手続だけではなく、様々な分野の業務において、遠隔地での一泊二日程度の相談業務はままあります。

最近では、インターネット上で無料相談をされている方をよくみかけますが、ある友人行政書士のケースを紹介します。

彼の場合、回答内容はインターネット上で入手できる情報の範囲内で加工するにとどめ、よくある質問を30ケースほど抽出し、回答文例を事前に作成ファイル保存しています。実際の回答メールには、保存ファイルを張りつけアレンジして送信しているようです。

回答文例ファイルがあるので時間のロスがふせげ、かつインターネット無料相談がよい宣伝広告になって仕事に繋がるケースも少なくないようです。

ところで、会社設立手続、営業許可申請や各種届出、資金調達、事業計画アドバイス等「総合法務サービス」の場合は報酬も高額になります。一度に報酬の全額を支払うのは起業家にとって気の毒な場合があります。

そういうケースでは、事前に打ち合わせをして、2年間程度の顧問契約を締結し顧問料を毎月支払ってもらうか、あるいは数度の分割払いにするか決めておくとよいでしょう。

(2001.2.24.メッセージ番号561.)

Q-30. 建設業許可申請業務の学び方。

建設会社10社以上の得意先を持ち、継続的に建設業許可申請・更新・変更・経審等を取り扱っている行政書士であれば、「行政書士のための3日でわかる建設業許可申請業務」(法学書院)や「建設業の許可の手引」(大成出版社)、「建設業法令通達集」(大成出版社)、「建設業財務諸表・作り方の手引き」(大成出版社)、「建設業会計提要」(大成出版社)、「新しい建設業経営事項審査申請の手引」(大成出版社)、「やさしい公共工事入札の解説」(大成出版社)、そして都道府県が無料配布している「建設業許可申請・変更の手引」、「経営事項審査申請説明書」等は持っていると思います。

私は建設業関係の専門行政書士ではありませんが、以上の図書や資料は参考にしています。

正直なところ、まじめに繰り返し読んだのは最初に挙げた2冊だけでしたが、建設業法関係を専門にしないかぎり、あるいは特殊なケースに当たらない限り、この2冊だけでも十分、事務処理はできます。

実際の申請書類を参照したければ、都道府県で閲覧させてくれます。いずれにしても一度閲覧しておくとよいでしょう。将来、特定企業の調査をする場合、例えば、中高層ビル新築工事に関する近隣住民との協定のケースで、行政書士が近隣住民に依頼されて協定書案を作成したり、説明会に立合ったりする場合や信用調査などをする場合にも利用できますから。

初心者は、とりあえず法学書院の「3日でわかる・・・」を熟読して、都道府県配布の「・・・・の手引」で確認してください。

建設業界のアバウトな状況は、こちらのサイトで確認できます。

建設業許可の概要は、こちらのサイトを参照してください。

また、建設業許可申請等の電子申請に関する手続の流れは、電子申請推進コンソーシアムで確認しておいてください。

建設業関係業務を主力にしている行政書士のイメージアップには、小出事務所四本事務所原事務所のホームページが参考になると思います。

ちなみに小出事務所では、M&Aも取り扱っている点注目されます。

M&Aについては、下記のサイトも参考に。

http://www.smbc.co.jp/hojin/businessassist/ma/

(2001.2.25.メッセージ番号597.)

Q-31. 雇用行政書士について。

いわゆる雇用行政書士とは、企業が行政書士を従業員として雇用し、企業の名称で行政書士業務の広告宣伝をし、依頼を受け、かつ当該企業が報酬を受けて、雇用行政書士に対しては月給等の賃金を支払う行政書士業務の態様をいいますが、行政書士法は、この雇用行政書士を禁止しています。

行政書士法1条の2第1項は、「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て・・・」と規定していますが、主体は行政書士であって行政書士資格を保有し得ない法人は、行政書士法1条2第1項規定の業務に関しては、依頼を受けることも報酬を得ることも、したがって、企業の名称で広告宣伝をすることもできません。

雇用行政書士は、行政書士法19条第1項及び同法21条2号の規定で刑罰をもって禁止しており、行政書士施行規則4条においては、「行政書士は、その業務を他人に行わせてはならない」とも規定しています。

さらに、行政書士法8条第2項によって、行政書士は「事務所を2以上設けてはいけない」ことになっています。

以上のように、行政書士業務は行政書士法及び行政書士法施行規則によってその業務の商業化を厳しく制約しています。

ただし、行政書士の独占業務(1条の2)以外の非独占業務については行政書士以外の企業や個人が広告宣伝をし業として行うことは可能であり、かつ非独占業務については、例えば入力業務、ファイリング、調査業務、印刷業務等は行政書士事務所から人材派遣会社等へのアウトソーシングは可能と解されます。

しかし、行政書士は行政書士法12条及び同法22条第1項で厳格な守秘義務が課せられていますから、非独占業務のアウトソーシングであっても厳重な秘密保持契約を締結することは当然の責務といえます。また、依頼者に対する最終責任も行政書士が負うことになりますから秘密管理、品質管理、リスク管理にも十分配慮するべきでしょう。

(2001.2.25.メッセージ番号589..)

