改正弁理士法4条3項考察  

平成13323

清宮 寿朗

 

1.改正弁理士法4条3項

 改正弁理士法4条3項は弁理士の契約業務代理権について、「弁理士は、前二項(特許、実用新案等の出願手続代理業務等)に規定する業務のほか、弁理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠、商標、回路配置若しくは著作物に関する権利若しくは技術上の秘密の売買契約、通常実施権の許諾に関する契約その他の契約の締結の代理若しくは媒介を行い、又はこれらに関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りではない」と規定している。

 この改正により新設された規定は、公布日(平成12年4月26日)から2年以内、つまり平成14年4月25日までに政令で定める日に施行(改正弁理士法附則1条)されることになっており、平成13323日現在においてはまだ施行されていない(この4条3項及び弁理士試験に関する部分を除いた他の改正弁理士法は平成13年1月6日に施行されている)。

 2.弁理士による契約代理権規定新設の目的

  まず第一に、この「弁理士による契約代理権」規定新設の目的、立法趣旨について考えてみたい。

弁理士による契約代理権は、4条3項であきらかなように、弁理士の専権業務(独占業務)である工業所有権等の業務(権利譲渡に伴う名義変更申請も含む)に係わる関連付随業務として、弁理士が事実上行ってきた契約代理業務を法的に担保しようとするものである。

このことは、過去、「司法書士の契約代理権」についても不動産登記申請等に付随して行われる場合に限定しているものの国家による先例・有権解釈によって合法・正当な付随業務であるとする旨の法的措置がとられている。

昭和39年9月15日民甲第3131号法務省民事局長回答がそれである。

その内容は以下の通りである。

「司法書士が従来受託していた権利に関する書類(例えば、売買契約書、各種契約証書等)及び事実(住所、氏名、資産等)証明に関する書類の作成はすべて行政書士の業務の範囲に専属するものであって、司法書士が取り扱うものでないとの行政書士会の見解であるが、これに対し司法書士は、法の示すとおり他人の嘱託を受けて、その者が裁判所、検察庁、法務局及び地方法務局に提出する書類を代わって作成することを業とする者であって、これらの官庁に提出する訴状、告訴状、登記申請書等の作成はむろん、これらに添付を必要とする書類、若しくは上記書類交付請求書の作成は司法書士の業務範囲に属する」

以上の先例によって、司法書士も商業登記申請書、不動産登記申請書、裁判所に提出する書類のみならず、その添付書類である議事録、契約書、事実証明書等も付随業務として正当・合法に代理作成することができるようになっているのである。

弁理士の場合には、司法書士の場合のように行政書士会からの質問が国家に対してなされなかったこともあり同様の先例は存在しなかった。

今回の改正弁理士法4条3項の規定は弁理士会の悲願であった。弁理士が知財流通分野においてその契約業務ができるようになれば弁理士の21世紀における存在感は米国の弁護士に匹敵するものとなるからである。すなわち、世界規模で激増している特許訴訟の迅速処理の要請と紛争予防の観点からの要請が、弁理士による契約代理の推進を求めているという現実があるわけだ。知財の専門家による契約書(ライセンス契約書、譲渡契約書等)、英文・和文の契約書作成の需要の急増という現実があった。

次に、改正弁理士法75条についての考察をしたい。同条が弁理士による契約代理権を弁理士の専権業務(独占業務)の対象からはずしていることについてである。

弁理士の契約代理(司法書士の契約代理も同様のことがあてはまる)は、あくまでも弁理士の専権業務に付随する業務に限定されているという点が重要である。その契約代理権は4条で例示列挙された事項についてのみの限定的契約代理権であり、すでに正当・合法業務として認知されていたものである。

この事情を前提にして考えないと弁理士の契約代理権制度(司法書士の契約代理権制度は先例による)が非独占・非専権の業務制度となった理由がわからなくなる。

すなわち、4条3項は、弁理士の限定的契約代理権が行政書士法1条の2(第1条の3は第19条の適用はなく残念ながら弁理士会の思惑通り非独占業務となった)及び19条によって行政書士法違反にならない正当業務である旨の確認規定であるということを再確認しておくべきであろう。 それは、ちょうど昭和55年の行政書士法改正で当時の1条の2(現行行政書士法1条の3)が追加規定された事情と酷似している。 行政書士が従来、その専権業務(独占業務)の付随業務として正当・合法に行っていた相談業務(事実上の法律相談)と官公署への提出代行業務を確認規定として追加新設したのと似ている。

