3.Federation(各連盟)とCMASダイブセンター
 1国1団体という誤解をされることがありますがこれは誤りです。CMASのWebで確認することができますが、日本でもいくつかの指導団体(複数のFederationと2つのCMASダイブセンター)がCMASに正式に登録されており、各団体がCMASのカード発行を認可されています。CMASのカード発行はCMASに加盟するCMASダイブセンターFederation(各連盟)からのみ発行が認められています。またまだ誤解されることが多くありますが現在ではCMAS本体のみのカード発行は認められていません。必ず、カードの裏面には各発行団体側の登録情報の記載を義務付けており、それによりCMAS本部のWebで正式なカード発行団体であるかどうか、更にその所在地と連絡先を確認することができるようになっています。また現在では以前と全く異なる発行番号体系に変更され、発行番号の意味の詳細が公開されることで偽造かどうかを誰でも判断することができるようになっています。詳しくはCMAS本部のWebページで公開されているドキュメントを参照されると良いでしょう。また更にCMASはヨーロッパではライセンスとして扱われることからも、偽造を防止するためにもカード表面にはホログラムが用いられており、複製は困難になっています。正式なカードの見本についてもCMAS本部のWebで公開されていて偽造かどうかを確認することができます(現在の正式な額面は本ページの右上に★★ダイバーの例を掲載)。また偽造カードをCMASと称して申請料を徴収し発行することは詐欺に問われます。
CMAS とは
1.世界水中連盟(世界水中活動連盟)
  Confédération Mondiale des Activités Subaquatiques

  (発音:コンフェデラシオン モンディアル デ ザクティビテ シュバクアティック)
 
 CMASの読み方はシーマス、あるいはクマス。設立は1959年。各ダイビング指導団体の連盟として設立されたNGO。現在の本部はイタリアのローマ(以前はフランス)。公用語はフランス語、英語、スペイン語。初代会長はJacques-Yves Cousteau(ジャック・イブ・クストー:写真右)。

1 star Diver ★(plongeur 1 étoile.=P1)
 限定海域でダイビング器材を安全で適切に使用でき、経験者のダイバーと一緒に外洋でダイビングの経験をする準備ができたダイバーのレベルとなります。1 star Diverの取得直後はPADIのOpenWaterDiverと同レベルと考えて構いません。
4.参考文献
  ここでは参考までにCMAS本部のWebで上記内容を確認できるドキュメント類の掲載箇所について紹介します。またあわせてCMASの発行番号についての規定もこれらのドキュメントで確認ができますが、皆さんが調べやすいように発行番号の意味について以下に掲載しておきます。

  CMASのWebページ
   Documents(文書) 
     > standards(規格)
      > techinical committee
       >  standards
        > Divers & instructors standards Version 2002/00
  
    現在の発行番号(2002年~2010年)は 
XXX/Y00/ZZ/99/888888 というフォーマットとなります。
    XXX:各連盟やダイブセンターの所在地のオリンピック参加加盟国略称(日本はJPN)
    Y  :FはFederation、OはCMASダイブセンター(CMAS本部のWebで確認可能)
    00 :CMAS本部から承認されているコード(CMAS本部のWebで確認可能)
    ZZ :カードのレベル(P1, P2, P3, P4, I1, I2, I3)
    99 :発行年の下二桁
    888888:各団体の発行年毎の積算発行番号(毎年000001にリセットされて始まる)
 
    偽造が良く見られる発行番号体系は、P1-〇〇〇-0125などだ。
     〇〇〇は様々なアルファベットだが、現在はこの発行番号のフォーマットは認められていない。
4 star Diver ★★★★(plongeur 4 étoiles=P4  
 平均レベルよりも高い知識と幅広い経験に裏打ちされた能力を有している★★★ダイバーがこれに認定されます
ダイバーを使役したり、業務やプロジェクトを達成するために潜水を行うのに適任と見なされます。(業務や職業としての潜水を行うレベルとなります)
2 star Diver ★★(plongeur 2 étoiles=P2)
 何度かのダイビング経験をした後、少なくとも★★ダイバーかそれ以上のダイバーとパートナーを組んで潜水をする準備ができたダイバーのレベルとなります。また★★ダイバーは、一人の★ダイバーと限定海域であればバディーを組んでダイビングしてもよいレベルとなります。
2.認定カードのランク
 CMASのダイバーのランクは、フランス発祥らしく、ミシュランガイドの格付けと同じく★(étoile:エトワール)の数で表現されます。ダイバーのことをフランス語ではplongeur(プロンジュール)と言います。初級の★(1 star diver)は plongeur 1 étoile と言い、認定カードのランク記号としてはP1と表現されます。その為CMASのランクの表現はPADIのようなOpenWaterやAdvancedOpenWaterという表現はしません。各ランクのスキルの基準は以下ですが、CMASの登録団体によっては若干の差があります。
PADIのランクとの比較
 PADIとCMASの団体間の移動は双方向とも問題なく行うことができます。但し★★ダイバーがAdvanced Open Water Diverではありません。★★ダイバーは★ダイバーを引率できるスキルがあると見なされるからです。CMASとPADIの相互の合意では、PADIのOpenWaterDiverやAdvanced Open WaterダイバーがCMASのコースにクロスオーバする場合は、★★ダイバー講習からの参加を推奨しています。詳しくはPADIとCMASの合意のドキュメントを参照してみてください。
3 star Diver ★★★(plongeur 3 étoiles=P3
 外洋であらゆるランクのダイバーを引率できる十分な訓練と経験があり、責任のあるダイバーと見なされます。
Jacques-Yves Cousteau