〜 1998年4月から、2002年11月まで 〜

競争戦略論、ゲーム理論、コーポレートガバナンス、危機管理、規制改革、ビジネスモデル特許戦略etc.

  キックオフミーティング (1998.4.18)
「競争戦略論」・・・(菊池氏)
 当研究会キックオフに伴い、会の設立趣旨、ビジョン、当面の活動方針の発表が発起人より提示された後に、競争戦略論の概略についての解説が、発起人より発表されました。競争戦略の古典とも言えるポーターの戦略論、コアコンピタンス論についての概略説明が行われると共に、ITの積極的活用についての解説が行われました。またケーススタディとして、競争やIT活用から最も遅れていると考えられる、士業を取り上げ、今後の規制緩和の動きを踏まえて、各関係者が、どう差別化し、付加価値を生み出して事業を展開していくことができるか等について、議論が行われました。 
  セカンドラウンド  (1998.6.13)
「ストックオプション」・・・(茂木氏)
 代表訴訟などハイリスクが予想される取締役や、リストラなどにより既存の将来感に対する期待を喪失しモラルダウンを起こしている従業員に対し、直接的な利益を取得させることにより、インセンティブを与え、これによって、企業自身の業績を向上させるための、1つの有効な手段であるとの認識を得ました。
 ただし、当然にバラ色の魔法の杖であるはずではなく、株価低迷による負のスパイラルの危険性や、能力・実力主義の人事考課の必要性から、日本型の経営風土との乖離などの問題点が挙げられました。
  サードラウンド   (1998.7.18)
「不動産」・・・(天野氏)

 不動産の売買契約・登記・測量から、アパート・マンションの賃貸借契約まで、実務的な発表が行われました。
「少年と暴力」・・・(ディスカッション)
 参加者による体験をまじえた議論が行われました。
 「少子化」「愛情と金銭の対価関係」「コミュニケーションの欠如」「少年法改正」などの、キーワードが挙げられました。
  4thラウンド   (1998.9.5)
「会社設立」・・・(加藤氏)
 会社と個人事業の差異、税金面での優遇措置、また設立(定款・登記)手続について、類似商号の調査、目的の適正、出資金の払込など、法律家的な発表が行われました。
「テポドン」・・・(ディスカッション)
 北朝鮮、危機管理、防衛庁汚職、テロといった、キーワードが挙げられ、冷静な対応と平和ボケの違い、またシビリアンコントロールの必要性という結論を得ました。   
  5thラウンド   (1998.10.17)
「癌」「放射線」「産業廃棄物」・・・(田中氏)
 ガンセンターの資料により、癌の地域特性・死亡率などの興味深いデータや癌の原因として、遺伝子レベル・染色体レベル(細胞のコピー異常)が指摘されました。また、放射線についての説明から、チェルノブイリ・医療被曝等の発表が行われました。
「少年法改正」・・・(ディスカッション)
 少年法の教育と制裁という二面性についての説明から、家庭裁判所や検察官の役割、少年の要保護性(犯罪的危険性・矯正可能性・保護相当性)といった説明を加え、警察の捜査段階での冤罪の可能性、事実認定の対審構造化(検察官の関与)、犯罪少年に対する教育といった問題が提起され、議論が行われました。
  6thラウンド   (1998.11.28)
「地方自治体の財政破綻」・・・(茂木氏)

 東京湾アクアライン・多摩モノレール・飯田と浜松を結ぶ高速道路といった具体的な公共事業について、また、費用対効果、硬直化した行政経営への競争原理に導入による活性化の必要性、都市圏への集中的投資の必要性などについて、議論が行われました。
  7thラウンド    (1999.1.30)
「ゲーム理論」・・・(菊池氏)

 人間行動の「かけひき」の数学的な分析である、ゲーム理論について、中東問題・マスコミ王マードックなど、具体的な事例を用いて、発表が行われました。また、脅しや約束などの戦略活用行動、瀬戸際戦略など、実際のかけひきに応用できるものについて、ケーススタディが行われました。
  8thラウンド   (1999.2.27)
「友好交流会との合流開催」・・・(ディスカッション)

 当研究会の研究成果である、「ゲーム理論」についての発表が行われ、これに対し、友好交流会より、ネットを使った、オープンな運営手法が発表されました。また、「収益還元法による不動産の証券化」など、多岐にわたる、ディスカッションが行われました。
  9thラウンド   (1999.4.18)
「選挙」・・・(茂木氏)

 当会天野氏の父上の、町長(新人)選挙の経過報告、選挙の流れ、身近な公職選挙法、さらにこれからの選挙について発表が行われました。また、立候補者と有権者という、現在ある壁を無くさなくては、政治の閉塞状況を打開できないとの、議論が行われました。
「ナレッジ・マネージメント」・・・(菊池氏)
 センゲの「学習組織となるための5つの修練」など、ナレッジ・マネージメントの沿革から、最近の注目点などについて発表が行われました。某コンサルティング会社での、ナレッジ・マネージメントを活用した、運営手法などについて、ディスカッションが行われました。
  10thラウンド  (1999.6.6)
「水窪町の立直し」・・・(天野氏)
 水窪町(静岡県の北西部)についての概略が説明されました。町長選挙の経緯、結果報告(辛勝・現職町長の巻き返し)、選挙の流れ、選挙活動の実態(公職選挙法の厳格化)、町長当選後の状況(町は二分したまま)ななどが発表されました。また、林業の不振、雇用媒体の欠如、超高齢化、前町長によるバラマキ行政などの、水窪町の深刻な現状が発表されました。これに対し、菊池氏より、某コンサルティング会社の資料を用いて、水窪町の現状に当てはめつつ、意識改革(町役人だけでなく町民自体も)、行政への企業経営の「常識」および評価システム(ベンチマーク)の導入という対応策が発表され、議論が行われました。
 なお、「水窪町の立直し」については、当会の継続テーマとすることが決められました。
  11thラウンド  (1999.8.1)
「コーポレート・ガバナンス」・・・(茂木氏)

 企業価値の拡大(株主の利益保護)を総論(目的)にして、企業の経営監視機構の充実を各論(手段)として、機関(取締役・監査役)の比較、また国際的な比較、さらにわが国の現状が発表され、ディスカッションが行われました。そして、@株主構成の変化(銀行から機関投資家へ)・株式の持ち合い(安定株主)から株主の利益追及(高配当)へ、A株主による経営改善か株主の売却かの選択、B独自の(企業・国家の)文化に根ざした変革・アメリカからの良いとこどり(執行役員・TOB等)など、「企業統治」は株主に向いたものである必要があるとの、結論を得ました。
  12thラウンド  (1999.10.2)
「水窪町の立直し」・・・(ディスカッション)
 「中央直轄」「町村合併」「ディスクローズ」「外部からの改革」、さらに「韓国での地方自治」などのキーワードから、ディスカッションが行われました。
 なお、「水窪町の立直しに関する提言」を作成することが決められました。
「韓国、北朝鮮、そして日本」・・・(朴氏)
 韓国の現状・近現代史、北朝鮮に対する態度、南北統合への対応、日本に対する印象・期待が発表・議論が行われ、また、アジアにおける日本のポジションや、日本国憲法の「改正」についても、議論が行われました。
  13thラウンド  (1999.12.4)
「スポーツ・ビジネス」・・・(小上屋氏)
 まず、スポーツビジネスとは何か(またスポーツとはそもそも何か)について、次いで、スポーツビジネスの主体は誰か(観客、オーナー、スポンサー、メディア、選手など)について、発表・ディスカッションが行われ、さらに、某スポーツチームを素材にしてケーススタディ(短期的・中長期的にいかに運営するか)が行われました。そして、スポーツビジネスとは、そもそも「ビジネス」といえるのか、また、誰のためになされているのかを明確にする必要があるのではないかとの、結論を得ました。
  14thラウンド  (2000.2.5)
「当会のビジョン・戦略について」・・・(菊池氏)