  3.行政書士の契約代理について

  ところで、改正弁理士法は2000年度通常国会において政府提案された弁理士法の改正法案であった。

その経緯は、行政書士会内においてはすでに周知の事実であるが、日行連は「改正弁理士法4条3項の弁理士による契約代理権規定は行政書士法1条の2に違反する疑いがある」のではないか、という趣旨の意見を日本弁理士会に対して述べ行政書士法との調整を検討したという。

 上記に紹介した昭和39年9月15日付先例の事例のように、つまり行政書士会が司法書士の契約書作成代理業務に関し法務省に疑義を質した時のような質問であったように思われる。

ここで確認しておきたい事項が二つある。

一 「日行連の日本弁理士会及び特許庁に対して行った主張の内容」と、

二 「行政書士会が行政書士法改正で獲得を目指している契約代理権(行政書士法1条の2規定)の意義」についてである。ちなみに、許認可等申請手続代理権及び契約代理権を行政書士法1条の2に規定するとの「行政書士法改正方針」が平成12年7月の日行連理事会によって決議決定されている。

一 改正弁理士法4条3項に規定されている弁理士による契約代理権は付随的限定的契約代理権とはいうものの、弁護士法72条で規制されている紛争性・事件性のある事案での仲裁、和解に関与するような契約締結目的の交渉代理を除く「契約締結代理権」とその契約代理権に包含される紛争予防目的ないし紛争再発防止のための「契約書作成代理権」(大は小を兼ねるの理論)を兼ね備えた契約代理権である。

 これに日行連が行政書士法1条の2に違反するとの疑義を提起したわけであるが、そのことから日行連は行政書士法1条の2の「権利義務又は事実証明に関する書類作成」の文言に少なくとも「契約書作成代理権」が含まれているとの認識があることを証明している。しかも行政書士法19条によって独占業務となっている契約書作成代理権が行政書士にあるのでその旨の主張をしたと理解する以外ない。

 独占業務としての契約書作成代理権限が行政書士法に規定されていなければ、司法書士・弁理士にそのような主張を提起することができないはずだからである。

 そもそも、行政書士法1条の2で規定する「権利義務又は事実証明に関する書類」の典型的具体例としては、判例(大判大11.12.22、最判昭36.3.30、)を引くまでもなく、また行政書士法1条の2第2項を斟酌しても、古くから契約書があげられてきており、事実、行政書士による契約書作成代理業務の実績は大きい。

(以下省略) 

 

 

 

風俗営業許可申請を専門とする

山田行政書士の場合

 

 ◆2001年に行政書士開業MLの参加者のために当時、ホームページにアップした雑文の一部です。少し古めで恐縮ですが、まだ参考になる部分も少なくないので貼り付けてみました。

 

(略)

 財務会計(制度会計としての税務会計を含む)上の損益計算書では、「費用」を「売上原価」と「販売費及び一般管理費」に大別している。

 この売上原価と販売費及び一般管理費を合計し、それを「変動費」と「固定費」に分解し直して表現するのが管理会計上の損益計算書である。 

 変動費は売上高の増減に比例して変動する費用で、固定費は売上高に比例せず、常に一定額発生する費用である。

 行政書士の場合は情報産業の中でも特にその特徴が顕著であり、費用のほとんどが固定費と言ってもよい。

 具体的に行政書士山田太郎事務所の場合をみてみよう。山田事務所の年間の収益(報酬額)下限を見てみよう。

@ 事務所の家賃       100,000円

A 山田太郎の生活費     500,000円

B 補助者3名分の給料 600,000円

C 水道光熱費(月平均) 18,000円

D 新聞図書費(月平均)    10,000円  

E 通信費(月平均) 40,000円

F 諸会費(月平均) 15,000円

G 自動車維持費 50,000円

月額固定費合計  1,133,000円

年額固定費合計 15,996,000円

 

 山田事務所の固定費は約1,600万円であった。

 かりに交通費等変動費を120万円とすれば、費用合計は1,720万円。

 損益分岐点の額でもある。この額が山田事務所における年間報酬額の下限ということになる。

 山田事務所は風俗営業許可申請手続専門の行政書士事務所であり、年間100件平均の依頼がある。

 一件20万円の報酬を得れば、損益分岐点を超えることができるので、2号営業(バー)で営業面積50uを標準にして一件20万円の報酬とした。

 しかし、平成11年度までの売上は2,000万円から2,600万円程度であったものが、平成12年度は1,500万円と激減してしまった。減収減益である。

 もし、あなたが山田事務所の所長であったら、来年度の経営方針をどうするであろうか。 

 

 山田事務所は、情報ビジネス・産業の一翼を担う行政書士界の経営者であることは間違いないのだが、残念ながらまだ「情報化(e-engineering、ソフト化)」対策がなされていない。