Q-32. 税務調査の立合いについて。

税務調査の立合いは、税理士の独占業務である税務代理の一種です。

税理士を雇わず自社で会計処理し確定申告等をしている企業もあり、そのような企業の場合には、税務調査においても税理士の立合いなしで独自に対応しているようです。

現在のような悪性の長期不況下においては、中小企業の多くが赤字となっており、会計や税務を独自に処理するケースが増えて来ているのは事実です。

ところで、行政書士が企業の会計業務を担当する場合には、通常、税理士と業務提携していることがほとんどで、税務調査の立合いは税理士が行い、行政書士は社長の会計担当補佐人として、あるいは税理士の補佐人として税務調査に同席することが多いようです。私もそのようにしています。税務会計のプロである税理士と業務提携し個人的にお付き合いしますと、実に多くのことが学べます。時間はかかりますが、お互いに信頼し尊敬できる生涯の業務パートナーをぜひ探してください。

税務調査のケース以外においても、行政書士が本人の補佐人ないししサポーターとして活動する局面は少なくありません。

(2001.2.25.メッセージ番号587)

Q-33. 求められる行政書士の資質について。

Q-31.で述べたように、行政書士業務の商業化は行政書士法及び行政書士法施行規則によって厳しく制約されています。

行政書士の独占業務については、会社の目的とすることもできませんし、雇用行政書士も禁止されていますから、行政書士の独占業務は商法上の商行為には該当せず(収入印紙税法でもそのように理解し免税している)、したがって行政書士は商人ではない、ということがいえると思います。

そもそも、行政書士になって年収1憶、2憶のお金持ちになろう、などと思っている人はいないと思います。お金持ちになることが目的であれば、会社を設立してベンチャービジネスを始めるのが普通です。

しかし、行政書士になった動機が、たとえ社会貢献や社会正義の実現、あるいは法律家としての自己実現等であるとしても、一面では起業家であり個人事業主であるということもやはり事実なわけです。家族を養い、人並みの幸せを実現することも、また万人の当然の権利といえます。

そこで、行政書士に求められる特有の基本的素養は何かを考えます。

私は、第一に、法律実務のゼネラリストとして、豊かな人間性と人生・人間関係におけるバランス感覚をあげたいと思います。

第二に、法律実務のエキスパートとしては、専門分野での理論研究やその応用・実践に必要な、情報処理能力、推理力、イマジネーション、論理的思考力をあげることができると思います。

しかし、一番大切なものは「人間性」あるいは「人柄」だと思います。「表裏なく、相手の痛みのわかる、明るい性格の法律家」ということでしょうか。

(2001.2.27.メッセージ番号661.)

Q-34. 刑法と行政書士について。

行政書士の独占業務を規定している行政書士法1条の2は、同法19条及び21条2号の存在により、刑罰規定、特別刑法としての性格も有することになります。弁護士法72条、同法74条、77条、79条等も同様、特別刑法としての性格を有しています。

いわゆる行政書士にとっての業際問題は、弁護士法、司法書士法等他士業法で規定している取締り規定・特別刑法の基本的構成要件に該当する行為(実行行為)を明確化することであり、一方、行政書士以外の者に対する取締り規定である行政書士法1条の2が、処罰の対象とする実行行為は何かを明確化することでもあるわけです。

憲法及び刑法の大原則である「罪刑法定主義」は、ある行為が処罰の対象となるかどうかを予め法定することを内容としています。

つまり、憲法及び刑法は、犯罪と非犯罪を明確に区別することを要請しているわけです。

したがって、犯罪構成要件(実行行為)は、誰でもが理解できる明確なものでなければならず、同時に、構成要件的結果発生の極限状態に達する行為のみが処罰の対象となる実行行為であると解すべきです。

我々は、上記の憲法的刑法的観点から、すなわち罪刑法定主義の大原則と人権感覚から、いわゆる業際問題と行政書士法改正問題を考える必要があり、法律家を名乗る行政書士である以上、業際問題や行政書士法改正問題を単なる、「士業間の縄張り争い」と矮小化して見るべきではないと思っています。

また、刑法を学ばずして告訴・告発状の作成業務はできるものではありません。交通事故処理業務においても当然、刑法や刑事訴訟法も問題となってくるわけです。

さらに、予防法務という立場からも、企業内犯罪の予防法務あるいは企業の対外的犯罪予防を検討する上でも必要不可欠なことだと思っています。

山口厚著刑法総論」は、初心者にお勧めの名著です。

実務書としては、「告訴状・告発状モデル文例集」(新日本法規)が大変便利で、かつ刑法を学習する際の実践的な参考資料にもなります。

本格的に刑法を学習したいという方には、「刑法総論講義」「刑法各論講義」(前田雅英著、東京大学出版会)と「最新重要判例250刑法」(前田雅英解説、弘文堂)をお勧めします。

(2001.2.27.メッセージ番号669.)