 価値観の異なる人々による知識のインプット(情報交換)が当会の特色であるが、それだけでなく、社会に対するアウトプット(社会貢献)を行うために、ひいては社会変革への提言を行うために、「開かれた”場”」を作り出すことが必要ではないかとの、ディスカッションが行われました。
 また、HPの立上げについて、「差別化」「明確な目的・読者設定」「アイデンティティー」などの重要性が発表されました(茂木氏)。
  キックオフ2000ミーティング   (2000.4.1)

「当会のビジョン・戦略について」・・・(菊池氏)

 社会に対するアウトプット(社会貢献)を行う、ひいては社会変革の原動力になるとのビジョンが示され、そのために経営(戦略)・法律の専門家集団でもある当会においては、「他には無い知識交流の仕方」により、「ユニークネス(唯一)」を確立すべきとの発表が行われ、これに基づきディスカッションが行われました。 

 また、HPの「集客」と「相互性」について、アメリカのネットビジネスの実態を例に挙げつつ、オフラインのビジネスと基本の仕組みは同一との認識が必要との発表が行われました(茂木氏)。

  16thミーティング  (2000.6.3)

「社会保険労務士というお仕事」について(中西氏)

  社会保険労務士の職域についてから、助成金・雇用における最低賃金など、参加者の関心事につき発表が行われ、これに基づきディスカッションが行われました。

「ビジネスモデル特許戦略」について(小上屋氏)

  ビジネスモデルとは何か(インターネットにおけるビジネスの仕組み)、ビジネスモデル特許の是非(プロとアンチ、アメリカのグローバル戦略?)、また国際的な特許訴訟の前夜(?)という問題提起、そしてディスカッションにより一応の解決が出され、特許戦略もまた、ビジネスモデル戦略の一環であるとの認識を得ました。

  17thミーティング  (2000.7.29)

友好交流会「岡山ももたろーど」からいらっしゃった新谷氏が参加しました。

「ビジネスモデル(ビジネスメソッド)特許」、また「ビジネスモデル(企業の事業構造)」について 

 ビジネスメソッド特許については、この分野の特許専門家の不足・特許機関の国際的比較による旧態・サブマリン特許の危険性などをテーマに議論が進み、また最近日本においても、ネットを使用しないでアイデアだけで、特許が認められた事例について話題となった。

 ビジネスモデルについては、IT化(技術的・時間的・空間的解放)、金融化(金融ビジネスとの融合)、(顧客)サービス化などを要素に、企業の事業構造改革が進行しているとの発表が行われた(菊池氏)。

「乳癌にかからない方法(レポート)」(田中宏氏)

  18thミーティング  (2000.10.7)

提携交流会「カフェ・ボヘミア」との合同開催でした。

「逆説IT革命」(風間氏:カフェ・ボヘミア代表)

 「IT革命は諸刃の剣」であること、そしてITのメリット・デメリットをしっかりと認識しておく必要性を、大量の失業者と新たな雇用の創出というアメリカの現状などの具体例をまじえつつ、発表されました。

 これに対し、個人がメディアを通さず情報発信者となれる可能性、また生活者としての利便性の向上などの発言とともに、規制緩和が遅々としていることが「IT革命」の障害となっていることや、またマスコミや政府が煽る、ただでさえ定義付けのはっきりとしない「IT革命」という薔薇色の未来に、はたして実体は存在するのかという発言もなされました。

「水窪町の立直し」(天野氏) 〜懇親会にて

 高齢化・過疎化・地場産業の衰退というトリプルパンチな山村、水窪町の立直しについて、静岡からお越しになった天野氏により問題提起がなされ、数々のアイディアが提示されました。 

 

  19thミーティング (2000.12.9)

 

for Womanとの合同開催でした。

「都市の中の住宅 〜住宅品質確保促進法〜」(古田氏)

 新法(平成12年4月施行)である「品確法」について、その柱となる「瑕疵保証制度の拡充」「住宅性能表示制度の創立」「住宅に関わる紛争処理体制の整備」、また、このような法律が制定されるに至った建築会社の実態・現状が発表されました。

「トラッキング・ストック」(松田氏) 

 ソニーが先駆けて導入を決定したTS(事業部門株)について、日本型TSとしての子会社の配当を対象とする種類株発行の仕組み、また、TSのメリット・デメリットが発表されました。

 「品確法」「TS」については、ディスクローズおよび説明が重要となること、消費者保護と自己責任の調和であるとの一応の結論を得ました。

 

 

20thミーティング(2001.2.3)

 

for Womanとの合同開催でした。 「フリートーキング」

 「年金制度の破綻?」(中西氏・栗林氏)、「韓国のIT・半導体の情勢」(高橋氏)、「保険商品の販売」(大井氏)、「金庫株解禁と株式消却」(茂木)など、各参加者より最近の話題が発表され、これに対する各参加者からの活発なレスポンスがありました。

「2001戦略 〜戦略経営研究会の経営戦略〜」(菊池氏)

 戦略経営研究会の2000年の戦略・目標、そしてこれによる活動について報告が行われました。総じて、2000年当初における目標は、対内的活動(研究会の参加者拡大、FNSの新設、ホームページ、メーリングリストなど)・対外的活動(他の交流会との差別化と提携・交流、交流会全国組織での位置付けの向上など)ともに達成されていました。

 そして、戦略経営研究会の2001年の戦略・目標としては、拡大に対する「拡散」(求心力の低下)というジレンマが提起されつつ、「ヴィジョンのさらなる共通認識化」「GIVE & GIVE」「より深い議論のための分科会の創設」「地方自治体への再建プランの作成」などが提言されました。

 

 

21stミーティング(2001.4.7 〜3周年記念〜)

 

for Womanとの合同開催でした。
  • 全体的な印象につき

 「男と女のかけひき」をケースに、「ゲーム理論」をメインにして、「for Woman」、そして「神戸くろすろーど」を含む多数の参加者により、幅広い領域・観点から、エキサイティングな「情報提供・交換」が行われました。

  • フリートーキング

 「製造業におけるデフレ現象による圧迫」(栗林氏・間山氏)、「IT業界の現状、そしてIPOの功罪」(内藤氏・藤岡氏・松本氏)、「EP3と米中関係の緊迫」(浅利氏)、「自民党総裁選前哨線におけるかけひき」(茂木)など、各参加者より最近の話題が発表され、これに対する各参加者からの活発なレスポンスがありました。

  • 「男と女のかけひき 〜ゲーム理論〜」

 まず、菊池氏より、かけひきという人間行動の数学「ゲーム理論」についての補足的なレクチャーが行われました。合理的人間による相互の「読み合い」、「戦略活動行動」(脅しと約束)など。

 ついで、「男と女のかけひき」について、実体験をまじえつつの、「ゲーム理論」「心理学」、はては「労務管理」という様々な視点からの発表、そしてこれに対する活発な議論が行われました。

  • 「IT何でも相談室 〜デジタル家電は使えるか?〜」(高橋氏)

 現在、注目されている「デジタル家電」について、「はたしてそれを人は便利と感じるか?」という視点から、批判的回答が出されました。

 
  「22ndミーティングに関する報告書」(2001.6.2)
  1. 全体的な印象につき

     社長誘拐や裏社会の進出など「企業の危機管理」について、多彩な参加者により、幅広い領域・観点から、エキサイティングな「情報提供・交換」が行われました。

  2. フリートーキング

     「戦略系の経営コンサルタントのお仕事」(菊池氏)、「法人とは何か?〜法人学説より〜」(茂木)など、各参加者より最近の話題が発表され、これに対する各参加者からの活発なレスポンスがありました。

  3. 「リスク・マネジメント 〜コーポレート・セキュリティ〜」(浅利氏)

 まず、各参加者より、数々の企業にとってのリスクの事例が挙げられました。「お客様からのクレーム」「企業経理担当のタレコミ」「HPサイトにおける誹謗中傷」「ベンチャー企業における財務などへの裏社会の介入」など。

 次いで、サンヨー米国子会社社長誘拐事件を題材に、ケーススタディおよびディスカッションが行われなした。「人命優先」「現場」「情報収集」「交渉」「事件後の影響」など、百説。