 ここに根本的な問題点が隠されているわけだ。

 もちろん、山田事務所にインターネットを単純に導入すれば増収増益が図れるというものではない。

 従来の日本型会計学思想・論理から演繹すると(従来型の日本型会計学思想・論理では、演繹しかできないところに大きな限界がある)一般的には以下の5つの対策が検討されることとなる。

@ 1件当たりの報酬額をアップして採算ベースに戻す。

A 報酬額をアップすることができない場合には、固定費を削減する。すなわち、補助者

1名を解雇する等。

B 風俗営業許可申請手続以外の許認可業務を受注する。

C 宣伝広告に投資する。

D 営業活動を再開する。

 しかし、情報ビジネス・産業の場合には、固定費中心経営であることの利点に着目しなければいけない。

 すなわち、変動費中心経営の場合には定価の大胆な低価格化戦略は人件費削減等固定費の削減も伴ってしまうのが通常であるが、固定費中心経営の場合には、e-engineering等によって固定費を削減することなく報酬額の大胆な低額化戦略がとれるわけである。

 具体的に述べれば、山田事務所の場合には、風俗営業許可申請手続の専門行政書士であるから、情報化(ソフト化ないしe-engineering)が可能である。

 業務内容の特徴ないし主要部分が「測定」「製図」と「面積計算」であるからだ。 

 この3部門ともに電子化が可能である。

 例えば、電子メジャーでは「ピッキョリ13」があり、製図・面積計算ソフトでは

「図脳RAPID6」が有名である。

 業務の電子化が実現されれば、従来の労働量で仕事の処理量は2〜3倍はアップすることになるのだ。

 従来、年間100件〜150件の受注が許容量であったものが、300件〜400件は処理できるようになるのだ。

 したがって、1件当たりの報酬額を20万円から10万円と大胆に低額化して潜在的顧客のニーズに応え、かつ競争力を備えれば、増収増益が可能となるわけである。

 では、次に、風俗営業許可申請手続業務の「市場」に目を移してみよう。

 

(第2節) 

 山田事務所の主たるテリトリーはJR総武線の両国駅から小岩駅までの各駅周辺繁華街である。

 両国、錦糸町、亀戸、新小岩、小岩である。

 

 平成11年度の受託件数を駅別でみると錦糸町50件、亀戸、新小岩、小岩が各15件、両国が5件であった。

 平成12年度は新小岩が5件、小岩が0件であった。

 山田太郎は、さっそく新小岩の得意先会社を訪問し直接社長と面談、原因を探ることにした。

 新小岩の得意先会社は駅前の山川不動産である。

 山川社長によれば、S行政書士が2号営業・バー・50u標準で15万円の報酬額を提示してきて行政書士を変更したとのこと。

原因は、報酬額にあることが判明。

 小岩の得意先会社は、バーやキャバレー等の密集する飲食店専門のビル、いわゆる「観光ビル」のオーナー会社である。

 ここでもS行政書士の報酬額が原因であった。

 

 各社長や総務部長によれば、15万円未満の報酬額でやってもらえればどこでもいい、というのである。

 行政書士業務の世界にも価格破壊の現実が存在していたことが確認された。

 このことは、行政書士事務所の電子化と市場価格との因果関係をが明白に示すものであり、「市場価格競争」と「事務所の電子化」が、「原因」と「結果」の関係として把握することができる。

 実は、「税収の落ち込み・財政危機」と「地方自治体や国の電子化推進」も同様の関係で把握することができるわけである。

 山田太郎が行った2件のサンプル調査だけでも市場動向は明白である。

 従来通り、本年度においても1件当たり20万円で受注していたら、多分、75件が30件程度に激減してしまうかもしれない。

 1件当たり10万円に設定し、有効な宣伝をすれば(後で解説する)、年間300件程度の受注は見込める。

 300件といえば、テリトリー内の占有率10%である。

 

 山田事務所の損益分岐点は低報酬額戦略においては、172件の受注件数であるから、来年度は少なくとも営業利益は出る経営体質に改善されているはずである。

 もちろん、10年前の会計事務所と同様に風俗営業許可申請手続専門行政書士事務所の多くが電子化に成功するまでのことであるが。おそらく2003年までの猶予であろう。

 したがって、電子化と同時に次への進化の準備にもとりかかっておく必要がある。

 しかし、それにしても風俗営業専門行政書士という呼称は好ましくない。

 聞く者によっては誤解されかねない。

 なんとかならないものであろうか。

 実務の実質からすれば、土地家屋調査士ならぬ「家屋測量調査士」ともいうべきけっこう高度な業務分野なのだが。

 とりあえず、ここでは「測量製図専門行政書士」とでもしておこう。

 

