セルフダイビング(ガイド・無しのダイビング)はオープンウォータ・ダイバーからできるところや、アドバンスドからできる場所などがあります。Cカードをとってから最初はブランクをあまりあけずに、無理のない範囲でセルフダイビングの練習をするのが良いでしょう。このページでは、あまり知る機会が少ないセルフダイビングの概要を見てみたいと思います。 
1.事前に予約の電話を入れよう
 セルフダイビングの受付が可能か、事前に連絡をし、必要なタンク数を確保してもらいましょう。メンバーのレベルや経験本数に制限があるところがほとんどですのでここで確認をしましょう。また当日のクローズの連絡などをくれることがあるため、連絡先は携帯電話の番号を伝えておくのが良いでしょう。当日も朝にオープンかどうかの確認をすると良いでしょう。


2.現地についたらまず受付をしよう 
 受付ではバディーとなる人と一緒にオープン・ウォータ・ダイバーやアドバンスドのCカードを提示して受付をしましょう。Cカードを忘れると受け付けてもらえませんので注意が必要です。
 
3.潜水計画を立てよう
 ダイブサイトによっては、潜水計画表を提出する必要があります。ただし潜水計画表の提出が義務付けられていなくても、計画を立ててメンバーと共有することは大切なことです。
 また水中マップをもらったら、初めてそのサイトを潜る場合は受付でアドバイスをしてもらいましょう。ただしコンパスが使えることが当然要求されますので、基本的なスキルはあるという前提での説明になります。

4.水着に着替えてタンクの受け取り 
 各ダイビング・センターにはちゃんと更衣室が用意されています。まずは水着に着替えましょう。夏は水着で外を歩いても大丈夫かもしれませんが、春や秋は水着で外をあるくと寒いはずです。水着に着替えたら高価なダイビング用のボートコートではなく、普通のスポーツ用のベンチコートを羽織る暖かいです。真鶴のダイビングでベンチコートは必需品と言えます。そして機材をセッティングする為に、まずタンクを所定のところより受け取ります。江之浦や福浦はタンク置き場に取りに行くスタイルで、琴ヶ浜の場合は受付の方に口頭で申告すると、その都度タンクを持ってきてくれます。空きタンク置き場から間違えて空きタンクを持ってきてしまわないようにしましょう。空きタンクはバルブのキャップがはずしてあります。(でもゲージにつなげればエアーがすくないので気づくことができますね)
5.まずはセッティングをしよう
 ウエットスーツを着てからセッティングしても、もちろん良いですがウエットスーツを着ていると動きにくいので、先に機材をセッティングしてしまう方が良いでしょう。タンクを置いたら、まずは(1)タンクにBCを取り付けて、次に(2)タンクにレギュレターを取り付けます。そして(3)中圧ホースをBCに接続したらできあがり。ついでにエアーチェックもしてしまおう。タンクによってウエイトも変わるからウエイトもしっかり準備しておきましょう。
6.タンクを担いでバディーチェック
 機材のセットができたらタンクを背負ってエントリー口まで移動です。
 そしてエントリーする前にはバディーチェックを忘れずにね。
(1)バディー同士でお互いのオクトパスの位置は確認しておきましょう。

(2)エアーのチェックをしましょう。お互いにバルブは開けてあるでしょうか。
(3)水に入る前に曇り止め。

7.エントリー
 さてエントリーです。まずはコンパスのインデックスマークを合わせて、数字も念の為に覚えておきましょう(基本練習の「コンパスを使う」で詳しく触れています」)。エントリーで重要なのはサーフゾーンをすばやく抜けること。でも一番良いのは波に翻弄されない場所をさがしてエントリーすることなのです。江之浦、福浦にはスロープがあるのでスロープからエントリーしましょう。
 エントリーする際にはどんなに波が弱くても、念には念を入れ、まず呼吸を確保するためにスノーケルかレギュレターは必ずくわえておきましょう。(写真は波のない場所を見つけてエントリーする聴覚障害者の女性ダイバー。本来海は全ての人に開かれているものだ。)
8.水面で好きな位置に移動して、休んでから潜行
 深いところにいきなり潜降しようとすると、まだ慣れないうちは海底まで落下してしまうことがあります。そこではじめのうちは通常よりも浅いところで潜降をしてみましょう。潜降の際は「速やかに潜降する」のではなくて、たとえ水深が浅くても「できる限り静かに時間をかけて潜降」するようにしましょう。スノーケルからレギュレターにくわえかえるのも忘れずにね。そして潜降の前にはもう一度、ゲージを見ながらパージをしてみて針が微動だにしないことを確認しましょう・「実際の潜降」のところで詳しく説明しています。バディーと一緒に向かい合いながらゆっくりと潜降しましょうね。潜降したら方角を確認しましょう。