 この後、浅利氏よりセキュリティ・コンサルタントの立場から、企業における「危機」の定義や、「危機管理の流れ」などが発言されました。

 そして、「危機に際し企業は何を守るべきなのか?」をはっきりさせておく必要があること。そのためには、「企業理念」の確立が必要であるとの、一応の結論を得ました。

  「23rdミーティングに関する報告書」(2001.9.1)
  1. 全体的な印象につき

     「日本酒」「日本酒業界」「酒税法」「規制改革」について、多彩な参加者により、幅広い領域・観点から、エキサイティングな「情報提供・交換」が行われました。

  2. フリートーキング

     「携帯電話部品業界の投資戦略」(鯨岡氏)、「製薬業界のあれこれ、某社C型肝炎感染製薬について」(勝浦氏)、「商法改正記事の読み方(秋の臨時国会の改正案の説明)」(茂木)など、各参加者より最近の話題が発表され、これに対する各参加者からの活発なレスポンスがありました。

  3. 「規制改革に伴う戦略的ビジネスアクション 〜2003年酒税法緩和〜」(松本氏)

 まず、「規制」の定義付け・・・「規制」=何かを守るもの。しかし、その何かが時間の経過とともに変容する。あるいは、本来の目的を離れて、むしろ弊害となる。・・・現在では、参入障壁、競争の阻害要因と読むのではないか?

 次いで、「日本酒」の現状・・・ 醸造用アルコールが6〜7割入っている 大吟醸、吟醸、あるいは本醸造など、消費者にわかりづらい分類。日本酒製造の難しさ。

「日本酒業界」の現状・・・初めに、「酒販業」(小売店)

について。酒税法の「距離規制」が撤廃されたものの、いまだ、「人口規制」が残る。参入障壁、競争不要で、経営努力なく儲かる。結局、「何もしないのが、一番」に。しかし、規制緩和により、コンビニなどが参入開始。  次いで、「製造元」(蔵)について、日本酒特有の「プレミア価格」という不透明さ。商品と、これに対する適性価格についての情報を阻害。製法の難しさからくる品質の維持と、利益のための拡販体制のり両立しがたさからくるジレンマ。
そして、何より、どちらも、「消費者」(顧客)に向いていない。

 さらに、「規制改革の影響」(酒税法緩和)・・・酒税法緩和においても危機感を持たない、酒販店(小売店)業界は、競争にさらされ淘汰されるのが確実。上記のような経営努力を怠ってきた「酒販店業界」を販路として支えられてきた、「製造元」(中小の)も、当然に淘汰。酒販店であれば、スーパー・コンビニに集約、製造元であれば、独自?の広域展開?できる製造能力と販路をもつ、大手に集約(独占)。

 そして、松本さんから、まとめとして・・・「このままでは、ほんとうにおいしい日本酒は飲めなくなる」、と。

 そのために、消費者ニーズを収集(WEB、試飲会)。淘汰されるであろう中小の蔵元、酒販店を組織化(数の力?)。組織化した蔵元、酒販店にマーケティング情報を提供。酒販店・消費者に商品情報を提供。 ・・・という活動が考えることができ(ビジネスモデル、コンサル的?)、現在、松本さんの会社「シトラシア」がそれを行っているとのこと。

 これに対して、以下のような意見が・・・

 日本酒を飲むモチベーションとは? 日本酒という「商品」のあやふやの払拭は? 日本酒以外の酒(洋酒、ビール、焼酎)との競合は?位置付けは? はたして淘汰が進んでも、消費者へのアプローチはなされるか?

 とりあえずの結論は、規制改革がなされず競争が行われない限り、消費者を向いた商品は生まれない。では、規制改革そしてそれによる生じる競争をいかにすべきか?という、問題提起となりました。

 
  「24thミーティングに関する報告書」(2001.11.3)
  1. 全体的な印象につき

    タイトルは、”暮らしと法律の戦略 〜貸さない、借りない、保証しない〜”でした。 

    内容は、「金銭貸借トラブルを避け、スムーズでスマートな生活をおくるための戦略」でした。

    ただ、「同時テロとアフガン空爆」のディスカッションが長引きまして、24thのテーマにはほとんど踏み込めませんでした。

    ですので、「貸さない、借りない、保証しない」は、今回は予告編に留め、本編は、25thミーティングにて行うこととなりました。

  2. フリートーキング

    ■ 松田くん >>出版業界のイイ加減さ
                ・・・契約書なし、原稿料出版後という危うさ
    ■ 岩上さん >>新事務所についてのお話し(祝!)
                ・・・士業の事務所移転のあれこれ
    ■ 丹下さん >>大阪経済の停滞
                ・・・現在、毎週平日、大阪出張中
    ■ 阿部さん >>行政書士資格試験の講師のこと
                ・・・資格試験業界のあれこれ
    ■ 古田さん >>来年の事業展開のさわり
                ・・・風船パーティの概要
    ■ 浅利さん >>テロ関連のお話し
                ・・・テロに関する講義の依頼、殺到!
    ■ 菊池さん >>経営コンサルタントのお仕事
                ・・・リストラ、コスト(雇用)削減の手法、現状

    ■ 茂木 >>「IT」の定義についてディスカッション

    「IT革命」「IT不況」というが、
    そもそも「ITの定義」付けができていなくては・・・、ということで。

    で、「ITの定義」についての参加者からの発言・・・
    小学生にも説明できるように10文字以内という制約をかけました。

    ■ ミスを少なくするためのアイテム
    ■ コンピュータが積み重なったもの
    ■ ボタン付きの流しそうめん
    ■ ドラえもんのポケット
    ■ リアルタイムでの情報配信
    ■ SCMといったような効率化・迅速化のためのツール

    ・・・といったものがありました。

    また、菊池さんより経営コンサルタント的立場から・・・

    ■ ユニクロのIT活用というお話し。
        究極のCRM(市場調査・顧客管理)&SCM(製造・物流管理)。
        お客さんの要望が、直接ユニクロの事業に反映される。
        また、徹底したペーパーレス。

    ■ 「作業のIT化」と、「仕事の知性化」について。
        いかに、単純作業をコンピュータにまかせるか、
        そして、人の仕事を付加価値の高い、専門的なものとしていくか。

    そして、浅利さんより危機管理コンサルタント的立場から・・・

    ■ CIAのIT化の弊害というお話し。
        ○シュ○ンなどのIT活用の情報収集でなく、
        情報と情報の人的直接的なバーターの必要性など。

    ・・・この場合の「IT」は、
    「コンピュータ(人の作業の代わりをする)」
    「コミュニケーションツール」といったあたりの意味合い。

  3. 「同時テロとアフガン空爆」についてのディスカッション。(情報提供:浅利さん)


ディスカッションの大筋ですが・・・
「テロとIT」というところから始まりまして、
「テロによるIT活用が進めた”効率化””迅速化””グローバル化”の破綻?」、
逆に、「IT活用によるテロネットワークの可能性」。
また、「軍需革命と考えられるような現状」という流れでした。

具体的には・・・

■ ガスマスクの効用?
■ 盗聴機あれこれ。
■ 一定範囲の空気中の酸素を無くす新型爆弾。

・・・というあたりから、

■ テロリズムによる国家の破壊。
■ ・・・という幻想を持たせての金儲け。
■ テロリズムの定義。
■ テロリズムの培養の土壌。
■ 日本の平和ボケ。
■ ・・・では、何をしたらよいのか?
   そもそも、個人が、
   サリン攻撃や、ジャンボ機攻撃を回避できるのか?

