TVチャンピオ に出場しました









平成12年 11月頃 


平成12年の11月頃、始まりは留守番電話でした。

仕事で外出していて、事務所に戻ると留守番電話を知らせるランプが・・・
再生すると「・・・・の○○です。TVチャンピオンの出場の件で、、、、」という伝言があり、最後に「お電話ください」とのこと。
ところが最初の「・・・・」という会社名が聞き取れない。。。。
しかも相手先の電話番号が途中で切れている!


これは困ったとTV局に問い合わせると「それなら製作会社の○○です」と教えていただいた。
で、電話してみるとTVチャンピオンのインテリア・コーディネート王に出場しませんか?とのこと。



そういえば夏ごろ、我々の所属する建築家のグループに「リフォーム王」の出場者募集のメールが来ており、「出場希望」の返事を出していた。
そのときは簡単な電話審査を受けたが、応募建築家があまりに多く、残念ながら出場は出来なかった。

そのときの担当者が我々の仕事の内容を聞いて「インテリア・コーディネート王の方に出てもらえるかも」と覚えてくれていたのである。



もちろん出場する意思を伝えさせていただき、そのときは終わった。




しばらくすると製作会社の担当の人から電話でいろいろな質問があった。
普段の仕事や、「こういう部屋があったらあなたならどんなことが出来ますか?」といったことから
「今回は大工さんと手元の人一人づつついて行うが、人は確保できるか?」など1回の電話で1時間くらい。
それが何回もあった。





そうして事前審査が終わり、12月になると審査に合格したとの連絡があった。


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出場が決まると現地の下見で東京に。

製作会社で他の出場者と顔合わせをして、簡単な番組の内容を聞く。
そして実際にリフォームする家の見学。

誰がどの家になるかはわからないので、全ての家を全員で見に行く。


最初は製作会社から歩いて5分ほどの新聞配達所の学生寮。
住人の方は学校に行っているので、皆で寸法取りや写真撮影を行う。

次は決勝でリフォームする鎌倉の旅館。
新宿の製作会社から車で1時間半くらいだろうか?
ちょうどお昼になったので、観光地らしきところで昼食。
それから旅館を見学した。

そのあとは千葉県四街道の住宅。
鎌倉とは東京をはさんで反対側である。

浦安のディズニーランドを横目に見ながら渋滞の中を四街道インターへ。
着いたのは5時を回っていただろうか?
冬のため廻りは暗くなりはじめている。

そして東京に戻ったのは9時を回っていたと思う。

なんとも慌しい一日であった。





平成12年 年末   


次に東京に行ったのはクリスマスのあと、本当に年末の押し迫ったときである。
と言うより、実際の撮影である。

前回下見に行ってから約1週間しか時間が無い。

前回東京から戻ってすぐにスケッチを起こし、製作会社に改造の意図を伝える。
そして模型を作成し、向こうの家の方の了解も取らなくてはいけない。

全ての了解が取れると材料運び。
大阪から東京まで材料を送るわけであるが、材木などは長さが4mもある。
しかもクリスマスと言うことで、期日までに配達してくれる運送会社がなかなか見つからない。。。。。

雨の中自分で梱包をし、配送センターまで材料を持参し、12枚の送り状に住所を書いて何とか手配は終わった。






スケッチ-1







スケッチ-2







スケッチ-3







模 型 -1







模 型 -2







模 型 -3






あとは自分の体を運ぶだけ。
事前の撮影等があるため、大工さんとは別に一人で東京へ。。。

【1日目】

移動で一日が終わる。
少し早いお昼にたこ焼きを食べて伊丹空港へ。
飛行機で東京の姉の家に。

【2日目】

朝9時に製作会社に行くと机の上にゼッケンが置いてある。
よくTVで見ていたあのゼッケンである。
10時ごろ、中村有志さんも到着され、出発シーンの撮影。
ここからは全員ゼッケンを着けての移動である。

千葉組の我々は中村有志さんと別れ、四街道へ。
到着して事前打ち合わせを行う。
家の前には看板や時計が立てられ、準備が進む。

大工さん達はこの頃車に道具を積んで大阪を出発。

夜には大工さんと合流して四街道探索。
次の日は朝が早いため、あまりお酒を飲み過ぎないように・・・

【3日目】

朝6時に現地集合して撮影開始!
ここから10時間、いよいよ始まった。


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お世話になった岡本工務店の北林さん。
強力な助っ人です!


プロデューサーの石井さん
本当にお世話になりました。




作業風景とカメラさん。

普段はCCDとこのハンディさんが撮影。
大きな作業のときは良くあるTVの大きなカメラがやってくる。



作業を手伝ってくれたお母さん。
短い時間でしたがありがとうございました。




TVでお馴染みのミスターちんさん。

あまりお話は出来ませんでしたが、やさしくて素敵な方でした。





レポートするちんさん。
大きな工事になるとプロデューサーさんが
カメラとちんさんを電話で呼んでくれる。

2件あったのでレポートするのも大変!



TVでは写らなかった光壁と大工の奥地さん。

時間は正味10時間!
寒い一日で、終わったら完全にダウンしてました。


スタートは朝の7時で、お昼休憩を挟み、終わったのが夕方6時。
それから審査員のチェックや判定があり、そのあと片付け。
我々も持っていった道具を片付けて、終わったのは夜の11時。
家の方はその後も荷物の片づけがあったと思う。

本当にご苦労様でした。


その日はホテルに戻ってぐっすり寝ました。。。


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【4日目】

撮影も終了したため原宿から青山界隈を散歩して、年越しそばを食べて帰ってきた。
寒さと疲れでその後正月は風邪で寝込んでしまった。。。。

それくらい大変であったが、楽しかった。。。











一本の電話から始まって嵐のように過ぎ去ったTV出演。
結果は残念であったが、家の方にはその内容を喜んでいただけた。

よく考えればいきなり知らない人間が来て「建築家です」といって自分の家をリフォームしていくわけである。
その人の作風も人柄もわからない。
「それがTVです。」と言ってしまえばそれまでであるが、家の人は不安も多かったと思う。

前に日記でも書いたが、僕がこの家を選んだ理由は下見に行った時にお子さんの匠君が我々に
「僕の部屋をよろしくお願いします」と言った一言であった。

今思えばそのときからTVであることを忘れ、仕事として家族の人のために精一杯のリフォームをしたと思う。

最後にこの家に住むおばあちゃんから「近かったら家全部のリフォームをお願いしたい」と言っていただいた。
嬉しい言葉です。

宝塚と千葉は遠いですが、いつか必ず訪問したいと思います。


それまで匠君、元気でね!






T O P