9.最初はあまり移動しないで、静かに自然観察ダイビング
 潜降が終わったらすぐには移動しないようにしましょう。潜ってすぐは、まだ陸上の感覚を引きずっていることが多いかと思います。意識してゆっくりと動くようにしましょう。
 最初はあまり動き回らずに、戻れる範囲の地形から覚えるようにしましょう。
 そして何度か同じところを潜っているうちに、だんだんと場所を覚えられるようになってくるでしょう。のんびりとダイビングを楽しんでくださいね。特定の魚を探す必要はありません。ひとつひとつの魚を、あたりまえにいる魚と思わないで意識して大事に観察するようにしてみましょう。またその魚がどんな場所を好んでいるか、いまは何の行動をしているのかを意識して観察してみましょう。


10.ダイビング中に確認が必要なこと
 
ガイドダイビングでもセルフダイビングであっても、残圧、水深や体調は本来は自分で管理する項目。潜水計画通りダイビングを行われているか自分でチェックが必要です。エアーは意識して頻繁に確認しましょう。3連ゲージでしたらコンパスや水深を見る時にも確認するのが良いでしょう。残圧は40〜50気圧は残してダイビングが終えるようにしましょう。バディーと移動する際は、横に並んで一緒に移動しましょう。常にバディーの位置をお互い把握してダイビングをしましょうね。また自然のものに対するマナーを守るようにしましょうね。 

11.安全停止
 浮上の前にはかならず、6m〜3mで少なくとも3分間の安全停止をするようにしましょう。と言っても、水中で中性浮力を取りながら安全停止をするのではなく、6m〜3mの水深のところまで戻ってきてから着底して安全停止をしてかまいません。ダイビングの終わりには必ず安全停止をする習慣を身に着けましょう。意外に安全停止水深のほうが魚影が濃かったりします。


12.浮上
 安全停止が終わりましたら、浮上前には必ず完全排気をしてから浮上をします。水深は6m〜3mになっているかと思いますが、できる限り浅い水深までゆっくり進んでから浮上したほうが浮上には安全です。ただしイクジット場所近くまで近づいてから浮上する場合は注意が必要です。エントリーしたときとは違って、もしかすると海況が変わってしまって、イクジット口が荒れているかもしれません。イクジット場所が安全かどうかを確認しましょう。またイクジット口にエントリーする人がいるとイクジットできません。あらかじめ少し手前で浮上しておいて、イクジット口に向かうことをアピールしておく方がスムーズに行くでしょう。

13.イクジット
 
イクジットは、エントリーの時と同様に速やかに波打ち際を抜ける必要があります。完全にイクジットが完了するまではマスクはもちろんのこと、レギュあるいはスノーケルを口からはずしてはいけません。
 ここで大切なのは陸だけを見るのではなくて、むしろ沖を見ることです。大きな波が来る前のタイミングにイクジットして立ち上がろうとすれば、すぐに倒されてしまいます。また波が来た直後は引き潮で近づけなくなります。波にのってイクジットするのが最も良いです。

 イクジットに手間取ることも考えて余分にエアーを残しておくことは大切なことです。後からイクジットしてくる人も待っていますので、水からあがったところで一息つかず、そのまま速やかに先に進むことが大切です。

14.機材をおろして休憩を
 
ダイビングコンピュータや、水中カメラなどは早めに真水で軽くすすいでおきましょう。残圧を確認したらタンクのバルブを閉めて、レギュのパージボタンを断続的に押して、レギュの中のエアーを抜いてしまいましょう。

15.2本目のダイビングまでの間に
 
午前中に2本潜ってしまい、昼食は帰り際にどこかによって食べるというのがスマートなセルフダイビングスタイルです。また都心から近いところであれば、2本潜った後に休憩時間を2時間近くとって潜水記号を2段階下げてから3本目を潜ることも可能です。帰りに高所移動を伴う場合は、高所移動テーブルを引いて帰れる時間を確認しておく必要があります。



16.ダイビング終了後に機材をあらう
 機材洗い場では、泥を落とすのと塩が吹くのを予防する程度にサッと水洗いをして、細かく洗うのは帰ってからがよいでしょう。特に自宅でからあらうことがとても重要です。バスや電車で来られる方は、できる限り軽くしてから帰りたいものです。その場合は水洗い後に良く干さないとかなり重いです。



17.体調のチェックとログ付け
 ログは出来る限りダイビング終了後に速やかに行いましょう。