・・・というあたり。

で、「生」とか「死」まで。生き方まで。
さすがに、まとめられませんでした。

次いで、「貸さない、借りない、保証しない」の予告編、『少額訴訟の起こし方』。
(情報提供:茂木)


お題として、
「友人に10万円を貸し、1年が過ぎましたが、なんの音沙汰もありません。
あなたなら、どうしますか?」 ・・・というものでした。

つまりは、
債権回収をいかに図るかということです。

ただ、そもそもとして、
「貸さない」ことが1番という前提を提示しました。
たとえば、債権の取り立てには、「プロ」がいるように、「アマ」ができると考えるのは、どうか?、と。
・・・あるいは、「上げた」のだと割り切って、と。

で、手法ですが・・・
まず、
■ 借用書など書類があるかどうか?
   ・・・借り手に、金額、年月日、貸してを自署させて、
     印鑑が押させてあるか。

ついで、書類(証拠)があるときは、
■ 催促。
   電話→郵便→配達証明付き内容証明郵便
また、
■ 金銭債権の消滅時効の中断の措置。

そして、それでも返さないのなら、
■ 少額訴訟の提起(30万円以下、金銭債権に限り)など。


で、書類(証拠)がないときは、
■ 証拠を作り出す(相手に債権の存在を書類で認めさせる)。

・・・というような、情報提供でした。

ただし、訴訟で勝っても、その後は、「執行」(差押え)の手続きとなる。
また、相手が無一文であれば、
(代わりに払ってくれる人がいない限り)取り立てることはできませんが。


・・・というような内容の予告編でした。

  「25thミーティングに関する報告書」(2002.2.2)
1.全体的な印象
2001年の総括と、
「マンネリに陥らないため」
「コア・メンバーを拡充するため」
「社会的なカタチを作り出すため」の、
2002年の運営手法とテーマについて、ディスカッション。
・・・でした。
で、こちらに時間をとられ、サブテーマは駆け足で。
2.フリートーキング
参加者全員による恒例の「近況報告」・・・
■ 外相更迭 >>首相がさらに刺激的なパフォーマンスに出るのでは?
■ 危機管理 >>たとえば、雪印。損失回避を利益と考えていない。 
■ 自衛隊 >>テロ対策講義が始まるとのこと。
            
■ 生保業界 >>顧客情報の管理の甘さ。
■ 金融機関 >>破綻の日常化。もともとの資金繰りの観念がない。
            ペイオフのリスク。
                    
■ 起業 >> 補助金、公的融資と、事業計画。
■ 財務戦略 >>債権売買。
3.”戦略研2002年アクションプラン策定”のディスカッション
大筋としては、
@2001年の総括、
A会のビジョンの再確認、
B2002年の戦略、そして具体的アクションプランという流れでした。
まず、@「2001年の総括」としては、
情報交換の場として「継続」性は果している。
しかし、
テーマが一巡しインパクトが少なめ、
メンバーが多忙な方が多く、リピート率が低下、
「会」そのものの動きがみられない、という問題が提起されました。
・・・また、2001年は総括すると、「停滞」期ではなかったか、と。
・・・メンバーからは、
「議論の時間を明確に」
「Out Putを出す」
「多様な価値観を尊重できるところにみるべきところがある」
「実績を、目にみえるかたちで 〜メルマガの活用など」
「シンクタンク化」
「年間通しての企画 〜アンケートなど集計」
次いで、A「会のビジョンの再確認」として、
代表より、
「大仰かも知れないが、社会変革である」と。
そして、そのために、
「おもしろい人を集め、おもしろい人たちの話し合いにより、
互いによりおもしろさを向上させ、これにより会そのものをよりおもしろくさせて、
社会にアクションしていく」との、使命。
そして、B2002年の戦略となり、
漸進的な成長のための、
(質的な向上と、活性化のための量的な要因につき)
1) マンネリ化の克服
2) コアメンバーの拡充
3) 何かしらの会の活動としての「カタチ」というのが挙げられました。
具体的アクションプランとしては、
1) マンネリ化の克服として、
   インパクトのあるテーマの選定。
   「ディスカッション・テーマ」として、おもしろいもの(政治ネタも含め
て)。
   メンバーによる「発言テーマ」としては、
   たとえば、
   小泉首相と行政評価システム
   リーガル・リスク・マネジメント(生活教育)
   地域活性化と都市との交流
   危機管理
   ソフトウェア
   ・・・というのが考えられる。
しかし、ミーティング1回だけでは、
定義の刷り合せと、問題提起という議論の入り口までとなり、
いままでの繰り返し。
また、定例のミーティングでは、初参加の方など、メンバーの入れ替えがあり、
継続的にテーマを扱うのが難しい。
ただ、いったん自分の商売を離れての、
話し合い、議論のニーズというのは、存在する。
この構築してきた、議論系というインフラを活用できないか。
   
・・・というところから、
少人数で、集中的に、あるテーマを議論し、まとめ、提言としていく、
「分科会」の発足が有用ではないかと。
>>この提案につき、浅利さんより、「危機管理」についての
戦略研との共同作業の申し入れがありました。
そして、これが・・・
2) コアメンバーの拡充
積極的な参加意識へ。
メンバーとして何を求められ、何をすべきか、という刺激。
3) 何かしらの会の活動としての「カタチ」というのが挙げられました。
・・・「研究会」的要素の特化につながるのではないかと。
その上で、
FNSだけでなく、定例ミーティングについては、
人脈形成と情報交換という「交流会」的要素の特化ができるのではないか、と。
3.「貸さない、借りない、保証しない」の本編『保証人のリスクとは?』
情報提供 : 茂木
お題として、
保証人のリスクには、何があるのでしょうか?
ex.10年来の友人から、
「どうしても、今月200万円が必要なのだ。
お前だから頼むんだ。迷惑はかけない」と、保証人になることを依頼されました。
友人は、
「名前だけ借りるだけだ」とか、
「実家の父親は、不動産を持っているから、大丈夫だ」とか、
言いながら、泣き始めてしまいました。
あなたなら、どうします? ・・・というものでした。
まず、金銭消費貸借という契約について、
そして、これに保証契約が合わさると、どうなるかについて、
法律面から説明しまして・・・
次いで、実際の契約書(街金)のそこに書く意味、書かれている意味について・・・
そして、このような意味があまりわからず、
署名し押印することの危険性。
また、プロ対アマでは、抵抗できないということ。
さらに、通常の保証人と連帯保証人のリスクの差・・・
というよりは、連帯保証人は、借主(債務者)の立場と変わりがないこと。
また、貸主(債権者)は、むしろ連帯保証人の資産を狙っている可能性。
そして、これに「利息」がからめば、無限責任の恐ろしさが現れる。
で、結局、
MLでのみなさまの回答のとおりの対応が適切であること。
「つっぱねる」「友人関係終わり」
「せめて、有限責任化する(直接貸す、一部のみ保証の明記など)」
なによりも、
「契約の段階で、しっかりと説明を受け、
一方的な不利となっていないか、チェックし、
トラブル(リスク)を事前に回避するようにすべきであろう」と。
・・・個人の生活におけるリーガル・リスク・マネジメントの意識の必要。
・・・というような感じで、
あっという間の3時間でした。

 

 
「26thミーティングに関する報告書」(2002.4.6)
1.全体的な印象
近年よく見かける職業「経営コンサルト」。
なんだかんだと、
システム構築やら、企業間の提携交渉やら、リストラやらで、
引く手数多のようです。
では、その人達が、どんな考え方で、
そして、どんな方法で、仕事をこなしているのか?
について。
・・・でした。
ただ、参加人数ありがたいことに20名を超え、
近況報告に時間を割きましたので、ディスカッションはほんの少々。
2.フリーディスカッション
■ ザ・外資 >>アメリカの尖兵たる新生銀行??
■ 商法改正 >>新株予約権など、4月1日施行とのこと。 
■ 暴力団・W杯 >>とくに、W杯でのテロの危険性。
            
