為替政策について。

 私は、1985年のプラザ合意のときから米英主導による「対日経済戦略」が本格化したと考えています。その基本戦略は1980年前後に英国保守党が作成した「対日経済戦略報告」ではなかったでしょうか。
 サッチャーとレーガンから始まる米英同盟によって日本は確実にターゲットにされ、1ドル240円であった円を国際協調によって円高誘導することを英米から強要され日本政府はそれをあっさり認め、結局は今日の円高に至る根本の遠因になったと思われます。
 日本の立場からすれば、1ドル200円まで円安になれば、確かに外需が拡大して景気の回復にはつながりそうです。
 しかし、円安に誘導したくても、なかなか難しい問題があります。その障害は米国の史上空前の貿易赤字と財政赤字です。米国の立場に立てば、ドル安円高傾向は維持し、対日赤字をこれ以上増やしたくないと考えているはずです。
 その証拠に、19996月に榊原英資財務官が3兆円のドル買い(円売り)で円安誘導しようとしたことがありましたが、サマーズ財務長官に迎撃されて、かえって1ドル100円まで円高にされてしまったことがありました。それだけ米国の貿易赤字は深刻な問題だったわけです。
 ただ、日本経済が円安で本当に立ち直るというのであれば、ある程度の円安はやむを得ない、と米国も容認しつつあります。日本が大恐慌に陥ったら米国も大変なことになることがわかっているからです。
 そこで、米国は、1ドル150円程度までの円安は容認するつもりになっているのではないかと思いますが、円安と米国の貿易赤字拡大が比例するところから、1ドル150円までが受忍限度だと思っています。
 問題は、1ドル150円までどのように誘導してゆくのか、ということです。
 一部に「日銀がドルをもっと買えば良い」という意見がありますが、為替政策は財務官の権限ですから、日銀に言ってもしかたがないことです。
 また、インフレターゲットの一つの効用として円安誘導があげられていますが、果たして銀行が当面の為替損を覚悟してまでドルを買い外債を購入するでしょうか。現在の金融情勢下にあっては、国債や都債など地方債を買った方がリスクはないですね。

 

2003127()