Q-35. 知的財産権と行政書士について(2)。

特許庁から知的財産権の初心者用テキストが公表されています。

土地、建物といった不動産や自動車、船舶といった動産のほか、知的財産のような無形資産も契約の客体となるわけですから、契約実務のエキスパートとしては、各種客体の内容・特徴についても理解しておきたいと思います。

このテキストの第4章第5節の「特許流通」は、知的財産権の媒介や契約実務に直結する部分です。もちろん、知的財産である著作権や種苗、営業秘密に関する契約実務にも応用できる基本事項ですから、よく理解しておきたいと思います。

また、不法行為による知的財産権の侵害に対する処理についても、交通事故処理の方法論と共通する点が多々あると思っています。

さらに、知的財産については、

担保価値としての評価。
相続財産としての評価。
資本金の現物出資としての評価。
M&Aの際の知的財産の評価。
知的財産の譲渡の際の評価。
現在米国で実施されている証券化のための評価。
知的財産権侵害の損害額算定のための試算又は評価。
ライセンス契約締結の際のロイヤリティー決定のための試算又は評価。

というような問題もあります。
こちらの研究も進めてまいりましょう。

知的財産鑑定士のような業務ですが。

行政書士は弁護士と同様、契約実務ができるという強みもあり、刑罰によって担保された守秘義務と事実証明書類作成権限がありますから、国際ビジネス法務にはうってつけです。

知的財産権の中での行政書士の専管事項は、著作権種苗、営業秘密(トレード・シークレット)ということになりますが、「調査・媒介、契約、評価」の業務は、出願や登録の手続ではありませんから、知的財産全部を対象にできますね。

著作権契約実務の実務書としては、「デジタル時代の著作権ビジネス契約実務マニュアル」(インプレス)がお勧めです。契約書式集のCD・ROMのおまけつきの本です。

知的財産権も財産であり、譲渡等の契約の対象になります。譲渡契約やライセンス契約、質権設定契約等の契約実務は近年増加傾向にありますし、有力な国際ビジネス法務の分野にもなっています。

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行政書士試験MLでの質問(2002.9.7メッセージ番号1443.)。

> すみません、ここでひとつ疑問があります。
> 契約と担保契約は想像付くのですが、
> 「質権設定」とは、どのようにするのでしょうか。
> 「質権」は「要物契約」ですよね。
> 引渡しの可能なものに設定できると覚えているのですが、
> 知的財産は引き渡し可能なのでしょうか?
> ふっと思った疑問です。
> 的外れでしたらすみません。

回答。

答えを一言でいえば、民法362条、363条があります。と、いうことになります。

でも、実務的には、例えば特許の質権設定契約についてであれば、特許法95条、96条、98条1項3号、27条1項3号、127条などの関連条文が直接的な根拠条文になります。

ただし、内田貴先生の「民法」ではありませんが、実務の世界へ「もう一歩前へ」進みますと、現場での担保契約では、質権設定契約が約40%、譲渡担保や買戻し特約付き譲渡による特許権の移転登録が約60%の割合で利用されています。

どうしてかというと、後者の方が簡単で安くつき効果的なんですね。

そこで、「質権設定契約等」と説明したわけです。また、質権設定契約の方が受験生や新人にはなじみがあると思ったからなんです。

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ちなみに、2002年3月1日に改正弁理士法4条3項が施行されました(改正弁理士法附則1条2号)。この4条3項には、知的財産権に関する「契約の締結の代理若しくは媒介又は相談」が弁理士業務として規定されており新たな業務として追加されました。

しかし、弁理士の独占業務規定である改正弁理士法75条には、4条3項が除外されており、知的財産権に関する契約実務は非独占業務となっています。

したがって、この分野での契約書類作成に関する業務は、弁護士、弁理士、行政書士の共管事項となっています。

 

知的財産権基礎講座

知的財産権に関する判例サイト

知的財産権判決速報


(2002.8.22.メッセージ番号12498.12500.12511.) 

Q-36. 自治法務と行政書士について。

憲法の応用編として、兼子仁東京都立大学名誉教授著「新地方自治法」(岩波新書)、「自治体・住民の法律入門」(岩波新書)「行政手続法」(岩波新書)は、すべての行政書士に読んでいただきたい三部作です。特に、「自治体・住民の法律入門」は、行政書士のために書かれた本と言っても過言ではないと思います。

この三冊を読むことにより、21世紀の日本の国のかたち、自治体における政治・行政の未来の姿、そして行政書士の地域社会での貢献のあり方などが、みなさんにも見えてくるはずです。

日本の国のかたちは、国防・外交を除けば、確実に「地方政府・自治体」の連合国家のようになってくると思います。

政党政治も地域政党主導、税制も地方税制主導、財政も地方財政主導、行政も自治体行政主導になってくると思います。

国の場合とは違い、自治体における行政・政治は、地方自治法により住民の意思を強く反映することができるシステムになっていますから、地域住民の手で自治体政府を独自のものにつくりあげることができるわけです。地域住民のオピニオン・リーダーでもある行政書士が、憲法の精神をもって積極果敢に自治体法制度改革に取り組んでゆけば、行財政改革や教育制度のみならず、行政書士制度さえも地域性に応じて変容させてゆくことも不可能ではありません。