 さて、2003年までには次なる進化過程へ前進するべく準備をしておかなくてはならない。報酬額による差別化の次は、付加価値による差別化である。

 まず、「受注件数年間200件」の数字を読みとることが肝要である。

 バー、キャバレー等の飲食店の他、次第にゲームセンターやパチンコ店という顧客にも恵まれるようになるはずである。

 もし、山田太郎が会計業務をてがけるようにでもなれば、その潜在的顧客数は魅力的なものとなるはずである。

 とかくこの業界の経営者達は税理士を顧問とすることに抵抗感を持っているのだ。

 いや、税務会計をきらう傾向にあるというべきかもしれない。

 したがって、すでに店の情報を隅々まで熟知しており、かつ警察に強い行政書士が、税務会計ではなく管理会計ないし企業会計をしてくれるというのであれば、そして相場よりも安ければ案外その気になるものである。

 あるいは入管手続専門行政書士でもよい。ともかくも、相乗効果の期待できる関連分野の開発は付加価値を生み、他の測量製図専門行政書士と差別化することができる。

 今から準備をしておくことである。

 逆もまた真なり。会計専門行政書士が新しい顧客開拓の新手法・新営業行動として、測量製図専門行政書士を志すということも十分あり得ることだと思う。

 現に私の場合は、会計と国際業務が相乗効果を生んでいる。

 欧米系の得意先が多いため米国会計基準による会計と日本型財務会計のダブル会計となっており極めて効率がよい。

 そして規制大国日本のガイド・コンサルタントとして、行政書士資格が輝く分野だ。

 

(第3節) 

 

 私の法務会計業務の顧問先会社社長からこんな風俗営業許可申請に関する相談依頼があった。

 概要は以下の通りであった。

 社長の知人がショウパブ(法第1条第1項第1号の営業、キャバレーに該当するケース)の営業許可申請を行政書士以外の国家資格者に依頼して申請準備をしていた。

 準備が完了したので申請のため警察署に出向いたところ、当該店舗を第2号の営業、バーとして経営していた前の経営者が廃業届を提出していなかったため申請が受理されなかったというのである。

 前の経営者の氏名、住所等の情報は個人情報保護のため警察では教えてくれないという。

 しかたがないので、当該店舗を仲介してくれた不動産会社に出向き調べたところ、不景気のため開店後1年で店を閉め、行方知れずになっているという。そこで困り果て、巡り巡ってきた相談依頼であった。

 しかし、みなさん、この不況化である。営業許可を取っても2年後には約30%の店がオーナーチェンジあるいは固定費削減のために移転する。

 いずれの場合も新規の許可申請となるので、更新のない風俗営業許可手続専門行政書士、いや、測量・作図専門行政書士にとってはありがたいという側面もあるわけであるが、以上のようなケースも増加しているので廃業届の確認だけは真っ先にしておくべきである。

 翌日、相談者と直接面談。

 

 救済方法は、以下の2通りある。

@行方不明となっている前の経営者Aの所在をなんとかつきとめ許可書・標章のある場合には廃業届・「返納理由書」を、紛失または亡失している場合には許可書・表章紛失・亡失の「理由書」を提出させる。

A出来る限りの調査をして見つからなかった場合には、事実証明書作成権限を活かして、警察署に職権による営業許可の撤回(行政手続法第13条、風営法等条文上での表現は「取消」となっている)を求める上申書を提出する。

風俗営業許可には、建設業許可の場合とは違い「期限」という附款(条文上は条件と表現される場合が多い)が当該行政行為(営業活動禁止の解除処分である営業許可)にはないのが原則であり、したがって更新がないわけである。

 期限があれば、その「終期」を待って、申請すればいいわけであるが、この終期がないために許可を職権で撤回しないかぎり、Aの営業権は存続し続けてしまうわけである。

 以下の様な上申書を作成し警察署に同伴して提出した。

 

 

○ ○ 警察署

○ ○ 署長殿

平成12年12月27日

           .                                電話

                                                                                                FAX.   

