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これがデキる研究計画書だ[MBA編
]
大学院研究計画書の書き方
「研究計画書」といわれても、実際には、どの程度のものが書かれ、どのように評価されているのか具体的なイメージはしにくいだろう。そこで、一つの例を見せながら、自分なりに評価してみて、採点者の評価と、どう違っているかチェックしてみよう。
ここがポイント”入試対策 -研究計画書-
(日経HP外部リンク)
進研アカデミーグラデュエート主宰
野林靖夫解説
(例題) 本研究科を志望した動機、研究計画、卒業後のキャリアゴールについて書きなさい。
(1600文字程度)

研究計画書例


@(志望動機)
 私は、介護関係の会社で5年間、営業に従事してきた。業務で担当したほとんどの顧客は、在宅介護を基礎にしていたが、営業として医療や介護の充実を優先した結果、施設介護へ移行するようになった。
 しかし、職務を通じて見えたのは、そのような施設介護サービス業が必ずしも顧客満足につながっておらず、解約されるケースが多く見られ、結果として企業と顧客両者の損失につながるジレンマに陥っているということであった。このような状況を見るにつけ、顧客が真に望むような在宅介護サービスを提供できていないことを強く感じた。
 Aそこで、現職より一歩外に出て、本研究科で医療、介護、ビジネスの現状を客観的に見つめなおす必要があると考え、大学院への進学を決定した。また今後、現事業をさらに大きく展開して、顧客ニーズを充実させるには、先進的なマーケティング手法を取り入れた経営を行うべきである。これに加えて経営戦略、組織戦略、消費行動を学びマネジメントに活かしたいと考えている。本研究科では、経営だけの視点や医療・介護だけの視点でもない療法の視点を持ったヘルスケアマネジメントの勉強が可能であることも志望動機の一因である。

B(研究計画)
 本研究では、以上の問題意識を踏まえて、顧客が真に望む在宅介護サービスの実現性について検証したい。医療・介護ビジネス戦略を同時に実現するためには、顧客のニーズを汲み取り、そのニーズを実現できるようなイノベーションを生み出すネットワークの構築が必要であると考えている。
 介護産業は民間に開放されてからまだ日が浅く、ほかの産業と比較しても、しっかりとした経営が行われているとは言い難い。また、介護と医療の連携がうまくいっておらず、そこにサービスの質の向上の余地があるのではないだろうか。そこで、本研究では、介護におけるマーケティングと、地域医療機関とのネットワークの構築を考えたい。ニーズに対応する援助技術では、もともとあるバラバラの資源(例えば、地域医療機関)についてネットワーク化を図り有機的に連携することが効果的なのではないだろうか。
 換言するなら、人と人、組織と組織の間にどのような連結や情報の流れを作るのか、さらには異質な人と組織の間にどのような接点を設けるのかということである。具体的には、地域の中核病院、医療センター、クリニックなどの医療機関や在宅医療・介護機関における各期間がお互いの個性を尊重しながら連携して新しい価値を創造していく方法や、連携から新たに生まれた共存共栄ビジョンを取り入れた医療モールなどのビジネスモデルも想定している。
 C研究プロセスとしてまずは基礎的な経営の知識、マーケティング論を習得したい。得られた知識を基に、潜在的なニーズを探る第一段階として、例えば藤沢市辻堂地区の地域包括支援センターでの在宅介護の現状に関するインタビュー調査を想定している。この地域の高齢者へのアンケートを5点数評価で行い、その傾向を分散分析や回帰分析を用いて検証する。これらの調査を基にニーズを析出しそれに対応するサービスの提供や、連携の方法を考えたい。

D(キャリアゴール)
 貴校で確立した仮説を、医療・介護のコーディネート活動の現場で検証していきたいと考えている。そのためには、多くのケーススタディに真剣に取り組み、問題の本質を読み取る力を向上させ対処法を身に付けたいと考えている。そのうえで、貴校で培った知識、分析力を十分に活かして医療・介護経営コンサルタントとして高齢者が住みなれた家で生活し続けるための地域医療・介護連携のさらなる充実化を図れるように現場に還元していきたい。


E(参考文献)
フィリップ・コトラー著 井関利明監訳(1991)『非営利組織のマーケティング戦略 - 自治体・大学・病院・公共機関のための新しい変化対応パラダイム』第一法規出版
真野俊樹(2007)『介護マーケティング』日本評論社



入試採点者はココを見る!!
大学によってはこれまでの経験の中で危機をどのように乗り越えたか、など受験者の実務能力やプレゼン能力を問うところもある。
今までの経験や現在の能力、入学後どのような貢献ができるかをアピールすることが重要。
@社会人経験を通じて感じた問題意識を明確に
A大学院で学ぶ動機、研究に対する意欲をアピール
B研究テーマの独自性を主張。
社会人経験によって培われた視点を織り込み、内容を充実させる
C大学院入学後の研究計画の骨組み、研究手法を説明する。
入学してからテーマそのものが変わることもあり得る。
この段階では予定で十分だ。
D志望動機との一貫性をもたせよう。
E参考文献は必ず明記する。
どれだけ先行研究に取り組んだか、判断基準にもなる。









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