また、行政書士が地域住民のリーダーとして、以下のような活動を通して地域社会に貢献することもできるはずです。

1. 行政書士が自治体の外部監査委員や各種諮問会議委員に就任して行財政改革や地域経済の活性化する。

2. 自治体の憲法である自治体憲章(基本条例)案や住民投票条例等各種条例案を地域住民とともに起草する。

3. 自治体の公共サービス業務をNPO法人等に媒介・斡旋する。

4. 自治体の準司法機関としての行政A.D.Rを設立し、他士業者とともに仲裁委員をする。

5. 行政書士グループによる市民オンブズマン活動。

6. 行政に対する住民の苦情を住民の立場に立って処理する常設の窓口を設置する。

7. インターネットを活用して、「e-市民会議場」や「e-市民による政策委員会」等のホームページやMLを主催する。

参考図書 「お役所とのトラブル解決法」(自由国民社)、「よくわかる行政不服申立てのしくみ」(学陽書房)

「はやわかり行政手続法」(学陽書房)

●行政手続法についてのコメント。

上記の「はやわかり行政手続法」は、平成6年10月1日施行の行政手続法をわかりやすく解説しており、「行政手続法」(岩波新書)とともに行政書士必読の書といえます。

行政書士は、行政手続法を行政書士法第1条と連動して読むべきで、行政手続法は、処分前の事件性のない事前手続の制度であることを考え、本法を行政書士が担うへき手続法として認識することが強く求められます。

行政手続法は、3つの柱で構成されています。

1. 許認可等の申請に対する処理の手続

2. 営業許可の停止や取消しといった処分の手続

3. 行政指導の手続

「行政手続法」(岩波新書)で兼子博士が指摘しているとおり、わが国の行政手続法は、3.の「行政指導」に関する制度を柱としている点に特徴があり、博士の著書とこの「はやわかり行政手続法」をあわせて読むことによって国民又は企業の行政指導に対する対策、対処がわかりやすく理解できると思います。

ただし、公権力による規制にも経済的規制と社会的規制があるように、それに対応して行政指導にも2種類あるということを理解しておく必要があると思います。

特に、住民の生活環境や健康、安全のための規制 (規制立法/法令・例規)、そして、その規制に基づく行政指導(指導要綱等も含めて)は、住民にとって、憲法13条を実現するための裁判外での有力な又は唯一の手段になる場合もあります。

具体例としては、騒音、悪臭、振動等の公害問題や電波、日照権侵害問題、薬害問題、自然等環境破壊問題、動物虐待問題等があげられると思います。

広く、環境問題や生存権侵害、生活権侵害、動物保護問題に関わる事案での行政指導にも着目しなければいけません。

行政指導にも助成的行政指導、調整的行政指導、規制的行政指導とあり、指導を受ける者に利益となる場合もあれば不利益となる場合あるわけで、ケースバイケースであるとの理解が必要です。時には、行政指導を役所に強く促し、住民の味方・武器にしなければならない局面のあることにも注意を払いたいと思います。

行政書士試験ML(2002.9.8.メッセージ番号1459.)

> さて、今回は、行政手続法に関する問題です。
>
> 行政指導に関する次の記述の正誤を答えよ。
>
> ア、行政指導が口頭でされた場合には、その相手方から
>   行政指導の趣旨や内容について記載した書面の交付を
>   求められた場合には、当該行政指導に携わる者は、
>   行政上特別の支障がない限り当該書面を交付しなければならない。


この部分、実務的にも大切なところなのでコメントさせてください。

書面交付の要求をしても交付されない場合の対処法です。もし、違法の疑いのある行政指導によって後日、申請者に損害が発生したような場合、国家賠償請求をする可能性もあるのでその準備を含めて対策を講じておく必要があります。

私の場合、「依頼者に正確に伝達したいので指導内容をメモしますので、メモの内容を確認してください」と、言って、年月日、申請案件のタイトル、指導内容、指導した担当者の氏名をメモにして担当官に見せ確認してもらっています。
確認後、「年月日何時何分に担当官に本書面を提示して指導内容の確認をとった。行政書士清宮寿朗」
と、末尾に記載して保存し、コピーを申請者本人に交付するようにしています。

このような方式で、担当官によって文書の交付が拒否された場合でも、代理人たる行政書士としては、自主的に文書化するようにしましょう。

以上は、以前、朝日新聞社の取材に対してコメントした内容で、その記事は、平成11年10月1日付朝日新聞の「主張・解説/「公正・透明な行政」道半ば」というところの「指導の文書化、徐々に。さらに民意くむ制度を」という個所で紹介されています。

図書館の縮刷版で読めますので一度ご覧になってみてください。

●参考提言 「地方分権推進とIT推進」について(e-国会での提言)

