2010年5月31日更新
ダイビングの器材で必要なのにダイビングショップで営業されないものといえばダイバーズウォッチです。器材の中でもレンタルはまずありませんし、ダイビングのマニュアルでも書かれていない事も多いのですが、ダイビングを行う以上は本当は必ず必要なものです。ダイビングウォッチを選ぶ上で、どのような点に気をつけて購入すればよいでしょうか。ここで少し見てみましょう。
(1)防水機能
200m防水以上のもので潜水用防水といわれているものがダイビング用です。但し水中カメラの名機ニコノスが50m防水ですし、最近のデジタルカメラの防水性能はせいぜい40m防水です。最大水深を30mとした場合、4絶対気圧ですから1.5倍の安全率を取ったとして、確かに50m防水が静かに扱った場合にリーズナブルな防水性能となります。衝撃を考慮して更に1.5倍の安全率を取ったとして9絶対気圧、つまり80m防水となり、100m防水もあればレジャーダイビングの場合には問題がない計算となります。
アメリカ海軍のダイブテーブルには空気での無限圧潜水の最大水深は60mと記載されています。空気で潜ると酸素中毒を起こす危険のある限界の水深です。この時の圧力は7絶対気圧。1.5倍の安全率を2重にとったとしたら約16気圧になるわけです。そのような条件では、潜水用200m防水のものが必要ということになりますが、これはあくまでも単に規格上の問題と考えましょう。その他、潜水用のものは、リューズはネジロック式のものが用いられています。
(2)ベゼル(レジスターリング)
時計の外周部についているダイヤルのことをベゼルと言います。0~60分の目盛りがついたものや、世界の時差が地名と共に書かれてあるものがあります。その中でも記録をさせる機能をもったベゼルをレジスターリングと言います。レジスターリングの中には、方位が書いてあるものなどもありますが、その中でも0~60分で一分単位に目盛りがついて時間の記録をする機能を持ったものがダイビング用になります。ダイビング用のベゼルは、反時計周りにしか回転せず、逆回転はしないつくりになっています。潜水開始時刻をセットした後に、何かにぶつかって開始時刻がずれたとしても、潜水開始時刻は早い時刻にずれるので、浮上開始時間が早く来ることになります。つまり浮上時間が遅れて減圧症になるようなことがない構造になっているということです。またベゼルの外周部は、グローブをしても回しやすいようにエンボスが打ってあります。

潜降開始時にベゼルを回し長針に合わせ、以降はベゼルは触ってはいけません。潜水中は、長針が指し示すベゼルの時間を見て、潜水時間を把握します。
潜降開始をする前は、ベゼルの0分の位置が長針とはズレています。
(3)ムーブメント
潜水中において、時間、残圧、水深、この三つは常に管理が必要な重要な項目です。うっかり無限圧潜水時間をオーバーしたとか、うっかり残圧がなかったとか、うっかり最大水深を超えていた、などと言う事はダイバーのCカードを得たら、あってはならないことです。もし自信がないのならガイドが居ても潜るべきではありません。特に潜水時間の管理は無限圧潜水時間を守る上で、最大水深と並んで重要な項目です。決して潜水中に時計が止まる様なことはあってはいけません。海外でダイビング用の時計のムーブメントが、電池で動くクオーツではなくて、自動巻き(Automatic)が好まれるのはこうした理由からです。ダイビングコンピュータやクォーツ時計は電池で動く以上、潜水中にバッテリー切れを起こす可能性があるからです。