情報編
1 山スキー適季
リトルヨーホー谷の山スキー適季は、年末〜4月である。スタンレーミッチェル小屋の宿泊者ノートを見ると、2004年末〜2005年春の場合、年末年始に5〜6組、1月に2組、2月〜4月には週に1〜2組の割合で登山者が来ていた。ヨーホーバレーロードが開通するのは6月半ば頃だが、5月になると標高1,800m以下の日当たりの良い所では積雪が無くなってしまうおそれがある。気温は、今回の山行の際にはマイナス3℃〜プラス7℃だったが、マイナス30℃まで下がることもあるそうだ。年末年始にヘッドランプ無しで行動できるのは、7時から16時30分までだ。
2 地図・ガイドブック
地図には次のものがある。
* Touring the Wapta Icefields第3版, Murray Toft著, Druid Mountain Enterprises社, 1996年(5万分の1の山スキー地図。ヨーホーバレーロード入口から3kmの所までは地図の範囲外。)
* Lake Louise & Yoho第6版, Gem Trek Publishing社, 2001年(5万分の1のハイキング地図)
また、ガイドブックには次のものがある。
* Summits and Icefields. Alpine Ski Tours in the Canadian Rockies, Chic Scott著, Rocky Mountain Books社, 2003年
これらはカナダ山岳会ホームページ(http://www.alpineclubofcanada.ca/)で注文できる。
3 山小屋
スタンレーミッチェル小屋はカナダ山岳会創設メンバーの1人の名前を冠して1939年に建てられたものであり、丸太造りで非常に風格がある。1階には居間・台所・寝室があり、ロフトも寝室になっていて、22人が泊まれる。巨大なプロパンガスタンクが設置され、6口の調理用コンロとガス灯がついている。鍋・フライパン・食器も揃っている。暖房には薪ストーブを使う。薪は小屋の裏に山積みされており、薪割り用の斧もある。ベッドにはマットが敷かれている。トイレは小屋の20m西にある。積雪期には小屋の窓に外から板がはめ込まれているが、これは簡単に取り外すことができる。小屋の予約方法や料金はカナダ山岳会ホームページに載っている。
タカカウ滝キャンプ場のピクニックシェルターは10m×5mほどの広さであり、壁や窓で囲まれているものの隙間風が入るので寒い。内部にはピクニックテーブルが4つ並べられ、その上にマットが敷いてある。4人はテーブルの上で快適に寝られるが、残りの人はコンクリートの床で寝ることになる。薪ストーブが設置され、20m離れたトイレの傍に薪も積んであるが、斧が無い。ストーブを使いたければ、薪割り用に小さな鉈などを持っていく必要がある。ピクニックシェルターは予約しなくても泊まれる。
4 ウィルダネスパスや登山登録
カナダの国立公園で山小屋に泊まったりキャンプしたりするには、ウィルダネスパスが要る。このパスは各地のビジターセンターで購入できる。また、登山の際はビジターセンターで登録をしておく方が良い。この登録をしたら、下山したときにセンターへ登録証を返さなければならない。予定日までに下山報告が無ければ、国立公園管理事務所が捜索を始めることになっている。ビジターセンターの場所や開館の期間と時間、パスの料金などはカナダ国立公園ホームページ(http://www.pc.gc.ca)に載っている。
5 交通
今回の山行では、カルガリー〜レイクルイーズ間はロッキーマウンテン・スカイシャトル(ホームページhttp://www.rockymountainskyshuttle.com/)、レイクルイーズから登山口まではタクシーで移動した。しかし、レイクルイーズのタクシーは1台しか無いらしく、なかなかつかまらない。それに、登山口付近には電話が無いうえ携帯電話も繋がらないので、下山してからタクシーを呼ぶには4.5km離れたフィールドまで電話をかけに行かなければならない。ちなみに、フィールドにはタクシーは無い。
カルガリー空港で車を借りれば便利だが、大手のレンタカーでも冬専用のタイヤより性能の劣るオールシーズンタイヤしか使っていない場合がある。道路が凍結したり圧雪状態になったりすることが多い12月〜2月頃にレンタカーを運転するのは危険だ。我々も2004年末にカルガリーからロジャースパスへ行く際、レンタカーでスリップ事故を起こしている。
交通手段は、次のようなものを比較検討して選ぶしかないだろう。
* 冬専用のタイヤが装備されていることを確かめてから、カルガリー空港でレンタカーを借りる。
* レイクルイーズでレンタカーを借り、登山口までの短い区間だけ運転する。
* 下山したらフィールドまで歩いて行ってホテルに泊まり、翌日グレイハウンドバス(ホームページhttp://www.greyhound.com/)でレイクルイーズに戻る。
* 下山したらハイウェイまで出てヒッチハイクする。ただし、スキーや大きな荷物まで載せてくれる車は少ないかもしれない。
* バンフの旅行会社に登山口までの送迎を頼む。
6 装備・食料
レイクルイーズのサムソンモールには登山用品店と食料品店がある。登山用品店ではガスカートリッジやホワイトガソリンを販売している。ただし、プリムス互換のガスカートリッジの在庫は125g入3個だけだった。キャンピングガスのカートリッジは250g入だったが在庫量は不明だ。フリーズドライは店員に頼むと倉庫から出してくれた。食料品店には、ソーセージ・野菜・インスタントラーメン・トイレットペーパーなども含め、登山に必要な食料や雑貨が一通り揃っている。カルガリーやバンフには、もっと大きな登山用品店やスーパーマーケットがある。
7 主な費用
* 成田〜カルガリーの航空券:1人当たり往復17万円
* カルガリー〜レイクルイーズのロッキーマウンテン・スカイシャトル:1人当たり往復1万円
* レイクルイーズ〜登山口のタクシー:1台当たり片道4,500円
* スタンレーミッチェル小屋:1人当たり1泊3,000円