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2000年4月に施行された新地方自治法の改正内容を簡単に言えば、「自治体が国の出先機関から脱皮し、ミニ国家としての法的基盤が整った」ものと言えます。
 とはいえ、自治体が名実共にミニ国家として機能するためには、いくつかの課題が残っています。
 例えば、第一に、地方財政の団体自治と住民自治の問題。すなわち税源移譲問題や地方交付金・補助金制度の改革、ないし抜本的税制改革のビジョンづくりです。
 第二は、行政サービスにおける国と都道府県、市区町村の役割分担の見直しです。さらには、行政サービス業務の民営化やNPO等へのアウトソーシングの問題が関わってきます。
 第三は、仮に、将来の国が、外交・国防のみを担当するとしたら、市区町村合併のように都道府県も10程度に合併させる必要がでてくるかもしれません。そうなりますと、国は、10程度の都道府県による広域自治体連合国家のようになりそうです。また、市区町村の基礎自治体もミニ国家(ミニ公国)に変容して、そのミニ国家連合自治政府が都道府県自治体政府になってゆきそうです。まさに、いま、未来の国のかたちが問われています。
 第四は、広域自治体政府、基礎自治体政府双方における人材の発掘ないし活用をどのように図るかという問題です。

 長くなりますので、ここまでとしますが、以上のような「国のかたちの変容の可能性と速度」及び「普通の市民が活躍する舞台の広がり」は、「IT推進の速度」に比例し、三位一体のものであると考えています。

 未来ビジョンの議論の方向性としては、国のかたちを基本から設計し直すという視点が不可欠であり、その議論は広範な個別的論点を経るとしても、結局のところ、基本設計フログラムたる憲法改正に至るのは必然なことと思います。


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●参考メッセージ 「首相公選制度について」(開業MLメッセージ番号788.)

> 長嶋巨人軍名誉監督がその選挙で立候補したら、あっさり首相になりそうです。
> 支持率はすごいでしょうね。

現憲法のままで国民投票法を制定し、その国民投票制度を利用して首相公選をしようとすれば、あくまでも諮問型国民投票制度ということになり、首相公選の予備選挙のようなものになると思います。

首相本選挙(首相指名選挙)は、国会議員の中からの立候補者(推薦30名)を対象に行われますから、国会議員ではない長嶋さんが、たとえ国民投票による予備的首相公選でトップになっても本選挙ではダメということになります。

仮に、長嶋名誉監督が予備的首相公選前に国会議員になっていたとしても、予備的首相公選はあくまでも諮問型国民投票ですから、国会を法的に拘束しないわけです。憲法改正せず、首相公選制度を実施しようとすれば、こんな感じになるわけです。

しかし、国民の意思が国会に多大な影響を及ぼすことはまちがいありません。国民の選んだ人以外の方が、国会で首相に指名されたとしても、その内閣の一員として重要閣僚のポスト、場合によっては副首相に就任するという慣例が成立する可能性もあります。また、予備的首相公選でトップになった方が国会議員であれば、当然、国会での本選挙で首相に指名される可能性も高いわけです。

国民投票制度を活用しての予備的首相公選制度の意義はやはり絶大であり、現憲法下においても可能で有効な制度であるといえます。

自治体の首長はすでに大統領型ですが、自治体経営にとって重要な政策を決定する場合にも住民の意思を直接問う制度が今後は必要であろうと思います。長野県の知事と議会の対立はもちろん健全な姿なのですが、どこかで柔軟に住民投票をして決着をつけるという方法も必要ではないでしょうか。国民投票制度の自治体版である「諮問型住民投票制度」はすでに存在しています。沖縄県の住民投票条例が全国では最初のものだと思いますが、こういう諮問型住民投票制度は全国的に普及していいと思っていますし、国民投票法制定の検討もするべき時期にきているのではないでしょうか。

論点はズレますが、自治体が条例で制度化した「市民オンブズマン制度」も川崎市などに存在しています。

このように、自治体から新しい制度が生まれてくることの意義は極めて大きく、自治体住民の意識によっては三重県や福岡市のように大きく自治体を変革させることができるという証ではないでしょうか。

> よく、知事は大統領と同じといいますが。

自治体では、権力分立(三権分立ではない)は機能しやすいと思います。

例えば東京都の場合です。知事選前の東京都議会では、自民党が圧倒的に強かったわけです。しかし、知事選では自民党・公明党推薦の方は当選できませんでした。もし、自治体でも国のように議院内閣制を採用していたならば、自民・公明推薦の方があっさり知事に当選していたわけで、そもそも都議会議員でもなかった石原慎太郎さんが知事になることはありえませんでした。

国レベルでは議院内閣制ですから、実質的には権力分立が機能していないというのが現実です。良し悪しは別にしても、政治部門(立法・行政)は実質的には自民党独裁といえます。権力分立といえば、せいぜい、司法府と行政立法府の二権分立というところでしょうか。

●「自治体法務とは」

自治体法務は、マクロ的に言えば、自治体組織と自治体事業を経営学的に分析し、顧客志向、すなわち納税者・有権者・生活者住民の立場に立った法制度改革を実現することを目的とするものです。具体的には、そのための法務戦略や改革実行のための方法論を開発することを内容としています。

