憲法9条解釈の整理

 憲法9条解釈の件ですが、確かに、国際紛争を解決する手段としての戦争やその戦争をするための戦力装備は憲法違反になることは異論のないところですが、反面、自衛のための戦争とそのための戦力保持までは憲法も否定していない、という解釈が政府見解であり通説になっています。

 問題は「自衛戦争」と「自衛戦争遂行に必要な戦力」の範囲、ということになるかと思います。

 自衛戦争の範囲については、国連憲章第51条で認めている集団的自衛権も含めて解するのかどうか、が今議論されています。

 自衛戦争遂行のための戦力の範囲については、「自衛隊の装備のレベル」が問題となるわけですが、最高裁判所は、「明白に憲法に反する場合は別として、国会の判断にゆだねる」旨、判決しています。現在、国会及び内閣・内閣法制局の判断としては、具体的には、イージス艦や原子力潜水艦、軍事偵察衛星、地対空ミサイル(現在、旧式のパトリオットPAC2を24基配備している)、巡洋艦の保有は合憲であると判断をしているわけです。

 自衛隊の戦力装備も、警察予備隊、保安隊、自衛隊と発展する中で様変わりしてきています。それは世界の軍事力ないし軍事情勢の発展、変化、進化に対応しての変容なのだと理解されますが、今後、日本の自衛隊の戦力装備がどこまで発展、変容するかは想像がつきません。

 そこで、「理論上は」と、おことわりした上での仮説ですが、極東の軍事情勢の変化によっては、あるいは日米安保条約が廃棄されたような場合、国会及び内閣は、将来的に小型の戦略核兵器の装備を検討する可能性は否定できないと思います。

 もちろん、具体的事案において当該核兵器装備が憲法に反する、との訴えが裁判所に持ち込まれ、最高裁判所が最終的に、「小型戦略核兵器の装備といえども、核兵器の装備は明白に憲法に反する」との判決がでれば、現憲法下の日本においては、核兵器装備は違憲ということに確定されるわけですが。

 私の個人的見解としては、核武装は憲法違反だと解します。また、現在の装備レベルの自衛隊及びその活動領域もすでに憲法違反の疑いが濃厚であると考えています。やはり、憲法改正が必要であろうと思います。そして、できれば現在の自衛隊を合憲とすると同時に、スイス型の永世中立国を目指して憲法改正する必要があるのではないかとも考えています。

(2003.3.28)