            行政書士 清宮 寿朗

 

上   申   書

 平成○年○月○日付で、東京都公安委員会から風俗営業許可(第○号)を得ている有限会社乙(代表取締役A)は、平成○年○月末日以降現在まで所在不明であることを上申いたします(行政書士法第1条の2に規定されている職権による)。

 所在調査について

1 有限会社乙は、本店所在地である東京都○区○町○丁目○番○-201号及び営業所である東京都○区○町○丁目○番○号○ビル2階に存在しないことは明らかです。

2 Aが住民登録をしている東京都○区○町○丁目○番○号○マンション101号に臨み実地調査をしましたが空家でした。

3 ○マンションの所有者であるY氏(住所、電話番号)の話によれば、2年前の平成9年11月から連絡がとれなくなっており困っているとのこと。

 家賃もそれまでに4月分滞納しており、平成10年2月には警察立会で室内の荷物を搬出し○倉庫に保管したままであるとのことでした。

4 Aは独身で家族はなく、有限会社乙の他の取締役Z(住所、電話番号)もこの2年間連絡が取れず困っているとのことでした。

              以 上

 

 

 相談者と面談の際、申請書類を見せてもらったのだが、2号営業の感覚で製図し、求積していたことが判明。

 これでは、1号営業許可申請としては受理されない。

 営業所平面図を見ただけでも、幾つかの致命的な間違いを発見することができた。

 営業所面積は壁芯測定で120u以上あり、客室面積も66u以上(踊り場1/5以上が含まれている)あったが、ステージ面積13u以上の要件を満たしておらずかつ客室面積に含めてしまっていた。

 タレント控え室も、5名で9u以上必要なところ、8名であるから、9u+(3*1.6u)=13.8u以上ないといけない。それが7.5uしかないのである。

 また、客室面積から円柱形柱2本分の面積を差し引いていなかった。

 その他にも間違いが6件程度あった。

 

 書類の全面的書き換えと内装工事のやり直しが必要となった。

 その損害は大きい。支払った報酬額を聞くと100万円であるという。営業所面積が約180uであるから、我々行政書士でも80万円は請求するが、この書類と仕事ぶりでは全額返金してもらい、かつ民法第415条を根拠に損害賠償請求である。

 

 少なくとも、家賃月額80万円の2ヶ月分と人件費の一部100万円合計260万円の損害賠償請求である。改修費を除いてである。

 

 誠意を持って対処してもらえれば、行政書士法第19条違反の告訴だけは留保してもよいと考えていた。

 翌朝、測量・製図専門行政書士の山田太郎事務所にFax.で昨日の概要説明と一緒に1号営業の申請手続の依頼書を送信しておいた。

 山田太郎事務所と清宮総合事務所は協力関係にあり、会社設立や本店移転等の会社変更等の仕事や入管手続等の仕事を当方に紹介してくれている。

 依頼者の約1/5から申請にあたって会社組織に関する相談や入管の相談があるそうである。

 当方にしてみれば、会社設立とその後の会計業務という仕事などが入るわれだから、風俗営業許可申請手続は全て山田太郎氏に紹介するようにしている。

 その方が経済効率的にいってよいのだ。僕の場合は、2足の草鞋は捌けても3足の草鞋は捌けそうにない。

 せいぜい今回のように、法務・行政手続コンサルタントをするのが精一杯である。

 

 ちなみに、風営法は警察署管轄ではあるが「刑事事件に関する法令」ではないので当然、行政手続法及び行政不服審査法の適用があるということも知っておいて欲しいと思う。

 なお、審査請求書や異議申立書の作成と提出代行は、行政機関に提出する書類の作成と提出であるから、行政書士でもできる。

 ただ、司法書士が訴状を作成し裁判所に提出することはできるが訴訟代理はできないというのと同じことで、行政書士は審査請求ないし申立の手続代理は現段階ではできない。

 もっとも、後述するが、委任状と申請代理人許可申請書を提出して、積極的に申請代理人として活動することを21世紀の新しい行政書士には期待したい。

 

 その日、相談者から損害額計算明細がFax.で届けられた。

 なんと想像以上の額560万円であった。私の計算は甘かった。

 

 しかし、相談者側にも行政書士以外の国家資格者を選任したことなどに関する過失も認められるので、損害額全額につき損害賠償請求するというわけにもいかないであろう。

 この件に関しては、電話、面談、内容証明郵便による請求手続等で合意が得られれば問題はないのだが、合意が得られない場合には、裁判上の和解ないし判決手続による解決を図るか、または裁判外の和解(示談)等で決着を図るかの選択をしなくてはならなくなる。

 この辺の民事法務の論点「行政書士による裁判外の和解(示談)交渉代理の可能性と方法」については後述しようと思っている。

 

 ちなみに裁判上の和解には、起訴前の和解と起訴後の和解とがある。

 

第4節)

 ところで、山田太郎事務所(もちろん架空の名称である)は、今後の電子化に備えて、手のひらサイズのピッキョリ13を株式会社コーティングメディアサービスから2個購入(1個16,800円)し、風営の製図と求積に適しているソフト「図脳RAPID6」を株式会社フォトロンより購入(58,000円)した。