ミクロ的には、従来は機関委任事務がありましたから(都道府県の事務の80%は機関委任事務で実質、国の下請け機関でした)、自治体でありならも機関委任事務遂行のため国法を国の指導を受けながら解釈し運用するというのが自治体法務の中心でした。

しかし、これからは機関委任事務がなくなり、法定受託事務についても自治体独自の条例制定化が急務となっていますので、今後の自治体法務は国の指導を受けながらの国法解釈論と自治体運営、という発想ではなく、自治体独自の制度開発、自治体立法政策論に自治体法務の中心が移ってゆくことは間違いありません。

また、地方財政危機論だけの観点からみても、自治体独自の制度開発、自治体立法政策論に、これからは普通の市民もどんどん参加して行かざるをえない状況にあります。ある意味では、住民参加の絶好のチャンスであるとも言えます。そこに、市民のニュー・リーダーとして行政書士がどのように関わり、どれだけの活躍ができるか。多くの人が注視しているところだと思います。

行政評価を考える

分権社会における自治体法務

さっぽろ自治体法務パーク

 

> 1. 「住民基本台帳ネットワークシステム」に関する住民基本台帳法改正の趣旨は。

http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/rpo/juki-net_top.htm


> 2. 市町村合併推進の目標自治体数とその合併推進の趣旨は。
 
政府は「行政改革大綱(2000.12.1閣議決定)」で「2005年までに市町村合併後の自治体数を1000」にする
という数値目標を設定 

http://www.soumu.go.jp/gapei/d2.html

http://www.soumu.go.jp/gapei/index.html

道州制導入問題とは。

http://members.jcom.home.ne.jp/dosyu/do.html

外形標準課税とは。

http://www.jabra.or.jp/jabranews/070/070_11.htm

(2001.2.28.メッセージ番号736.788.)

Q-37. コーヒー・ブレイク。 コピー機の思い出。

行政書士開業MLで、久しぶりに若い新人諸君と交流することができよかったと思っています。16年前の開業当時のことが走馬燈のように思い出されます。

当時は知り合いの行政書士も少なく、独立独歩、一人で、仕事から仕事へ、役所から役所へと、ひたすら走り回っていたような気がします。決して、苦しいとか大変とかいうことはなく、かえって日々、未知の人と出会うことや、あらたな仕事をこなすことが楽しくもあり、新人ながら、豊かな生活とは言えませんでしたが充実した人生を歩み始めていたように思います。

今、開業MLでコピーのことが話題になっていますが、開業当時、昭和62年(1987年)、コピーのためにコンビニと自宅を往復していたことを思い出しました。

Q-13.でもふれましたが、開業当時は小さな古い自宅マンション内のキッチン部分を事務所にしていましたから、コピー機を置く場所なんかありません。

そもそも高価だったコピー機を持つなど夢のような話でした。いや、コピー機どころか、当時40万円以上したワープロさえ買えず、FAXもなければ留守番電話もないという状態でした。清宮総合事務所は、恥ずかしながら電話と事務机だけの名ばかりのものだったんです。いま思えば、よくあんな装備で開業したものだと、自分のことながらあきれてしまいます。怖いもの知らずというかなんというか。

Q-19.でも書きました「下町かわらばん」(事務所ニュース)を発行する前、開業時にはワープロを持っていた友人に頼んでB5判の開業案内を作ってもらい、コンビニでB4サイズでコピーし、半分に切って墨田区内のあちこちを個別訪問してまわったものです。切手を買うのも惜しいと思っていましたから郵送はしませんでした。人間、お金がない時はないなりに、自然と節約するようになるものなんですね。

ついでに、その友人から1日かけてワープロの打ち方を習い、事務所ニュースを発行する時には、厚かましくも貴重なワープロを借り出して編集しました。印刷は、もちろんコンビニでのコピー印刷です。

近所のコンビニには、不思議と毎日のように通うはめになりましたから、コンビニを経営する家族とはその縁(?)で親しくなってしまいました。コピーの枚数が多い時など、店主がそばで手伝ってくれたりしたものです。それどころか、店主から、時々、仕事の紹介までしていただきました。感謝ですね。

それもこれも下町ならではのことかもしれませんが、実際、町会や商店街のみなさんは本当によくしてくれました。清宮総合事務所は、地元のみなさんに育てられ今日に至っていると言っても過言ではありません。なんとか地元のみなさんに恩返しがしたい。そういう気持ちで毎日を過ごしています。

(2001.3.2.メッセージ番号766.)