■ EDI >>eコマース。ネットセキュリティや認証などの問題。
            
■ 検索システム >>構文解析による。マーケティング活用など。
■ 営業 >>士業の業務範囲としてタイムリーなもの。
■ 村における事業再建 >>また、指紋認証システムなど。 
・・・などなど。 
3.”経営コンサルタントのお仕事って?”
  発言者:菊池慎一郎さん(経営コンサルタント)
大筋としては、
@経営コンサルタントの業務の種類・流れ、
A経営コンサルタントの種類・特性、
B競争戦略
C経営コンサルタンの営業ペーパー
D経営コンサルタントの実態、という流れでした。
まず、@経営コンサルタントの業務の種類・流れとしては、
        外部環境
ミッション→        →自社の能力等→戦略の立案→実行
        業界内環境    の評価   ・選択
・・・という種類と流れとのこと。
また、「経営管理」(会計?)
「ビジネス開発」(新規顧客開拓など)
「人材管理」(評価制度など)
「生産管理」(SCMなど)
「知財管理」(ビジネスモデル特許など)
「公共系管理」(学会など)
・・・といったものも。
具体的には、
        外部環境
ミッション→        →自社の能力等→戦略の立案→実行
        業界内環境    の評価   ・選択
         ↑                  ↑
     マーケティング・調査           営業強化
                   ↑    ↑
                 業務分析  システム         
・・・とのこと。
マーケティング・業務分析・戦略立案というあたりがメインとなる。
ただ、ミッションそのものをコンサルタントに任せる企業もあり、
一方、営業そのものをやるコンサルタントもあるとのこと。
そして、コンサルタントの受注としては、
セミナー等 → 個別 → コンペ → 受注 → Kick Off
  開催     提案    など
・・・という流れとのことでした。
次いで、A経営コンサルタントの種類・特性として、
「戦略系」
「会計系」
「人事系」
「システム系」
「シンクタンク系」
「中小企業や特定業界などを対象系」
・・・など、経営コンサルタントといっても多義的であるとのこと。
また、システムとしては、
「ERP」 ・・・全社支援管理システム
「CRM」 ・・・お客さんとの関係を円滑
「SCM」 ・・・効率的な生産管理
・・・といったあたりが売られている。
そして、5年ぐらい前までは、
戦略系・会計系と呼べるような(菊池さんの会社のような)、
コンサルタント会社がかなりがんばっていた(シェア?)が、
現在は、システム系(たとえば、IBMや富士通など)が、
コンサルタントのうまみに気付き、「逆襲」に転じているとのこと。
そして、B競争戦略のお話しとなり、
主には、「差別化」(と集中化)であり、
いかに、コアコンピタンス(企業の中核能力)を、
高められるかということであるとのこと。
具体例としては、
ソニー ・・・小型化・デザイン
ホンダ ・・・エンジン
トヨタ ・・・ジャストインタイムの生産体制
・・・というように。
また、業界の参入障壁や、コストダウンにいかに耐えられるかなどをもって、
競争戦略(ポーター提唱)を練ることになるとのこと。
さらに、C経営コンサルタンの営業ペーパーが配られ、
「高効率化office実現のためのショートレビューのご提案」というタイトル。
内容としては、
1)煩雑・非効率な事務作業の現状を、
2)仕事の知性化(付加価値業務へのシフト)、
(定型的)作業のIT化・外部化により、
3)高効率化し、
余力の創出とコアコンピタンスへの集中を図ろうというものでした。
・・・これにより、景気の変動による、
人員の余剰と不足を最低限に回避できないかと。
・・・ただ、含意としては、「人員削減」ということ。
(菊池さん、このへんが多いとのこと。
企業内部による人員削減は、経営陣も進めづらいときがあり、
その外部よりの代行者として、コンサルタントに依頼がなされるとか)
さらに、D経営コンサルタントの実態について、
「コンサルティングの悪魔」(徳間書店)
「ザ・コンサルティング・ファーム」(日経BP社)
・・・という書籍が紹介され、
「知ったかぶりと騙しのプロ」との引用がありました。
(経営コンサルタントに、企業が1時間に支払う料金についての
発表には、参加者一同より、どよめきが)
また、経営コンサルタントの資質として必要なものは、
「専門性」
「体力」(ここがもっとも強調されていました)
「ねばり」
そして、「お客さんに断言できること」
・・・とのことでした。
(ですので、コンサルタント会社は入れ替わりが激しい、と)
・・・というような感じで、
あっという間の3時間でした。
さて、参加者からのDMを紹介します。
実は、まとめの段階で、警報装置が鳴り響き、
危機管理・浅利さんの誘導のもと、参加者全員、会議室より、
速やかに退去ということがありましたので、「まとめ」の代わりとして。
『コンサルタントは詐欺商売?』との件名で・・・
『○年ほど前、○○にある中堅のコンサルタント会社のK専務
曰く「ちょろっと話してガボット金が入る、こんな商売はやってられない」
これは詐欺だと言わんばかりでした。
きのうの菊池氏の話を聞いて改めてその確信を得ました。
そう言うわたしもその一人かも知れません。
K専務は「こんな人を騙すようなことはやめよう」とさっさと
新たな事業を興し急成長し素晴らしい業績を続けています。』
私見(HP編集者)としては、「騙し」の側面もある一方、
企業風土などが固定化して経済の現状に合わなくなったときなど、
「外部からの評価」「客観的な思考」により、
企業の再構築なり、抜本的革新を図るときには、有用でないかと。
  「27thミーティングに関する報告書」(2002.6.1)
タイトル、
”地域活性化って? 〜水窪町の場合〜” 
概要は、
地域活性化って、よく言われてますが、
じゃあ実際その「地域」では、
何が行なわれて、何が行なわれていないのでしょう。
そして、「地域」の現状・問題点を認識し、
「地域」の少なくとも「独立・循環したシステム」を確立するためには。
・・・でした。
今回は、当会メンバー・天野さん(父上が町長)の住む、
山間交通不便・主産業林業・高齢者比率高というトリプルパンチの
水窪町(静岡)をケースとしました。
http://www.enshu-net.or.jp/hokuen/index.html
これにつき、12名のご参加により、
活発なディスカッションが行われました。
さてさて、ミーティングですが・・・
菊池による、
Strategic Planning<戦略経営研究会>の趣旨説明・・・
参加者全員による恒例の「近況報告」・・・
■ 格付け >>ボツワナより下? ボツワナっどこ??
■ 知識の丸憶え >>資格予備校での受講生について。 
■ 新株予約権 >>商法だけでなく、税法も考えないと。
■ 違和感 >>従来サイレントマジョリティからの発言。
■ 水窪 >>アユ解禁。
■ みずほ銀行 >>まだまだ、障害は続く?
■ 大学教員 >>これからは、様々なことをこなさないと。
■ ケータイ >>第3世代? 使い手の立場は??
・・・などなど。 
さて・・・
”地域活性化って? 〜水窪町の場合〜”の茂木の発言となりまして・・・
大筋としては、
@資料から水窪町のイメージをつけてもらう、
A現状認識から問題点を抽出、
B天野さんの水窪での葬儀ベンチャー立上げ、
C水窪町における地域活性化とは。
(随時、発表の後、ディスカッションとなりました)
まず、@資料から水窪町のイメージをつけてもらうとしては、
「自然的特性」 ・・・静岡県の西北端に位置する。山間。
            わずかな河岸段丘や、河川に沿った急峻な傾斜地に道路が開かれ、
            集落が点在している。
「歴史的特性」 ・・・縄文・弥生時代から、集落は存在。
            史料に登場は、後醍醐天皇の皇子の流浪先と、武田信玄の進軍。
            
「人口特性」  ・・・平成12年 3723人 
           昭和30年(ピーク時) 10947人
           
           今後の推計 平成24年 2651人。
           現在、年間100人のペースで、人口が減少。
           新規学卒者を中心とした若年齢層の流出が続く。
           高齢者率(65才以上)
           平成12年 35.2%
           今後の推移 平成24年 47.4%
           なお、平成24年の14才以下の率は、3.8%
            