 さらに、清宮総合事務所等の得意先ネットワークを「e-組織」化することによって関係者との連携を強化、効率化することに決定。オフライン、オンラインによる24時間会議体制を目指すことにした。

 なお、その上での新規顧客開拓に関する経営戦略立案に着手した。

 みなさんも一緒に考えてみてはいかがでしようか。

 山田太郎事務所の e-engineering 、すなわち事務所の電子オフイス化によって事務所経営の再構築が図れるようになった。

 具体的には、従来、4名全員で測量・製図等の業務に当たっていたのだが、3名体制で十分対応できることが判明したのである。

 そこで、所長である山田太郎氏みずからが新経営戦略を立案し、営業担当者として活動するとともに将来の次の差別化に備えて付加価値の開発に取り組むことにした。

 まず、課題整理である。

@ テリトリーの拡大 の可能性と方法。

A 広告宣伝の必要性と方法。

B ワンストップ・ノンストップ化の可能性と方法。

C 関連専門分野の副業化の可能性と方法。

 まず、@「テリトリーの拡大の可能性と方法」から検討してみた。

 現在のテリトリーはJR総武線沿線の両国駅から小岩駅までの駅周辺繁華街である。

 その中核駅は錦糸町駅である。

 錦糸町駅周辺だけでも潜在的需要は大きく、広告宣伝・営業方法によっては、テリトリーの拡大は不要であるかもしれない。その意味においては、従来のテリトリーにおける営業活動・宣伝広告も必要である。

 しかし、市場の拡大路線を取る場合は、新開地を設定する必要がある。

 従来のテリトリー・ラインが東西にのびる総武線沿線であったが、新開地・ラインは

できれば南北にのびる別の鉄道路線に設定した方が効果的である。

 JR山手線沿線の上野駅から神田駅までを当面のターゲットにすることとした。

 山田太郎氏は早速、ゼンリン住宅地図とタウンページで戦略マップの作成に取り掛かった。現地視察と宣伝広告の準備のためである。

 上野駅から神田駅までの新エリアを住宅地図とタウンページで調べてみると、意外なことに気が付いた。 

 パチンコのゲーム機やゲームセンター用のゲーム機の販売会社やリース会社、ゲーム機の保守・修理専門会社などが多いのである。

 従来、受注がなかった7号営業、8号営業の許可申請受注の窓口がそこにあった。

 また、2号営業、1号営業ともに新エリアにおける潜在的需要ははるかに多そうである。 いわゆる観光ビルや不動産会社の数自体もはるかに多い。

 ちなみに、建設会社の数も従来のエリアの2倍以上ある。ただ、建設業許可申請業務は山田事務所には関係ない。

 ちなみに、建設業専門行政書士として今後生き残りを図る場合には、会計業務抜きにしては考えられない。建設業経理事務士2級は取得しておく必要があり、かつ管理会計的素養も今後は益々求められてくる。

 何といっても建設業許可の期限は5年である。許可更新のための申請手続は5年に1度であるし、新規許可申請の掘り起こしには限界がある。

 どうしても建設業会計業務をベースとして、管理会計上の「財務経営分析報告書」に基づく経営指導、建設業関係法令上の「決算変更届」「経営状況分析申請」「経営事項審査申請」そして、電子申請による「公共工事入札参加資格申請」を総合的に取り扱うことが必要となってくる。

 

 以上の状況からみて山田事務所の場合には建設業分野への進出はやめた方が無難といえる。

 山田太郎事務所では、2001年正月6日、7日の2日間を使って、製図ソフトの実戦配備をおこなった。ソフト会社から派遣された指導員から職員全員が完全に修得するまでレクチャーを受けた。電子メジャーの実戦配備の実験も終わった。

 

 11日、12日、13日の3間は、山田太郎他1名が手分けして「キー・パーソン・ターゲット・リスト」の不動産登記簿謄本と商業登記簿謄本を収集。

 タウンページ情報、現地視察時のデータを含めた、パソコンによりデーターファイルを17日までに完成させた。 

「キーパーソン・ターゲット・リスト」とは、観光ビルのオーナーや管理会社社長、チェーン店本部会社社長、酒類卸販売会社社長、不動産会社社長等のリストである。

 「タウンページ」や「夕刊フジ」での宣伝広告とは別にDMよって継続性のある得意先を開拓するためのリストだ。

 DMとはいっても種々ある。

 「チラシ」擬きの宣伝文句だけを並べたてた1回性のDMを各店舗毎に郵送した場合のアポイント率は、1,000通につき約5% である。

直接利害関係があり決定権のある「キー・パーソン」に対するDMで、しかも継続性のある情報提供型の「事務所ニュース」であれば、飛躍的にアポイント率は高まる。

しかも、限定の親展・郵送であるから費用もそれほどからない。

 電話がかかってきたら出来る限り直接会って人的交流・情報交換を心がけるべきであろう。

「タウンページ」はターゲットゾーン限定の地域版に広告を載せれば足り、名刺大の広告であれば月平均の電話料金上乗せ額は10,000円未満である。

 「夕刊フジ」1ヶ月間継続広告でも90,000円程度である。年間に効果的な時期を選んで合計2ヶ月広告掲載すればよいであろう。 

 