Q-38. 行政書士にとってのホームページ。

ホームページは、いまや誰でもが簡単に作れるようになりました。

何はともあれ、まず、インターネット事務所であるホームページを立ち上げることが大切だと思います。SOHO開業の場合にはなおさらのことだと思います。

ホームページのトップ画面をどうしようか、と迷う方が多いようですが、トップ画面やコンテンツについては追々考えればいいことです。

また、ある程度まとまった段階でホームページのURLを周知、宣伝すればいいことです。

ちなみに、ホームページの周知・宣伝の一般的な方法は、参加しているMLでホームページ開設を発表したり、日常使っているメールの署名・メールアドレスに並べて記載したり、名刺や事務所ニュース、FAXの氏名・住所に併記したり、タウンページ等の広告であわせてホームページのURLも宣伝したり、仲間のホームページや業務関連団体のホームページ等と相互リンクしてもらうなどです。

ところで、ホームページの効用について若干考えてみましょう。

1. インターネット上で事務所を開設することにより、時間と空間の障害を超えて、やや大げさに表現すれば、世界中の顧客や潜在顧客、知人、友人等がインターネット事務所に訪問できるようになるということです。

2. 行政書士法19条2項、同法22条の4の規定により、誰でもアクセスできるホームページで行政書士を名乗り、あわせて住所、電話番号等を記載することで、事実上、行政書士であることを証明することができます。資格保有の簡易認証機能です。また、多くの行政書士仲間と相互リンクをすれば、一層その証明力は高まり、かつ専門家ネットワーク能力の存在も顧客にアピールすることができます。

3. インターネット上で入手可能な業務関連情報を加工し、Q&A形式でホームページの非公開ページにストックしておけば、インターネット無料相談に対する回答の多くは、ストックした該当文書部分のコピーと張りつけによって時間をかけずに処理することができます。

また、公開ページでの役所等のホームページや実務関連サイトのリンク集の充実も大切ですが、非公開ページを実務上のデータ・ベースとしても活用でき、顧問先など出張先からも独自のデータを活用することができます。特に、書式や得意先情報などをデータ・ベースにストックしておくと出張先で急に必要になった場合に便利です。

なお、非公開ページとは、ホームページからリンクしていない秘密ページのことです。

4. 専門分野の手続きをフローチャートや添付書類一覧などを図示しておけば、遠隔地のユーザーと該当フローチャート等の図表を見ながら電話でも打ち合わせすることができるようになります。

5. 自分の写真や事務所内の写真、事務所案内図、待ち合わせ場所の地図・写真等をホームページにアップしたり、業務上の報告で参考になる写真などを非公開ページにアップするなどして、遠隔地のクライアントやユーザーとのコミュニケーションに幅をもたせることができ、かつ個性ある付加価値を通常のサービス業務に加味することができます。

(2001.3.6.メッセージ番号884.)

Q-39. エージェント業務について。

Q 特許流通アドバイザーが少ない、という話を聞いたことがありますが。

A 特許等流通アドバイザー、すなわち知的財産権代理人は日本では少な過ぎますね。そもそも、法律素養が不充分で、かつ刑罰等で厳格な守秘義務を課せらた法律系国家資格者でもなく、また契約実務の経験も少ないという、脱サラ等の起業者に、特許流通アドバイザーはなかなか荷の重い業務だろうと思っています。

「行政書士がもっと頑張らなければ」、と特許流通について加藤紘一元自民党幹事長が1年半前にある会議で語っていたことを思い出しました。

Q スポーツ代理人については、どのように考えていますか。

A これですね。http://www.senshu-u.ac.jp/~thm0175/sotsu08/inazumi/contents.htm

行政書士開業MLでも過去、何回かスポーツ代理人については触れてきたのですが、これからだと思っています。スポーツ代理人でもプロ野球だけではなく、社会人野球もあれば高校野球もあります。サッカーやマラソン等オリンピック競技であればすべてのスポーツがそのエージェント業務の対象になります。

また、スポーツ・エージェントばかりか、私の考えているエージェント業務は、広く、発明家、科学者、作家、評論家、画家やミュージシャン、モデルさん、デザイナー、医師、技術者等技術や才能をもった人材全てを対象にしたものをエージェント業務と考えています。

政治家や特定職能団体、協同組合、自治体、公益法人、国家、州のエージェント業務もあり得ます。いわゆる欧米の弁護士がやっているロビング業務ですね。これも将来的には含めてもいいのではないかと考えています。

外人クライアントのエージェント業務の場合は、入管業務や国籍業務、マンションの賃貸借契約締結業務、現地事務所や会社の設立等行政書士の様々な関連業務が関わってきますから、エージェント業務は、まさに行政書士向きの業務といえます。


Q 今後、日本でも、欧米のような著作権代理人のような制度が根付くとお考えでしょうか。


A もっと行政書士が頑張って流行させるという能動的な姿勢が大切かと思います。

例えば、特定の業務分野に精通したベテラン行政書士が研修教材用に原稿や資料等を執筆したとします。これも著作物ですが、価値あるものなら、その価値評価を客観化させ、行政書士が著作権代理人として出版社等と交渉し、その著作物を世に出すというエージェント業務は積極的になされるべきだと考えています。

世の中には、すぐれた著作物が多く埋もれたままでいます。実用新案や特許もそうですが、そういう埋もれた知的財産を世に送り出す仕事もエージェント業務といえますね。

エージェント業務根付くかどうか、と予想するのではなく、エージェント業務を行政書士が率先して流行らせるべきであると考えています。

スポーツ代理人について。

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Q 行政書士はスポーツ代理人になれるんでしょうか?