           過疎化・少子化・高齢化の進行。
           労働力の低下とともに地域社会の活力が奪われている。
「経済的特性」 ・・・第1次産業「林業」
            古くからの代表的な基幹産業であったが、
            生活環境条件の厳しさと、木材の価格の低迷により、長期的に不振。
            (外材のほうが安く、水窪のスギはブランド力もない。
            また、森を経営するほど、赤字が出る)
            第2次産業「製材業、自動車部品、建設業」
            労働力確保の難しさ。消費地と遠隔におかれる地理的条件の悪さ。
            第3次産業「商業」
            飲食料品や衣服、雑貨などの日常生活必需品の販売を主体とする
            零細な個人経営がほどんど。
            (大手コンビニなども、その地理的な条件の悪さなどから進出していない)
            ただし、小畑・神原・水窪・向市場の4自治区が連なる2714人の水窪地区の
            中心部は、町内最大の人口集積地であり、商店街が形成されている。
            このため、消費購買において、37.6%が町内にて購入。
            (それ以外は、浜松市、浜北市、天竜市などにて購入)
            また、隣町・佐久間町からの購入者がけっこういる。
「交通特性」 ・・・JR飯田線(愛知県豊橋〜長野県飯田)
          JR東海バス(水窪〜天竜〜浜松)
          国道152号線(飯田〜水窪〜天竜〜浜松)
          上記3つの交通手段しかないといえる(ただし、JRバスは廃止の方向)
          古くは、飯田〜水窪〜天竜〜浜松は、山と海とをつなぐルートとして、
          つながりは盛んであったが、現在、飯田〜水窪のルートの交通量は少なくなっている。
          (水窪が、国道152号の事実上の”終点”となっている)
          ・・・なお、三遠南信自動車道の構想が存在する。
ここまでで、参加者からは、
「かなり悪い状況とは考えてきたが、ここまでとは・・・」
「かりに、これが企業であれば、撤退をしなくてはならない」
(ごく単純に費用対効果で考えるのならば)
また、
「地域活性化よりは、いかに中央から税金を分捕るか
(この地域への配分を増やさせるか)しかないのでは?」との発言がありました。
「行政組織」 ・・・職員数 87人。
           同一規模の町の平均値より、職員数若干多め。
           (町の雇用媒体としては、最大と思われる)
 
           議員数 11人。
           (ちなみに、東京板橋区は、約50万人の人口に対して約50人)
          財政(平成11年度)
           歳入 39.4億円
           (地方税 3.4億円、地方交付税 19.7億円)
           歳出 37.1億円
           (人件費 7.4億円、公共事業 13.0億円)
           同一規模の町の平均値を上回っている。
          町債は、35.3億円。
          なお、町の収入としては、年金が重要。
            年金収入 13億円。誘致企業給与 20億円。建設業 12億円。
      
次いで、A現状認識から問題点を抽出として、
ここで茂木より、
「現在の国の財政状況から、地方交付金の削減が考えられる。
水窪町の財政状況に当然影響が出る。
また、町の収入としての、年金にしても、先行き不透明である」
との発言がありました。                     
また、「住民数のこれ以降、増加は考えられないのではないか?」
「なにより、若年層の流出に伴う、少子化は止まらないのではないか?」
(町は、Uターン・Iターンのために補助金を出す制度を持っていますが、
ほとんど機能していない)
そして、「産業としても、1次産業の林業が上向くとは考えられず、
2次産業の製造業は、製造業の空洞化にもあるようにあえて水窪町に進出するとは考えられず、
また、建設業にしても、公共事業費の削減は避けられない」
「3次産業の商業については、
そもそも零細の商店ばかりなので、コスト的に経営の継続は可能であろうが、
人口の減少に伴う、購買数の減少が起こっている」
参加者より、
「町の利害構造の複雑さもうかがいしれる」との発言。
さらに、参加者(静岡・天竜在住)より、
「閉鎖的な地域であり(自然的要素や交通的要素以外でも)、
また、住民は、それでも現状生活は可能であるから、無気力となっている」との、
発言、がありました。
B天野さんの水窪での葬儀ベンチャー立上げにつき、
上記のような問題点の抽出に対して、参加者より、
「たとえば、福島県のある山村では、
隣接の都市との交流、また国際的な交流により、活性化をはかっている。
なにより、文化的な要素での交流が注目される」との発言がありました。
また、
別の参加者より、
「財源・財政の地域への移譲を進めるべき」と。
「行政評価により、住民の満足であったり、不採算部門の洗い出しが必要」と。
さらに、
菊池さんより、
「戦略として、ニーズ・カスタマー・テクノロジーを考えるべき・
ニーズとは、どうして水窪なのか?
カスタマーとは、ターゲット・顧客。
テクノロジーとは、顧客ニーズを満たすために何ができるか?」との発言。
ここで、茂木より、
今回のディスカッションの方向性として、
「地域における”独立”と”循環”」が必要ではないかとの発言がありました。
すなわち、
「過疎・少子・高齢であっても、地域が持続的に存在できる」
そして、「その存続のために、地域における経済のサークルの確立。また都市との交流」が、
必要であるとのことです。
さらに、茂木より、
水窪での「地域活性化」のためともなる、
戦略研メンバー・天野さんによる、「葬儀ベンチャー立上げ」の発表がありました。
従来水窪では、葬儀の際、農協に依頼することがほとんどであったが、
農協は、葬儀関係の商品(香典返しなど)を、
水窪ではなく、他の地域より購入していた。
これでは、水窪の資産が他の地域へと流れることとなる。
そこで、「冠婚葬祭業を営み、顧客(地域住民)と地域社会と会社の幸福の最大化を図る」との経営理念から、
「地元の地元による地元のための葬儀屋」の立上げとなった。
そして、葬儀関係の商品は、上記の水窪の商店街からの購入を行っている。
開業して半年足らずであるが、
町の葬儀・法要のシェアの30%を占めたとのこと。
また、町民にも、好評であるとのこと。
さらに、現在、天野さんも含めて3人での事業であるが、
忙しくなってきたので、雇用(アルバイトながら)も検討中とのこと。
C水窪町における地域活性化とは
・・・といったような、天野さんのビジネスは、
水窪町における活性化の一つの指針となるのではないか、と。
すなわち、「住民意識の変革は難しいことである。
しかしながら、誰かが先頭に立って行動を起こし、これについてくる人々が、
徐々に増えていくというところからなのではないか?」
また、「サービス産業への着目が重要ではないか?
若年層を労働力としなくてもこなさせることから」
そして、「町の中で、町のお金が循環するという仕組みを作っている」
・・・といった点がすばらしいとの
「天野さんの葬儀ベンチャー」に対する茂木の発表でした。
また、「水窪町における観光業」という茂木からの提案がありました。
「自立する地域」(ぎょうせい)より、
「高齢者の生きがいづくりと観光」」との
愛知県足助町のサンプルをまず紹介しました。
・・・過疎地域・足助町の地域づくりは、行政・住民・観光協会などが
連携をとりつつ、高齢者対策や地域文化の保存・継承という地域課題の解決を
観光を生かしながら行ってきた点に特徴。
また、
観光資源として、
「山・森・川」
「水窪祭り」「国盗り綱引き」
「シカ・イノシシ・栃餅・しいたけ・そば」
そして、「民話」といったものが考えられる、と。
問題点は・・・
水窪町は、観光施設として、
「小和田公園」「カモシカ観察施設」「水窪民族資料館」など(ハコモノ)に投資を
したが、
どれも、経営的に破綻していることから、
住民すら観光事業に懐疑的。
また、なによりも、住民は「水窪は、な〜んもないとこら〜」と。
さらに、観光事業は、
1次産業的な、天候・季節の変化、
2次産業的な、施設など先行投資、
3次産業的な、労働集約型からくる人件費、
といったリスクを負い、PR活動を必要とする。
しかしながら、水窪に4度ほどお邪魔している、茂木としては、
「そのなにもないところ、また、あまりにも田舎であることが、
都市の住民的に、すばらしく、ノスタルジアを誘う」との、
個人的意見。
そこで、外部との交流による刺激、
また、外部の人間に水窪の価値を再評価してもらい、
ハードよりもソフトを重視し、
そして、高齢者のいきがいとなる装置と考え(雇用とまではいかないまでも)ての、
観光事業はありうるのではないかとの、茂木の提言でした。
また、参加者より、
「隔離された地形であれば、
VIPのための機密性・安全性の高い静養地となるのではないか?」
「閉鎖された購買圏の存在から、
地域通貨の導入に向いているのではないか?」
との、提言もありました。
・・・というような感じで、
あっという間の3時間でした。
そして、参加者の間で、
「水窪活性化メーリングの立上げ」と、
「水窪ツアー」(実際にどんな状況かみてみよう)のやり取りがありました。
追加補足・・・ 「市町村合併」について
現在、水窪町においては、
隣町の佐久間町との合併のお話しがあります。
地域特性としては、水窪町と佐久間町は近似しています。
・・・水窪住民に言わせると、水窪が派手で、佐久間が地味とか。
佐久間町は、もともと「昭和の大合併」でできた町なので、
6000人という人口です(ただし、年間100人ぐらいの減少が続いています)
・・・佐久間町には、
人口の中央集積地と水窪町と比べると呼べる程のものもなく
また、各地区ごとが別々の連帯・分科を持っているとのことです。
そして、佐久間町には、公共施設として、
「県立佐久間高校」と、
「県立佐久間病院」が存在します。
・・・高校は、水窪町からの中学卒業のほとんどを吸収し、
病院は、水窪町で入院の事態のときは、ここだそうです。
また、佐久間町には、商店街も水窪町に比べると小規模であるので、
佐久間町から水窪町への購買者が多いとのこと。
・・・逆に、水窪町から佐久間町への購買者はほとんどいないとのこと。
このような諸点から、
地域としての近似性も高く、相互補完的でもあるなどとして、
「合併調査研究会」が設けられています。
この調査研究会は、
合併のメリット(行財政の面)としては・・・
・合併特例法による国県の財政支援が受けられる(10年ほど)
・生活環境基盤設備や道路整備につき、市町村合併支援プランの支援が受けられる
・職員・議員の減員が行える
デメリット(行財政の面)としては・・・
・戸籍。印鑑証明発行などの電算システムの統一化などの新たな財政支出の発生の可能性
・税や料金などの住民負担の軽減(住民にはメリット)
・補助金や奨励金などの給付の向上(住民にはメリット)
・・・としています。
合併により、両町の「負担」の軽いほう、「給付」の厚いほうが選ばれます。
・・・との茂木からの発言がありました。
どうも、合併のメリット・デメリットがわかりづらいとの印象。
なお、2005年3月が、財政支援策を盛り込んだ市町村合併特例法の期限となっています。