 問題はやはり情報提供型「事務所ニュース」の編集であろう。文章訓練や情報収集は自分自身のためにもなる。そして、なによりも顧客との「パイプ役」としての機能を持ち、顧客管理対策上有効である。

 2月下旬には、創刊号を発行したい。後日ゆっくり皆さんと編集会議を開きたい。

 関連専門分野の副業化という課題については、従来、受注がすくなかった7号及び8号営業の本格的取り組みと受注の見込みで短期的にはその緊急性は薄れた。

 キーパーソン・リストの中にも、今回はゲーム機販売卸会社社長やゲーム機リース会社社長、同保守・修理会社社長、パチンコ店チェーン本部会社社長等を入れておいた。

(略)

 

 

今は使っていない古めの名刺ですが、潜在的顧客に差し上げる名刺です。コスモス・行政書士のバッヂのデザインが入っていますのでアップしました。

 

 

 

 

 

1.契約実務に関する基準報酬額について

(私案)

 

                        清宮法務会計事務所

行政書士 清宮 寿朗

 

 

 

1.        契約書作成業務 

2.        契約書添削(チェック)業務 

3.        個別相談業務 

4.        継続的法務サポート(顧問契約) 

 

 

1.契約書作成

 

@    事業主が反復継続して使用する契約書の起案

    原則として、1件 43,000円(日本語による起案の標準報酬)

 

難易度、使用言語、分量、契約締結までの訂正・修正等の回数、事前調査の有無、契約締結交渉時の立会の有無、出張等の有無により報酬や経費は変動します。

 

A    事業主が使用するが、反復継続して使用しない契約書の起案

    原則として、1件 32,000円(日本語による起案の標準報酬)

 

難易度、使用言語、分量、契約締結までの訂正・修正等の回数、事前調査の有無、契約締結交渉時の立会の有無、出張等の有無により報酬や経費は変動します。

 

Bその他の契約書(示談書・和解契約書の起案を含む)

    原則として、1件 32,000円(日本語による起案の標準報酬)

 

難易度、使用言語、分量、契約締結までの訂正・修正等の回数、事前調査の有無、契約締結交渉時の立会の有無、出張等の有無により報酬や経費は変動します。但し、事件性のある案件での示談・和解契約締結のための交渉代理業務は弁護士の独占業務となっていますので、行政書士はあくまでも示談書・和解契約書の起案や添削(チェック)のみとなります。その他の契約書の作成に関しては行政書士にも代理権が認められておりますが(行政書士法第1条の3第2項【前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること】)、私の場合は契約締結交渉の代理業務はせず、ご依頼によって契約締結交渉時の立会のみお引き受けすることはあります。

 

    立会報酬は、1日(6時間)日当40,000円プラス旅費交通費、

半日(3時間)日当20,000円プラス旅費交通費。この金額に相談料は含みますが、契約書作成料は含まれません。

 

 

2.契約書添削(チェック)業務

 

@事業主が反復継続して使用する契約書の添削(チェック)

■原則として、1件 30,000円(日本語による起案の標準報酬)

 

難易度、使用言語、分量、契約締結までの訂正・修正等の回数、事前調査の有無、契約締結交渉時の立会の有無、出張等の有無により報酬や経費は変動します。

 

A事業主が使用するが、反復継続して使用しない契約書の添削(チェック)

■原則として、1件 25,000円(日本語による起案の標準報酬)

 

難易度、使用言語、分量、契約締結までの訂正・修正等の回数、事前調査の有無、契約締結交渉時の立会の有無、出張等の有無により報酬や経費は変動します。

 

Bその他の契約書(示談書・和解契約書を含む)の添削(チェック)

■原則として、1件 26,000円(日本語による起案の標準報酬)

 

難易度、使用言語、分量、契約締結までの訂正・修正等の回数、事前調査の有無、契約締結交渉時の立会の有無、出張等の有無により報酬や経費は変動します。

 

    契約書添削(チェック)のための立会報酬額。この金額には相談料は含まれますが、その場で提出された契約書案等の添削報酬は含みません。

 

1日(6時間)日当40,000円プラス旅費交通費、

半日(3時間)日当20,000円プラス旅費交通費

 

