行動記録

 

8月4日 成田18:15−

8月5日 −クライストチャーチ08:45〜12:30−テカポ15:30

8月6日(曇り時々雪時々日も差す)テカポ09:00−セパレーションストリーム出合の0.5km南1,030m 12:00〜12:30−ゴドレー小屋16:00

 9時に4WDチャーター車でテカポのホテルを出発し、町の東端でテカポ湖の東岸を北上する未舗装の雪道に入る。20km進んだ所でマコーレー川を渡るが、橋は無く、幅10〜20mの水流の中を何度か通過する。リリーバンクステーションという牧場を抜けると、道はゴドレー谷の河原を走るようになる。もうこれより先に人家は無い。時々水に入りながら谷を遡る。幅2kmの谷の両岸には、氷河を頂く山脈が続く。進むにつれて、道は不明瞭になり路面状態も悪くなってきた。積雪も30cmくらいになったので、急な段差などは車輪が滑ってなかなか登れない。運転手はしばしば車を降りて、道を探したりスコップで雪を掘って路面の様子を調べたりしている。セパレーションストリーム出合の1km南で、谷の上流から来た2台の車とすれ違う。ゴドレー小屋から下山中のハンターであり、彼らが入山した8月3日には全く積雪が無かったそうだ。

 セパレーションストリーム出合の0.5km南で車は進めなくなった。シール歩行でハンターのトレースをたどる。ルートの所々にはケルンが積んである。フィッツジェラルドストリーム出合から先は、急な登り下りがあってシールでは歩けない。ゴドレー小屋は近そうなので、スキーと他の荷物を2回に分けて運ぶことにした。スキーをデポしてつぼ足で進む。フィッツジェラルドストリーム北岸の小ピーク(1,120m)の西面を中腹まで登り、北面の巻道に入ると0.3km先に小屋が見えた。しかし、この巻道は岩の上に新雪が40cm積もった状態なので、頻繁に岩の上で足が滑ったり、雪を踏み抜いて岩の間の穴に落ちたりする。スキーなど担いでいたら、転んで急斜面を転落しかねない。小ピーク北麓の沢に新しいルートを開く方が良いようだ。

 荷物は巻道にデポして空身でトレースを引き返す。小ピークの西麓で後続の森野と合流し、そこから北側の沢へ10mほど下りてラッセルしながら沢を詰める。小ピークの東側へ出た所でハンターのトレースに戻れば、間もなく小屋に着く。小ピーク東面を登って巻道にデポした荷物を回収し、小屋で一息ついてからスキーも取りに行く。小屋の客は我々だけだった。

8月7日(快晴)ゴドレー小屋09:00−渡渉点1,095m 10:00〜10:30−モレーン頂上1,232m 12:15−渡渉点12:30−モレーン北端1,100m 14:00−マウド氷河末端部の標高1,160m 15:30−モレーン北端16:30−渡渉点1730〜18:00−ゴドレー小屋19:00

 ゴドレー小屋からマウド氷河末端部までは、スキーが使えない所が多く、つぼ足でのラッセルもきつそうだ。そこで、今日はスキーを持たないで氷河末端部までトレースをつけておき、明日はそのトレースを使って氷河を滑りに行くことにする。

 9時に小屋を出発。脛までのラッセルをしながら、2つの氷河湖をつなぐ幅5mの川の渡渉点を探す。上の湖の出口が最も浅いので、そこを横断することにした。ビーチサンダルに履き替え、脛まで水につかって渡る。

 川を渡った後は、2つの氷河湖に挟まれたモレーンを北へ1km進む必要がある。地形図を見るとモレーンの西面の方が傾斜は緩そうなので、モレーン中央部の鞍部(1,120m)まで行って西側を覗いてみたが、高さ30mの崖になっていて下りられない。やむなくモレーンの尾根伝いに山頂へ登るが、西面の崖はさらに先まで続いている。このまま尾根を進むなら稜線直下の東面を巻いて行くことになるが、傾斜が35度あって足場も悪いので、明日スキーを担いで通るルートとしてはあまり良くない。結局、渡渉点へ戻って東面の湖岸を北上することになった。14時にモレーン北端に到着。

 モレーン北端を西へ回り込んで、マウド氷河末端部のガレ場に入る。あと1〜1.5kmくらい進めば、シールで登れるようになりそうだ。しかし、氷河末端部は凹凸が激しく、高さ10mほどの上り下りを繰り返すので道は捗らない。また、これまでも積雪の下の岩に足を取られて歩きにくかったが、進むにつれて岩は大きくなり、雪を踏み抜いて岩の間の穴に落ちると、抜け出すのが大変だし怪我をするおそれさえ出てきた。氷河末端部を0.5km進んだ所(1,160m)で登高は打ち切り、小屋へ引き返す。

8月8日(晴れ)ゴドレー小屋12:30−フィッツジェラルドストリームの標高1,260m 14:30−ゴドレー小屋15:30

 昨日の様子から判断して、マウド氷河を滑りに行くには末端部の積雪の状態が悪すぎる。また、上の氷河湖は氷が融け始めていて渡れないので、その奥にあるゴドレー氷河へ行くのも難しい。そこで、今日はフィッツジェラルドストリームと小屋の北東にある1,987m峰の下部を偵察し、どちらか良さそうな方を選んで明日の早朝から登ることにした。

 まず、小屋のすぐ南を流れるフィッツジェラルドストリームを遡る。シールで0.5km進み、さらにつぼ足で0.5km登って標高1,260mの大きなカーブまで行く。相変わらず積雪の下の岩に足を取られて歩きにくいので、谷の上部のスキーができる所へ着くまでは時間がかかりそうだ。今回フィッツジェラルドストリームを登るのは、やめておく方が良いだろう。

 小屋へ戻って裏の斜面を見上げ、1,987m峰への登路を探す。小屋から左上して北西稜の標高1,300m付近に出て、後は尾根を登るのが良さそうだ。岩の出ている所が多いので、スキーは無理だろう。明日はつぼ足で1,987m峰へ登って、眺望でも楽しんで来ることにする。

8月9日(雨時々強風)ゴドレー小屋滞在

 今日は雨になったので、1,987m峰へ登るのは中止した。ウィスキーなどちびちび飲みながら、小屋の宿泊者ノートから情報を仕入れたりして過ごす。この日の夜まで、小屋には他のパーティは誰も来なかった。

8月10日(雨時々強風時々日も差す)ゴドレー小屋10:00−セパレーションストリーム出合11:30〜11:45−テカポ14:45

 今日は下山日だ。昨日からの雨はまだ降り続いており、3日前ラッセルに苦労したモレーンの積雪もすっかり融けてしまった。10時に荷物とスキーを担いで小屋を出発する。雪の無い道は非常に歩きやすい。しかし、風が強い。突風が吹くたびに、ストックにすがって身構えていないと倒されそうになる。

 11時15分にセパレーションストリーム出合の北岸に着く。日が差して来て、ゴドレー谷をまたぐように虹がかかった。虹の端は、わずか30mほど手前の河原に届いているように見える。出合の南岸には4WDチャーター車が迎えに来ていた。3時間走ってテカポへ戻る。

8月11日 テカポ13:10−クライストチャーチ16:15

8月12日 クライストチャーチ05:40−オークランド07:00〜08:30−成田16:40

ニュージーランド ゴドレー谷(偵察)