行動記録

 

12月29日 成田17:25−サンフランシスコ09:18〜11:27−カルガリー15:06〜16:00−バンフ19:00

12月30日 バンフ滞在

 

12月31日(曇り。午後は雪で10cm積もる。)バンフ05:00−ロジャースパス07:00〜07:20−アスルカン登山口07:25〜08:00−アスルカン小屋12:30(バンフとロジャースパスの間には1時間の時差がある。)

 5時にチャーター車でバンフを出発し、3時間でグレイシャー国立公園ロジャースパスセンターに着く。ここで登山登録をしてから、さらに4km先のアスルカン登山口まで行く。

 シールを着けて5分ほど登ると鉄道跡に出る。鉄道跡を南東へ1km進むと、グレイシャーハウス跡に着く。グレイシャーハウスは、1887年から1925年まで営業していた豪華ホテルである。登山基地として有名だったが、カナダ太平洋鉄道がロジャースパス経由からトンネル経由に変わったために廃業してしまったそうだ。北東に曲がる鉄道跡と分かれ、さらに南東へ進む。トレースの分岐が2ヶ所あるが、どちらも右の方を選ぶ。グレイシャーハウス跡から1kmの所で橋を渡り、後はアスルカンブルックの東岸に沿って上流へ向かう。マウストラップという谷が狭くなった所を抜けたら、南側の樹林が密生した尾根に取り付く。標高2,000mで樹林限界を越え、後は広い尾根を登って12時30分にアスルカン小屋に着く。

 我々の他に3組9人のカナダ隊が滞在していて小屋は満員だ。午後、草柳と田尻はヤングス峰北西面を滑りに出かけたが、僕はシュラフにもぐって昼寝だ。

 

1月1日(雪。一昼夜で30cm積もる。樹林限界より上は吹雪。標高2,300m以上は雲が掛かる。)アスルカン小屋08:45−マウストラッップ09:10〜09:20−マウストラップの東側の斜面の標高2,000m 11:20〜11:30−マウストラッップ12:00〜12:20−アスルカン小屋14:00

 今日は吹雪になったので、樹林帯を滑ることにする。脛まで潜る新雪を快適に滑降し、アスルカン小屋からマウストラップへ下る。ここでシールを着け、東側の斜面に取り付く。密林と疎林の境目に沿ってジグザグのトレースを辿るが、30分程でトレースは消えて脛までのラッセルになった。標高1,900mからは北側の密林の尾根に移る。傾斜も増し、登高速度は大幅に落ちた。標高2,000mで引き返すことにする。

 少し南へトラバースして密林を抜け出し、粉雪を巻き上げながら傾斜40度の斜面を落ちるように滑る。100m程下りると、傾斜は緩んで30〜35度になった。開けた斜面を高速で飛ばすのも楽しいし、倒木でできた段差を飛び越えつつ木々の間を縫って行くのも乙なものだ。

 マウストラップから小屋へ登り返す。今日は7人が下山したが、代わりに7人と犬2匹のカナダ隊が入山してきた。

 

1月2日(雪。一昼夜で20cm積もる。樹林限界より上は吹雪。標高2,300m以上は雲が掛かる。)アスルカン小屋09:20−標高1,700m 09:40〜09:50−アスルカン小屋11:30

 相変わらず吹雪は収まらず、今朝までの一昼夜で30cmの新雪が積もった。マウストラップの南西側の斜面を滑るつもりで、小屋を出発する。小屋のすぐ下の尾根を滑降中に、西側の幅10m・深さ10mの沢の西岸で雪崩が起きるのを目撃した。ハイウェイ方面からは、人工雪崩で不安定な積雪を落とすため山に砲弾を打ち込む音が頻繁に聞こえてくる。

 樹林帯に入ると膝まで雪に潜り、傾斜が緩い所では下りもラッセルしないと進めない。標高1,700mまで下りた所で撤退することにした。小屋へ戻る途中、森の中の開けた急斜面(35度)でスキーのシュプールから幅5m・長さ20mの雪崩が起きかけ、数十cm下にずれた状態で止まっているのを見つけた。今日は2人が下山したが、ラッセルで苦労しているに違いない。

 

1月3日(曇り。標高2,300m以上は時々雲が掛かる。夜は雪で10cm積もる。)アスルカン小屋09:50−アスルカンパス11:10〜11:30−アスルカン小屋12:00〜12:50−ヤングス峰北西面の標高2,550m 14:20〜14:30−アスルカン小屋15:00

 夜が明けるとともに雪も止んだ。09時50分にアスルカン小屋を出発し、アスルカンパスへ向かう。所々の吹き溜まりを除けば、ラッセルは足首までである。小屋から南へ進み、標高2,200mでロープを着けてアスルカンパス北面の氷河の谷に入る。標高2,230mのクレバスの西側を迂回して、谷を詰めればパスに着く。盛んに雲が湧いていて展望は今ひとつだが、時折雲が晴れると南側のインコマプリュー川の谷を挟んだドーソン山脈も望むことができた。

 アスルカンパスから小屋へ滑り降り、一休みした後にヤングス峰北西面を登る。ここはステップス・オブ・パラダイスと呼ばれており、その名の通り緩斜面とやや急な斜面(30度)が交互に現れる。標高2,400mから上は氷河になるが、ルートの中央部には目立ったクレバスは無かった。標高2,550mで傾斜35度の急斜面の下に着く。あと200m登れば稜線だが、今日は雪崩の危険が大きいのでこれ以上は進めない。小屋まで滑って戻る。

 

1月4日(雪。標高2,300m以上は雲が掛かる。)アスルカン小屋07:30−アスルカン登山口11:15〜13:00−バンフ17:30

 今日は下山日だ。マウストラップまでは滑って下りられたが、その先は脛までのラッセルになる。アスルカンブルックの橋の1km手前からグレイシャーハウス跡まではシールを着けた。11時15分にアスルカン登山口に着く。13時にチャーター車が迎えに来た。運転手の話では、ロジャースパスを越えるハイウェイは1月1日午後から3日午前中まで雪崩対策のため閉鎖されていたそうだ。

 

1月5日 バンフ14:00−カルガリー16:00

1月6日 カルガリー06:40−サンフランシスコ08:27〜11:23−

1月7日 −成田15:30

カナダ ロジャースパス(アスルカン小屋)