A 行政書士の新しい業務分野であると同時に日本スポーツ界の新しい問題でもあります。スポーツ選手のみならず行政書士、弁護士等の士業界や大学等のスポーツ教育界にとっても、ことは巨大ビジネス産業界と深く関わる問題です。後日、あらためて巨大なグローバルマーケット・スポーツビジネス界について検討してみたいと思います。

プロ野球界では、野球選手の代理人は弁護士だけに許されるという制度ですでに実施されていますが(オフシーズンに限って)、この制度化のために日弁連が精力的に運動してきた経緯については周知の事実です。

しかし、サッカー界には、弁護士はまだ運動していないようです。FIFAの場合には、公認代理人制度がすでにできあがっており、特に弁護士等の法律職専門家資格を有していなくても公認代理人にはなれますが、FIFA公認代理人になるのがけっこう面倒のようです。

ということで、日本プロ野球選手の代理人には弁護士のみ、という制度が残念ながらできてしまいましたが、社会人野球や高校野球、サッカー、相撲、マラソン、スキーその他のスポーツ界におけるスポーツ代理人については、弁護士でなくてもなれるという状況です。行政書士がスポーツ代理人業務の世界に進出するチャンスはまだまだあると言えます。

世界的に有名なエージェント会社、アスリート・マネジメント社。

http://www.23degrees-sports.com/athlete_management_jp.html

日本人最初のエージェントは、野茂の代理人となった団・野村氏。

http://www.zakzak.co.jp/geino/n_May97/nws824.html

http://www.number.ne.jp/columns_part2/1999.12.09/book_hunting.html

スポーツ代理人活動を弁護士的な報酬交渉代理業務としてではなく、エイジェント業務としてみれば、雇用契約交渉代理だけでなく、ビザや帰化、住居賃貸借契約等さまざまな法的手続を任せることができる行政書士が最適だと思います。

スポーツ代理人業務を志す新人行政書士は、その業務をエージェント業務として把握し、さらにsports study や sports management の研究もしていただいて業務拡大を図っていっていただきたいと思います。

新人行政書士には、 player's agent の草分けになっていただければ、これは面白いことになると思います。団・野村に続け、です。特に、前職でイベント・マネジメントを経験した方は、スポーツ代理人を含めたエージェント業務はいいと思います。


(2002.8.24.TILFメッセージ番号144.2002.3.23開業MLメッセージ番号8938.)

Q-40. 営業(4) タウンページの効用と有限会社設立のメリット。

タウンページは広告宣伝媒体としても有効ですが、市場調査にも欠かせない情報源だと思います。

開業当初、隣接の市川市や船橋市等のタウンページも入手し、JRの四ッ谷駅から船橋駅、都営新宿線の船堀から市ヶ谷までの市場調査をタウンページを参考にしたものです。

例えば、建設業者だけを探しても、当時、墨田区内だけで1000社以上の会社や個人事業主が存在していました。

その中から個人事業主のものだけをピックアップして住宅地図にカラーマーキングでチェックし、開業の挨拶回りをしたものです。

株式会社、有限会社、合資会社等の会社設立のメリットをレポート用紙に書き込み、それをコピーして差し上げ、納得していただいて会社設立と建設業許可申請の仕事を同時受注してゆきました。

タウンページは本当に便利な情報源です。

 

「有限会社設立のメリット概説」



@独立自営の本拠地、城を持つことによる経営者の意識変革

A商法や経営会計の知識修得につながり、テータの分析が可能となって将来の予測可能性が高まる。経営改善点の発見もしやすくなる。

B仕入先、発注者、元請・下請業者、外客、金融機関、同業他社、親戚、友人、知人、家族等の対外的信用が得られ、代表取締役の名刺を使用することができる。対外的に取引上有利である。

C会社には永続性がある(個人はあくまでも個人であり、死亡したり病気になって働けなくなれば継続性が遮断される)

D未来の相続対策にもなる。

E節税対策にもなる。法人税法の適用がうけられ所得税法上の税率よりも大幅に低い税率の恩恵を受けられ、従業員の退職金などが「留保」として認められ、これが経費として算入されるので課税対象にならなくなる等・・・。


F資金調達がしやすくなる(公的融資や補助金、助成金も含めて)。手形や小切手の取り扱いも融通がきく。

G人材が集めやすく、また、人材が定着しやすくなる。

H会社の超過債務については有限責任となる。事業規模が拡大し、超過債務の規模も拡大してくると、その効果は決定的となる。

I設立手続が株式会社よりも簡単で資本金も300万円ですみ、経費も安く済む。

J将来は組織変更も増資も可能だし、目的や商号も商売しやすいように工夫したり変更したりできる。

K株式会社ではないので、企業内秘密や結束が守られやすい。

L経営会計の専門家を顧問として雇いやすくなり、法律や経営会計上の問題について常時諮問でき、新たなる人脈を得ることにもなる。いわば企業参謀を得るチャンスにもなる。

とりあえず以上の諸点を挙げておきます。

(2001.3.6.メッセージ番号894.)