 

 

3.個別相談業務

 

30分以内 5,000円

30分以上1時間以内10,000円

1時間以上1時間30分以内 15,000円

1時間30分以上2時間以内 20,000円

 

 

4.継続的法務サポート(顧問契約)

 

継続的法務サポート(顧問契約)の契約形式を「法務アシスタント契約」という。

「法務アシスタント契約」の業務は、顧客のための継続的な相談業務をメインとするいわゆるリーガル・アシスタント業務であり、顧客の契約実務に関して相談役・顧問として補佐・助言等を行うものである。

 

「法務アシスタント」業務の報酬は、基本報酬額を月額金2万円〜5万円とし、原則として月額2万円の場合、毎月1回、事前に通知されたテーマにつき意見交換、情報交換、質疑応答を行う。

 

個別案件として、契約書の起案やお客様が作成した契約書案の添削(チェック)、あるいはお客様の取引先から提案された契約書案の添削(チェック)、契約締結時の立ち会い等に関する報酬・日当・経費等は、「法務アシスタント」業務(顧問契約)の基本報酬額には含まれていません。

 

  

  

 

2.法務サポート・顧問契約書(案)

 

 

1.株式会社    (甲)は行政書士清宮寿朗(乙)に、甲の契約実務担当者(丙)のための法務サポート・顧問を依頼し、乙は承諾した。甲と乙は、以下の内容で「法務サポート・顧問契約」を締結する。

2.本契約における「法務サポート・顧問」の業務は、丙のためのいわゆる法的紛争予防及び権利保全のためのリーガル・コンサルタントないしリーガル・サポートの業務であり、丙の契約実務に関して相談役・顧問として補佐・助言等を行うものとする。

3.「法務サポート・顧問」業務の報酬は、基本報酬額を月額金2万円とし、原則として毎月1回、甲の会議室等で事前に通知されたテーマにつき意見交換、情報交換、質疑応答を行う。

4.個別案件としての契約書の起案作成、甲または丙が作成した契約書案の添削(チェック)あるいは一部変更、甲の取引先から提案された契約書案の添削(チェック)、契約締結時の立会等に関する報酬、その他の行政書士業務、日当、経費等は、上記3の「法務サポート・顧問法務サポート・顧問」業務の基本報酬額には含まれず、個別の契約、個別の報酬となる。その報酬額は、その質や量、場所、言語、難易度等により異なるが、甲乙間の継続的法務サポート(顧問)契約の存在及び乙の「契約実務に関する基準報酬額表」を考慮して、その見積もりを行うものとする。

5.甲乙間で締結する「法務サポート・顧問」の最初の契約期間は平成22年 月 日から平成22年 月 日までの1年間とする。契約を更新する場合は、契約期間満了の一月前までに甲乙間で協議をして決定する。

6.乙は本契約締結の日より、その業務上知り得た甲に関する非公知の営業機密・企業内情報の守秘義務について、民事上の責任はもとより行政書士法上においても刑事上の刑罰をもって担保されていることをここに確認する。

7.甲は、「法務サポート・顧問」契約に基づく基本報酬額金2万円を、平成22年3月より月末までに下記の銀行口座に振り込むものとする。別途、個別の契約で発生した報酬については、その個別契約で合意した報酬額を、指定した月の月末に、「法務サポート・顧問」契約に基づく顧問料と合算して振り込むものとする。

以上

【乙の銀行口座】三菱東京UFJ銀行   支店   普通預金口座 

        清宮 寿朗 (きよみや・としろう)

 

(甲)

 

(乙)東京都墨田区緑3−16−9

行政書士 清宮 寿朗

 

 

3.請求書雛形(案)

 

 

株式会社     御中

 

 

平成22年 月 日( )

行政書士 清宮 寿朗

03-5600-4771

 

 

平成22年 月分御請求書

 

 

平素は格別のお引き立てにあずかり、厚くお礼申し上げます。

下記の通りご請求申し上げますのでよろしくお願い申し上げます。

 

1. 月分顧問料 金   円

2.個別案件としての契約書起案(1件) 金  円

合計 金  万円(1+2)

 

振込先  三菱東京UFJ銀行  支店 普通預金口座 

        清宮 寿朗 (きよみや・としろう)

 

 

◇誠に勝手ながら、振り込み手数料は御社のご負担でお願いいたします。

◇お振り込み期限:平成22年  月  日

◇なお、今回のような御請求書の送付につきましては、毎月の基本月額報酬額(月額顧問料)金  円以外の個別案件にかかる報酬が別途発生した場合にのみ送付させていただく予定ですのでよろしくお願い申し上げます。