 

  「28thミーティングに関する報告書」(2002.9.7)

”最近気になる危機管理” 

概要は、
「危機管理という単語をご存知でしょうか?
ご存知だとしても、
各人各様にその単語は使用されているのではないでしょうか?」
・・・という感じと、
「9.11事件後の、世界におけるテロの情勢。」
・・・という感じでした。

これにつき、11名のご参加により、
白熱したディスカッション&ディベートが行われました。


さてさて、ミーティングですが・・・

まず、参加者全員による恒例の「近況報告」・・・

■ 西日本交流会縦断ツアー>>各地域の特徴
■ 防災訓練にあけくれる日々>>パフォーマンス的で実戦的でない
■ 幼稚園にて保母さんにパソコン教授>>児童にも教えたい
■ 組織作りに興味があります
■ 某生保の資本提携
■ 不良債権ってどんな感じか
■ 理念・ビジョンの経営者・従業員の共有による組織の構築
■ 商号にアルファベット・算用数字が使えるようになる
■ 事前決算のお話し。コストカットのため危機管理予算を全額カットのお話し。
■ 転職

・・・などなど。 

また、
「危機管理というキーワードからイメージするもの」というお題に対して・・・

■ 想像を膨らませること
■ IT・PC関係。データ管理
■ 他人からみるととんでもないことなのに本人は気付いていない
   >>他人から客観的な意見を聴くこと
■ 生命保険。また、企業の2代目・3代目の危機管理の甘さ
■ 危機管理の対象として、身の回りと会社が考えられる
■ 若王子さん誘拐事件。また、答えのみつからないもの。
■ 書類でのやりとりでの防御
■ 会社であれば、とにかく倒産させないこと。キャッシュフロー。
■ 全銀協でのデータ管理の実態

・・・などなどでした。
・・・企業を対象とするお答えが多かったですね。でも、ばらばら。


さて・・・
”最近気になる危機管理”の
浅利さん(危機管理コンサルタント会社代表)の発言となりまして・・・

大筋としては、
@ 日本危機管理学総研の紹介
A ディスカッション「あなたならば、どうする?」
B 9.11について
・・・でした。


まず、@日本危機管理学総研の紹介としては、

前提として、「人の命を守る」ことをもって。「危機管理」と考えている。

1) 危機管理理論の研究
   「危機管理」というキーワードの共通定義の構築。
 
2) 事例の研究
   現在は、池田小学校事件を、
   「事前予測」「事前対応」「即時対応」「2次的対応」などの
   カテゴリーにて、分析研究。
   
次いで、Aディスカッション「あなたならば、どうする?」として、

お題「深夜あなたの家の玄関をどんどんとたたいている人がいます。
   どうも女性らしく、「助けてください」と叫んでいます。
   あなたならば、どうしますか?」

■ とりあえず、家に入れる。事情を聴く。
■ 水商売系は、×。ヤ○ザがからんでるかもしれないから。
   110番に電話する。
■ 扉越しに事情を聴く。また、その住宅の周辺の治安環境にもよる。
■ その女性の近くに人がいるようならば、×。
■ バットなどを持って飛び出す。
   もともと住んでいたのが田舎なので、困っている人がいれば助ける。
■ 実際住んでいるのマンション。とにかく扉越しに外の状況を確認。
   また、なぜ、自分の家に助けを求めるのか確認。
■ 助けを求められたら断れない。とりあえず、チェーンをして、扉を開ける。
■ 助けない。110番へ電話する。

・・・などのお答え。

とりあえず、模範回答としては、
「扉を開けずに、110番」らしいのですが、
それでも、浅利さんによると、「危機管理に答えはない」とのこと。
・・・状況・情勢によるということ。


B9.11について、

1) 9.11までの流れ。

   決して突発的な事件ではなく、根は深い。
   もともと、アルカイダによる事件は頻発しており、兆候はいくらでもあった。
   テロというよりは、アメリカという集団と、アメリカを否定する集団の対立。
   ・・・たとえば、オウムの事件がそうであったように。

2) 9.11がもたらした恐怖

   カウンターパンチというよりは、ボディブローではなかったか。

   インパクトはあるものの単発的な事件というよりも、
   9.11後の経済活動へ深刻な影響を及ぼすものではないか。

   グローバリゼーションや国家による安全保証(あるいは、という幻想)の
   崩壊。
   ・・・たとえば、再保険、不動産の証券化、SCMなど。

3) これからのテロの可能性

   同規模テロの1年以内発生の可能性あり。
   ・・・テロリストの経済力や心理的な部分から。
   ・・・パフォーマンス性が上がっている。

   しかし、テロについては、
   「おきるかおきないかでなく」
   「いつか必ずおきるとの認識を前提に、対応を考えることこそ重要」
   とのこと。

   また、日本が標的にされる可能性は高まっている。
   沿革としては、
   オウム事件もあり、
   そして、1994.12.11の沖縄上空でのジャンボ機の小規模爆破に
   端を発する、
   アジア発アメリカ行きの12機のジャンボが狙われた「ボジンガ計画」
   もあった。

   つまりは、先進国(アメリカ・グループ)の中で、
   日本がもっとも警備が弱い。
   たとえば、標的として、横須賀の米海軍基地。 
   貿易センタービル。霞が関ビル。
   

ここで、ディデートとなりました。

「テロに対して危機管理は可能か否か」について。

■ 日本でのテロへの警鐘はわかったが、それに対する対応の提示がなければ、
   片手落ちではないか?
■ テロ予測の精度は?
■ たとえば、飛行機が突っ込んできたとして、どんな対応ができるのか?

・・・とった疑問からです。
これに対して・・・

■ 少なくとも、テロへの事前知識がなければ、そもそも対応ができない。
■ また、テロについては、興味・関心を持つ、そして考える機会が
   絶対的に不足している。
   まずは、そこからで、テロの専門家にしても、テロへの対応の研究は、
   始まったばかり。
■ なにより、テロへの対応も自分自身で考えることが必要。

また、
■ テロへの認識はあるが、だからこそ、対応の手段はないのではないか。
   なので、なにも事前にはしない。
・・・との意見も。

さらに、
■ 事前予測のための監視体制の強化には。
   >>人権面から問題が多い。
■ テロの根絶はありえないには。
   たとえば、貧困が全ての原因ではなく、
   アルカイダは高学歴・富裕層の集まり。
   >>少なくとも、貧困を原因とするテロをなくす政策は必要ではと。
   >>また、テロの研究家に、
      そういった政治・政策の視点で語る人が少ないのではと。
      (あるいは、一般人にもわかる言葉を持ち合わせない?)

■ テロについては、頻出度(認知度)が低いわりに、
   リスクの大きさは、人命や経済システムそのものを対象としており、
   また、リスク回避のコストも、高くなることが予想できる。
   >>こういったものに対する危機管理はやりにくい。

しかしながら、最後に、
■ テロへの危機意識の喚起は必要。
■ 対応としても、国家任せにしない、個人あるいは民間団体でのものが必要。
・・・とのまとめがありました。
   

・・・というような喧喧諤諤な感じで、
あっという間の3時間でした。

 

  「29thミーティングに関する報告書」(2002.11.2)


”明るい! 不良債権” 

概要は、
不良債権という言葉は氾濫していますが、
それはいったいどういうものを指すのでしょうか。
そして、
不良債権の売買(処理)が行われていますが、
それは、どういった流れで、どういった会社が行い、
またどういったところから利益を上げているのでしょうか。
・・・という感じでした。

これにつき、17名(および、「アントレ」取材2名)のご参加により、
ディスカッションが行われました。


さてさて、ミーティングですが・・・

まず、参加者全員による恒例の「近況報告」・・・

■ ドラッカー的未来社会を読む(川井健男著。宝島社新書)の紹介。
■ 地域の葬儀ビジネスに競争戦略論えお活用。
■ 組織改革コンサル。35歳FA制。
■ ネット詐欺顛末。
■ 税理士報酬デフレと、質の低下。
   デッド・エクイティ・スワップの評価変更。
■ 資格予備校のリベンジ講座。
■ 東京は、本気でやってる人多い。
■ 保険の商品力。顧客満足。
■ HPサイト制作、美容院なども増える。くじ付きクーポン。
■ 士業、実体面への干与。書類作成からケア・サービス分野へ。
■ 配線業務のニッチ。
■ 資金繰り。銀行とケンカをしないこと。
   地方の土産物苦戦。新規性がないから。
■ IT系の一部上場企業の非効率業務の多さ。

・・・などなど。 


さて・・・
”明るい! 不良債権”の
古村さん(金融コンサルタント会社)の発言となりまして・・・

大筋としては、
1. 不良債権とは
2. 不良債権を取り巻くビジネス
3.不良債権の処理方法
・・・でした。

1. 不良債権とは
1) 定義
 一言で言うと「金利や元本の支払いが滞っている債権」。

健全な経済状況でも、とうぜん必ず存在する。
現状は、
あまりに多すぎる。
過去の貸し過ぎが一因。
また、不動産の担保価値のみを評価しての貸し出しも一因。


ただし、正確には以下の3つの定義に分けられる。
@ リスク管理債権
   ・・・法律上の不良債権。
A 金融機関の自己査定に基づく不良債権
   ・・・金融機関の自主的な。
B 金融再生法関連債権
   

・・・間接金融(融資;借金)から、直接金融(出資;株式)への移行が進まない。
・・・銀行の経営が、
前時代的なものとなっており、収益構造・査定方式の改革が進んでいない。
・・・たとえば、事業そのものを査定する仕組み未熟であり、
仮に、その事業に投資をできるとしても、
銀行員は、もし失敗したときの責任を恐れる(出世に響く)。
・・・なお、貸し渋りについては、
企業そのものが融資に見合わない経営をしているところも多いとのこと。


2) 実際のボリューム
・過去10年間、全国銀行で約90兆円の不良債権を処理
・金融庁発表の2002年3月末の不良債権残高は大手銀行で27兆円
・2002年3月期は大手銀行だけで不良債権9兆9千億円が新規発生

3) 問題点
景気減退→不良債権増大→銀行の自己資本比率低下→銀行の貸出圧縮
→世の中に資金が流れない→景気減退→不良債権増大......

日本経済はこの悪循環から抜け出せないでいる。

・・・直接償却(バランスシートから切り離す)でなく、間接償却(引当金を積む)

問題を先送りに。


2. 不良債権を取り巻くビジネス
誰が、どこで、どの様にして不良債権の売買を進めているのか!?


     Cデューデリ業者
      価値        価値
手数↑↓算出   手数↑↓算出
 料           料
      債権売却       回収委託
        →           →
@セラー      Aバイヤー      Bサービサー   
        ←           →
      債権購入       委託料
                    ←
                   回収額
融資↓↑返済             回収交渉↓↑返済     
______________________
            債務者
______________________


※関係者
@ セラー:不良債権を売る企業
 邦銀、生命保険会社、リース会社、商社等

・・・入札により売却されることもあり、相対取引でなされることもある。
・・・バルクセールといって、多数の不良債権をまとめて売却することも多し。

A バイヤー:不良債権を買う企業
 外資系投資銀行・証券会社、ブティックインベスター(個人か数人にて)等
B サービサー:不良債権の管理・回収を行う企業
 日系・外資系の銀行系・不動産系・消費者金融系会社がそれぞれ出資して設立。
 現在67社あり。
 本来、債権回収は、弁護士の独占業務だか法律により特別に認められている。
 ただし、役員に、弁護士が就任しなくてはならない。

・・・バイヤーとサービサーが分かれているのは、
サービサーが、設立に法律上の要件の充足が必要となる会社のため。

C デューデリ業者:不良債権の価値を算出する企業
 金融コンサルタント会社、不動産評価会社等
 (但し、バイヤーが独自で行うケースもあり)
* デューデリジェンス:「当然、しっかりと行うべきこと」という意味。
実際は「買主あるいは投資家が物を購入したり、投資する場合、
その物や投資対象のリスクを
把握するために当然行わなければならない調査」のこと。

・・・不良債権の価値の算出は、過去の統計からなされていたが、
現在は、キャッシュフローから、時価を割り出すようなものも。
 

●不良債権売買の流れ(簡略)

たとえば、
企業が債務者として、銀行を債権者とする。
その債権額が10億円として、この返済が滞ったとする。
この場合に、銀行が、
この債権を、(1銭にもならないよりはマシと)2億円で、バイヤーに売却。
バイヤーは、
この債権を、3億円にて回収するように、サービサーに依頼。
サービサーの回収が成功すれば、
バイヤーは1億円を儲けることができる。
この儲けから、デューデリやサービサーに手数料を。

・・・このため、企業から、銀行へ、不良債権の売買を要請することも。
・・・ただし、現在。
不良債権の売買は、減ってきている(政府の不良債権処理云々で様子見か)


3. 不良債権の処理方法
1) 法的処理
  会社更生法・民事再生法等
2) 私的処理
  債権放棄・デットエクイティスワップ等
  ・・・債権放棄は、銀行内部で、
    上記の不良債権売買と同じような流れとなる。
3) 債権譲渡(売却)
  外資系ファンド等への売却

* 証券化
 :不良債権を一まとめにして証券化し、機関投資家へ売却

といったあたりで、時間切れでした。
・・・不良債権のおおまかな流れと、
問題点を抽出できたのではないでしょうか?


さて・・・
以下の点については、
SENRYAKU−MLでのネットディスカッションのテーマとします。

4. 不良債権問題の今後
 こうすれば不良債権問題は解決する!?
1) 査定の厳格化
2) 税効果会計の見直し
3) RCCの活用
4) 産業再生機構の活用
5) 企業再生ファンドの育成


終わりに、発言者・古村さんからのまとめとして、
『デフレ経済からの脱却』が、
不良債権問題の根本的な解決のポイントになるのではないかと。